第一話 転生
気が付くとそこは白い世界だった。
俺の目の前には、一人の美しい女性が立っている。
状況が全く飲み込めない。
遡って考えてみよう。
そうだ、俺はトラックに轢かれそうな猫を庇って......トラックに......
それ以降の記憶が無い。
すると、目の前の女性が口を開いた。
「佐藤海翔さん、ごめんなさい!」
なぜ俺の名前を知っているのだろう。
それにしても美しい女性だ。
きれいな銀髪に、輝く翼、足元は少しだけ浮遊している。オマケに美女だ。
まさに非の打ち所がない女神だ。
そんな完璧が美女が、開口一番で俺に謝ってきたのだ。
「本当は別の方を殺すつもりだったのですが、間違えて海翔さんを殺してしまいました」
なるほどね。人を間違えて殺しちゃっただなんて、なかなか怖いことを仰りますねこの方。
正直、俺は浪人して辛い思いをして、誰でも知っているような有名大学に入学して、充実したキャンパスライフを送っていた。身を引くのは惜しい。
「あの、死んだのはもう決定事項だから仕方がないけどさ、女神さんの能力で復活とかって出来ない? 俺、死ぬ寸前が人生で一番幸せな時期だったんだ......」
「私はエリシアと申します。本当に申し訳ないのですが、それはできません」
そう......だよな。こんな虫がいい話なんてないよな。
「その代わりに、私が管理する世界に転生するのはどうでしょう? 特別に、スキルもあげちゃいます!」
ほう、なかなか悪くない話だ。もっと詳しく知りたい。
「ちなみにさ、そのスキルってのは、どんな感じなんだ?」
「時間停止です!」
少し期待外れな気持ちになった。一見、時間停止は便利そうだが、戦闘で使えるのだろうか?
大きいドラゴン相手に時間停止を使ったとして、停止中に倒せるのだろうか?
でも考え方を変えれば、時間を停止して、こちらが一方的に敵を攻撃できるって訳だ。
「エリシアさん、この話、乗った!」
このまま天国に行っても暇だろうし、便利なスキルを持って、人生をリスタート出来る!
こんな美味い話に乗らない手はない!
「ありがとうございます!」
エリシアが嬉しそうだ。こんなに綺麗な笑顔は見たことが無い。
「ところでさ、その転生する世界は、どんな世界なんだ?」
「剣と魔法の世界です。あ、でも安心して下さいね。その世界で一番強い人は海翔さんですから!」
うぉぉ、剣と魔法の世界。そして俺が世界最強ときた。今すぐに行きたい!行きたい!
「エリシア様、今すぐにその世界に行きやしょう!」
「海翔さんちょっと待って下さい。困った時、寂しい時、悲しい時は私を頼って下さいね! 心の中で呼んでもらえれば、すぐに隣に駆けつけますから。あ、もちろん私の姿は海翔さんしか見えないので、安心して下さいね!」
ぐぅぅ、外見だけでなく、内面までもが女神であったかぁ〜。
「分かったよ、エリシア!」
「あ、俺って猫を庇って死んだじゃん。その猫って生きてるの?」
「はい、海翔さんのおかげで元気ですよ。また会えるといいですね!」
良かった。これで安心して異世界に行ける!
「それは良かった。それじゃあ、異世界に送ってくれ」
「はい、そこに立っていて下さいね!」
俺は軽く頷いた。
そして、俺の周りを光が包み込んだ。
「またな、エリシア!」
待っていろよ、俺が最強の世界!
世界最強の俺が本気を出す!
これが、大陸で最初の皇帝にして、たった一代で世界一の富を築き上げた男(皇帝・宗教狂い・戦王・金融王・カジノ王・タワマン王・鉄道王)が誕生する瞬間であったーー
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