君色ファンタジー

起

明方の仙台駅で、それは突然始まった。

目の前で酔っ払いに絡まれている一人の女性がいた。

正直に言おう。僕は一目惚れはしない。

というか、今の彼女と知り合ってからは、他の女性に好意が無くなっていたのだ。

だが君は違った。

君と出会い、君と過ごすうちに、君に染まる。

既に別の女に染まっていたはずの僕を、君は染めなおす。

衝撃的だった。

あの日君と出会わなければ。

一歩先にさえ進まなければ。

こんなことにならなかったのに。

溺れるような恋。

それは現実にあったのだ。