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短歌師  作者: 弓月翼
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風のうた


 


ライオンの

ような植木のいる庭で

春の佳人に触れた初めて



鬼女が立つ

断崖絶壁曇天の

下この海になにを沈める




風を切る

夜の古城で誰が泣く

自由な朝をただ夢みてさ



静まった

夜にキラキラ風鈴の

心を揺らすさまざまな色



ふるさとの

山は削られ赤茶けた

内臓晒し消し去るあの夏



いつだって

悲しみ無限の街に棲み

痛みを無視して風を追い越す




amの

ラジオがつなぐあの世との

ノイズまじりの切ない優しさ




AIの

言葉はうっすらあの世にも

つながっているみたいだ深夜は




黒い矢が

胸の小さな旗を刺す

古い涙を流しはしないが






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