いざ、卓球場へ!
「……よし」
ーー翌日の放課後、太陽は終礼が終わると共に入部届けの手に握り、自身のクラス、1-Aから退室し、卓球場へと向かい始めた。
「太陽君! 待って!」
太陽は覚悟を決めて卓球場へ向かう自身を呼び止める叶の声が聞こえて、足をその場で止めた。
「叶に青空、どうした?」
太陽が振り返ると、そこには同じクラスの叶と青空の姿があった。
「太陽君、卓球部に入部するんでしょう? 私達もついて行く!」
叶の言葉に太陽は思わず目を丸くした。
青空は小学生の頃から卓球をしていたから分かるが、叶は卓球未経験者のはず。太陽と同じく中学から卓球を始めようというのか。
「叶も卓球を始めるのか?」
太陽は自身が抱いた疑問を率直に尋ねた。
「ううん。私は2人を全力でサポートするためにマネージャーとして入部するよ」
叶が言う2人とは、太陽と青空の事であろう。
「マネージャー志望か。だったら、叶は面倒見も良いし、ピッタリかもな」
「本当? えへへ、嬉しいな」
太陽に褒められて、少し赤面し照れた様子を見せる叶。
可愛い。太陽は目の前で照れ笑いを浮かべる幼馴染みを見て、素直にそう思っていた。
「ほら! 2人共、早く行こ!」
叶が先頭を切り、3人はいざ卓球場へと足を進め始めた。