始まり
【上天家】
約、何年か前の何か誰か、
どこの馬の骨かも分からないような奴の末裔の暮らす家。
そんな上天家のお嬢様が、上天 薫である。
そして、この家に代々仕えているのが、
【神代家】
である。
そして今現在、薫様にお仕えしているのは私、
神代 神貴である。
◆
「ちょっと私、異世界行ってくるから」
「その前に精神科に行かれてはどうですか?お嬢様」
「すまない、神貴。私に精神科に行く予定はないのだ。」
現役女子高生だからといって、このように金髪に染めている薫様は
一見不良だが、腰までかかった髪はの色は全て“地毛”である。
金髪ヒロインはもう終わったと思ったのに…シクシク、思わず涙が…
「今絶対、失礼なこと考えてただろ」
もう春だと言っても、まだ春先。涼しくも少し寒いような夕方。
全ては、ここから始まったのだ。
◆
お嬢様の国語力がちょっとアレなので私が代わりに…いや、翻訳して話すと…
「おい!なにが翻訳だ!そんなに分かりにく…」
続けます。お嬢さ…めんどくさいな。薫は、帰宅途中に謎の
胡散臭い老婆に声をかけられ、
「異世界行ってきまーす!」
と言えば異世界に行けると言われたらしい。
そしてその後その老婆は
「異世界行ってきまーす!」
と声を上ると、老婆の下に紫色の魔法陣のようなものが現れ、
吸い込まれて行ったらしい、のです。
まぁ、取りあえずその老婆を見つ…
「異世界行ってきまーす!」
「ちょ、待っ…」
ブォーーン
薫様を中心として魔法陣が出来ているよう…って…
「これ、私も入ってます?」
足がヌルンと足場を無くしバランスが崩れてしまった。
ヤバい吸い込まれ…
「さぁ、行くわよ!異世界!」
ちょっと薫、キャラ壊れてね?あれ、俺も壊れてる?あぁ!もういい!
「お嬢様が異世界に行くと言うので、私も同席させて貰いま~~~~す!!」