弱い体と溢れる気遣い
パパ、ママの溺愛の程かが分かる馬車が頭を掠め...つい...
王子さままでたどりつけませんでした(;_;)
私の体調を考え、国王陛下並びに王妃陛下、王子殿下にご挨拶するのは明日以降。
なので今は美しい白亜の城を遠目に見ながらタウンハウスに向かいます。
やはり王都は貴族のタウンハウスが多くある為か商業地区の通りは賑やかです。
沢山のお店が所狭しと並んでいて多くの人が行きかい、呼び込みらしき声がちらりと聞こえます。
退屈しないようにと馬車の窓から外が見えやすい様に、見事な装飾を施した椅子のような台を座席の上に設置し、羽毛が沢山入ったクッションを背もたれ、お尻の下に敷かれ...
正直埋もれてますが...
揺れによって落ちないようにベルトのようなもので私の体は固定され。
疲れたら向かいの座席にも、しっかり羽毛たっぷりクッションがしっかりと敷かれて、
私が疲れたら、横になれる様にしてあります。
前世の記憶があの時あればチャイルドシートを思い浮かべたことでしょう。
本当はあまり窓から顔を常に見せるのは防犯上宜しくないそうですが、そこは魔法の世界。認識阻害魔法を窓の下半分に掛けているそうです。
私はお父様に感謝しつつ街並みを楽しみます。
街を散策して見たいと思いましたが、体力のない私が出歩けばすぐに疲れてしまう為無理でしょう。
「お嬢様、もう少ししたら体力もきっと付きますから、いずれわたくしと、街歩きを致しましょう!
それまでに沢山お店などの情報を集めておきますね。」
「メーナ!ありがとう。嬉しいわ。」
メーナには筒抜けの様です。
嬉しすぎて熱心に窓から街並みをはしゃぎながら見た私は...
案の定、この日タウンハウスに着いてすぐに熱を出し、陛下方との謁見が3日後となってしまいました。
やってしまいました。