男「クールさんを攻略すると決めたはいいが」
男「そうはいってもクールさんは隣のクラス。さてどうするか」
友「無計画過ぎるな。そもそもなんでクールなんだ?」
男「クールさん友達いないだろ。だから優しく近づいたら落ちるかなって思うんだ」
友(うわ……こいつ殴りてぇ)
男「それに顔も可愛いし、胸もそこそこ――」
友「やめろもう喋るな」
男「? 分かった、それでなんかいい案ないか?」
友「んなもん自分で考えろよ…」
男「そう言われてもなあ…ってあれはクールさん!?ちょっと行ってくる」
友「あいつ足速ぇ」
男はクールを探すために廊下をうろつく。
女子生徒はそこら中にいるもののなかなか目当てのクールを見つけることが出来ない。
けれども、これが運命の意図するところなのだろうか、それとも粘ったかいがあったためか、男はクールを発見する。
さっそく話すことを試みて、クールの背中に声をかけた。
振り返ったクールの目は鋭く、男を少しひるませる。
男「や、やあ、クールさん」
クール「……誰」
男「おれは隣のクラスの男。体育一緒だよね」
クール「そうなの?」
男「ははっ、そうなんだよ」
クール「…………」
男「…………」
クール「それじゃあ」
男「ちょちょ、ちょっと待って」
クール「……何?」
男「いや、お話しない?」
クール「なんで貴方と」
キーンコーンカーンコーン
クール「授業が始まるから行くわよ」
男「あっ……逃げられたか」
休み時間終了のチャイムで男も教室に戻る。
そわそわしていたらすぐに授業も終わり、さきほどのことを友に報告した。
男「――だったんだよ」
友「昼休みの終わりだったんだから仕方ない」
男「次は諦めねぇよ!」
友「俺に宣言してどうする」
次の日はもっと近づけるように頑張ろうと、男は誓った。