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REALITY  作者: むぅ
6/8

夏の日

「俺が夢羽ちゃんのことを好きになったのは

 9年前のことなんだ・・・。」


9年前の私は小学1年生でママと花火大会に行っていた。



「ママー!!夢羽、浴衣きたぁーい!!」

「はいはいw可愛くしよーね^^」

「ぅん!」



バーンッ  


パチパチパチ・・・


花火が空に上がっては消えていく・・・。

ざわざわと人のしゃべる声。

ふと気づけばママとはぐれていた。



「ママ?ママ・・・?」


私は花火に見とれていて迷子になってしまった。


「ぅ・・・っ。ふぇーんっ」

心細く知らない人たちの中で怖かったのか、

泣いてしまった。


「大丈夫か?」

私の目の前に現れたのは、小さな男の子だった。


「ぅ・・・っ。ぅん・・・。」

「どしたの?」

「ママがね・・・ママがいなくなったの」

「僕も一緒に探してあげるよ^^

 だからさ、泣かないで?」

「うん」


男の子は私の手をひっぱって歩き出した。





たどり着いたのは小さな神社で、階段に座った。


「足が・・・。」


慣れてないゲタをはいた私の足からは血がでていた。

「大丈夫?」

「うんw平気」


男の子は私の顔を覗き込んでニコっと笑った。


「名前はなんてゆーの?」

「夢羽!あなたは?」

「僕は、結蒔」

「結蒔も迷子になったの?」

「ううん。僕はもともと1人だった。」

「1人?ママは?パパは?」

「僕にはパパ、いないんだ・・・。」

「なんで?」


結蒔は何も答えずにニコっと笑った。

笑っているのに笑っていない・・・。


「じゃあさ、結蒔が1人になったときは夢羽が一緒に

 いてあげるからね^^」

「え?」

「夢羽ね、結蒔に助けてもらったでしょ?」

「う・・・うん」

「だから、今度は夢羽がね、助けるの^^」

「ありがと・・・。」






「夢ー!!!」


遠くからママの呼ぶ声がする。


「あっ!ママだw」

「じゃあ、僕はもぉ行くね」

「うん^^ありがとう。結蒔」

「じゃっ。ばいばい^^」

「ばいばい」


小さな手をめいっぱい振ってさよならした。




「あっ!!!思いだした!」


思わず声をあげてしまった。




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