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【3.最悪な一夜】

第1話〜第4話まで、一気にUPしました。

楽しんでいただけると、嬉しいです。


「最っ悪……!」

アヤコは心の中で思いっきり叫んでいた。

先ほどの男にムリヤリに押し切られる形で、あのまま連れ出されてしまったのだ。

二人は今、男の行き付けらしきカフェバーに居て、男は涼しい顔でアヤコの隣に腰を下ろしている。


最悪だ――。


確かに、真面目だと言われた事に逆切れして、初対面なのにも拘わらず――しかも大っ嫌いなナンパなのに――正に売り言葉に買い言葉でOKしたのは、他の誰でもないアヤコだけれど。

それでも――男の所為せいにしない訳には行かない程、まんまと彼の策略に嵌ってしまったことに腹が立っていた。


ホント、最悪……。


「ねえねえ。そう言えば、まだ名前も聞いてなかったよね?」

男がウェイターによって運ばれてきたギムレットのグラスに一口付けると、口を開いた。

「おれ、上条壱哉かみじょういちや。こう見えても、25歳、独身。因みに、彼女募集中で〜す!」


壱哉と名乗った男は、今更ながら改まって自己紹介を始めた。まるで合コンのような軽いノリだ。

こう見えても、と前置くあたり自分の外見をある程度は解っているようだ。

実のところ、彼はまだまだ10代で通りそうな容姿をしている。つまりは、超童顔。

恐らく、常連でない場所でならば、お酒を飲ませては貰えないだろう。


「……オッサン。」

意外と大人でビックリしたのを誤魔化すように悪態吐いて、目の前のマルガリータを一気に煽った。

「誰もあんたの事なんて訊いてないし。てか、彼女募集中とかどーでも好いし。」

「え〜、ヒドイなぁ〜。彼女、可愛い顔して結構言うねぇ〜。てか、お酒強いんだね〜。」

結構キツイ事を言われているにも拘らず、何故か妙に嬉しそうな壱哉は、ウェイターに新しいカクテルをオーダーする。


「ねーねー、じゃあさ〜。君は?」

「……はぁ?」

「君の名前だよ〜。」

少しお酒の回った頭でどうにか誤魔化す方法を考えはしたものの、上手く行く筈もなく……。

「……アヤコ。」

結局、渋々と云った様子で小さく呟いた。

「アヤコちゃんかぁ〜。可愛い名前だね〜。」


不思議なトーンの声だな……とアヤコは思った。言っている内容は兎も角として、壱哉の声は、何故か心に直接響いて来る気がして、心地好いと感じた。

相も変わらず上機嫌な壱哉との会話と店の雰囲気に、アヤコは妙な居心地のよさを覚えながら、未だかつてない量のカクテルを胃の中へと納めて行った。




頑張って続きを書きますので、ご意見・ご感想などいただけると嬉しいです。

よろしくお願いします。

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