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友近 優
体操服へ着替えて、体育館裏にある木造の卓球場前へ到着した3名であるが、いざ、目の前にすると緊張からか中々、扉を開けれずにいた。
「なんとなく開けづらいね……」
叶の一言に素直に頷く2人。
「あれ? 卓球部の方ですか?」
固まる3人の後ろから爽やかそうな男性の声が聞こえた。
太陽が振り返ると、そこには耳までかかった綺麗なストレートの黒髪が風でなびいており、爽やか笑顔を見せる二枚目な男が立っていた。
「いや、俺たちは卓球部入部希望者だ」
「あ、そうなんだ。僕の名前は友近 優。君たちと同じく卓球部入部希望だよ。よろしく」
爽やかな笑顔を浮かべて手を差し出す優からは眩しさすら感じられた。
「お、おう。よろしく」
「さてと、それじゃあ一緒に入ろうか」
優は太陽と握手を交わすと3人の間を抜けて卓球場の扉へと手をかけた。
「あ、おい。待てよ」
扉を開けて中へ入る優の後に続いて、太陽達も卓球場へと入場するのであった。