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夕暮れ
(短歌)
蓋のない
マンホールの穴覗き込み
なにもみえない夕暮れに風
さっきみた
子猫の潤んでみえる目が
脳裏に刻まれ消えてくれない
豆腐屋の
簡易ラッパの音がする
夕日の波紋の音に混じって
彼方には
東にひらけた街並みの
屋根の上には銀の三日月
神さまの
お告げのようなやさしさが
壊れた心を許してくれる
だれひとり
ひとりではないひとはいず
だから寂しく無いと許され
永遠の
ループがつづくマンホール
の穴には闇夜の微笑みがある
身を屈め
マンホールの穴覗き込む
そこには僕の漆黒の傷
神さまに
許されたとしてその傷を
癒すものなどいない闇の夜
みつからない
子猫の瞳が今もまだ
無力な胸に刺さったままで
夕暮れが
蒼い夜空へ向かう街
落ちるはやさしい波紋の闇空
いま夜と
人生なんかが絡まった
ままあの家へ帰る僕の目
ドアを開け
今日一日を終わらせる
部屋でゆったり解き放つ罪




