第四話 家の隠し扉をぶっ壊してみた
何も変わらぬ生活の裏に、気づかぬほど大きな秘密が眠っているーー
最近は、家の中を歩き回るのが日常になっている。
ちなみに、エリシアからの魔法のレッスンも順調で、四属性の元素魔法はC級まで扱えるようになったし、時間停止のコントロールもだいぶ上達してきた。
元素魔法とは火属性、水属性、風属性、土属性の総称で、それぞれ、神域、S級、A級、B級、C級、D級のランクに別れる。当然、神域魔術師を目指したい。
他にも色々な系統の魔法があるらしいが、精神支配以外は時間停止を使えば、負けることはないとエリシアが豪語していた。
あと、魔法を使うには魔石が必要みたいだが、俺はその魔石がなくても魔法を使えるみたいだ。
○
今日は、特に何もない穏やかな日だ。父のラウルと母のローズはどこかに出かけ、エレノアは掃除をしている。俺は家の中をぶらぶらと探検している。
「ん? ここの壁、何かおかしいぞ……」
普段ならスルーしてしまうような、ただの壁。よく見てみると、微かに隙間が見える。
「……隠し扉?」
心臓がバクバクしている。俺の家に隠し扉があるのだ。もちろん、このまま放っておいた方が良いのは分かっている。
しかし、異世界に来て、さらに自分の家に隠し扉があると来た。ロマンを感じずにはいられない。
俺にこの興奮を抑えて、この隠し扉から立ち去ることが出来ようか。いや、できないぜ!
「ドスコイ!」
思いっきり押してやった。
「……開いた!」
カチリ、ギィィィ、ビョーンという音とともに、扉が開く。
暗い階段が奥へと続いている。冷たい風が鼻をかすめ、地下特有の湿った空気が漂ってきた。
今の俺に、地下に続く階段を降りない理由なんてない! もう後には引けないのだ。
冒険心に火がついた俺は、慎重に階段を下る。足音を立てないように一段一段ゆっくりと進んでいく。
階段の先には、何かが待っている――そんな気がしてならない。
きっと伝説の剣とか、幻のアイテムがあるに違いない。
「着いた」
暗闇の中にポツンと一つ、木の扉がある。使い古されているように見える。
扉には、何か不思議な紋様が描かれている。家紋だろうか?
ワクワク感と同時に、ほんの少しの恐怖も感じる。
それでも俺は好奇心に負けて扉に手をかけた。
いや、ドアノブがあるけど、ここは扉ごと破壊して、カッコイイ入場を演出するべきだろう。それがいい!
手に魔力を集める。風属性の魔法が良いだろう。
「ドスコイやぁぁぁ」
バリバリ、ズド、ズドドドドド、ポヨーンと大きな音を立てて、扉が粉々になった。
よし、ないすドスコイでごわす!
中に入ると、そこには無数の古びた本棚と、きれいに積み上げられた金貨が大量並んでいる。
地下室の広さはこの家の一階と二階を足したぐらいだろう。
「ここは……何の部屋なんだ?」
目の前に広がる光景に、俺はしばし言葉を失った。
伝説の武器とかは、無いのだろうか。
その瞬間、何者かが斬りかかって来たーー
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