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転生法  作者: 881374
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第76話、学歴ロンダリングは是か非か?

 ──現代日本の推定三千万人の、異世界転生希望の、ヒキオタニートのお兄ちゃん&お姉ちゃん、こんにちは☆


 実は『ツンデレ気味の妹(しかも幼女)』という、あざといキャラ付けでお馴染みの、『転生法』だよ♡



 さて、本作は現在、『「真に理想的な異世界転生」を実現するには、何よりも肝心要な『異世界系のWeb作家』はどうあるべきか?』について、その時点その時点において、ネット上で話題になっている、『異世界転生(や転移)』系の話題があったら、それをテーマにして語っていくって方針なんだけど、今回はちょっと『変わり種』のネタをご用意したの!



 実は何と、現在もなおWeb上において、熱い論戦が交わされている、『学歴ロンダリング』についてなの!



 ……『変わり種』も何も、一見『異世界転生』とは、まったく関係ないように思えるでしょうけど、なぜにあえてこれをテーマに取り上げたのかは、後で改めて詳しくご説明するとして、まずは『学歴ロンダリング』とは何かということについて、述べておくね。



○学歴ロンダリングとは。


・基本的には、大学から大学院に進学する際に、あえてそれまで通っていた大学とは別の大学の大学院に行くことである。


・ただしこの際に、いわゆる『学部卒業』した大学よりも()()の大学の大学院を選ぶ場合においては、まるで不法な手段で得た金銭を『浄化ロンダリング』するかのように、「これって、本来の学歴をごまかすために、大学院に進学しているんじゃね?」と批判している、(主にネット上の)一部の勢力から、いかにも犯罪行為を匂わす『ロリンダリング』などという、『蔑称』を付けられることになったという。


・つまりは、毎度お馴染みの『インターネットスラング』の一種なわけである。


・そのため、ネット上においては、「学歴ロンダリングは是か非か?」といった論争が、今もなお熱く闘わされていたりする。



○そもそもおまえらは、『学歴』というものを、まったく理解していないんじゃないのか?


 ……ほんと、あきれ果ててしまうわよねえ、ネット民どもときたら。


 何で、他人が大学院に進学することに、いちいちいちゃもんを付けるかねえ。


 よほど、あんたたちのほうが、『低学歴ゆえの学歴コンプレックス』に囚われているんじゃないのお?


 ていうかさあ、あんたたちって、『現代日本における学歴の意義』というものを、全然わかっちゃいないのよ。


 何が、「学歴ロンダリングは、就職志望先の企業等の人事担当者に対して、本来の出身大学よりも高レベルの学歴であるかのように、騙そうとしているから、ずるいのだ!」よ。


 別に企業の人事セクションが、『学歴』に重きを置いていたり、学歴さえ高ければ、採用の可否はもちろん、入社後においても優先的に出世できたりするわけじゃないのよ?


 ──だったらなぜ、『本当に頭のいい人たち』が、少しでも高い学歴を得ようとしているのか?



 それは何よりも、大学や大学院において、少しでも『自分の進路=本当にやりたいこと』にとって有用な、『コネ』──いわゆる『人脈』を得るためなのよ!



○『コネ』、あるいは『人脈』、あるいは『学閥』。


 まさかとは思うけど、現代日本におけるあらゆる『システム』が、コネや人脈や学閥などと呼ばれるものによってこそ、動いていることについて、異論を唱える『世間知らず』な輩なんか、存在しないでしょうねえ?


 あっ、ごめーん、いたいた、むちゃくちゃいた!


 ネット上においてのみ、でかい口を叩くことのできる、陰キャで引きこもりのニートの皆様がw



 ──つまり、そういうことなのよ。



 たとえ、東大を始め早稲田や慶應のような、ハイレベルの大学に入学できたところで、陰キャのコミュ障に過ぎなければ、せっかくの高学歴を全然活かせずに、(人生そのものが)終わってしまうだけなの。


 ここら辺で一度、小説関係の話をしておこうと思うけど、本気で一般文芸誌において、ミステリィ作家やSF作家になろうと思ったら、『カクヨム』様や『小説家になろう』様なんかで作品を発表するよりも、超難関校の京都大学に入学して、『ミステリィ研究会』や『SF研究会』に入会したほうが、よほど早道よ。


 現在の日本のミステリィ界において中核をなす『新本格派』の代表的作家は、京大ミス研の出身者で占められているし、SF小説界に至っては、某『業界のフィクサー』からして、京大SF研の出身者だしね。


 つまり、ミステリィ作家やSF作家になりたかったら、仮に京大に入学できたとしても、ただ単に勉強をするだけでは意味が無く、たとえどんなにコミュ障であろうとも、研究会に入会して、どんなに自分の意見と合わなくても、先輩のご指導に大人しく従って、しっかりとコネを作っておかなければならないの。


 もうね、大学がどうしたとか大学院がどうしたとかいった、そんな幼稚なレベルでは無く、ある特定のサークルに入会できるかどうかで、人生が左右されてしまうわけ。


 ただ単純に、「俺様は京大卒業だぞ!」と威張ったところで、誰からも相手にしてもらえないし、自分の夢を叶えるためには、大学在学中にちゃんとコネを作って、それから先は一生『学閥の奴隷』として、生きていかねばならないの!


 ネット民たちが妄想しているように、一流大学さえ卒業すれば、その後はずっとバラ色の人生を歩めるわけではなく、何と小説家のような自由業ですらも、『同じ大学を卒業した諸先輩方の奴隷イヌ』に甘んじ続けなければならないの!



 もちろんこれは、一般的なお役所や企業における、『学閥』についても、御同様よ。



 このサラリーマンという名の『奴隷』しか存在しない現代日本において、たとえどんなに高学歴を有していようが、『王様としての人生』を歩める人間なんて、一人としているものですか。


 何せ役所にしろ企業にしろ、それぞれ特定の大学の派閥が幅をきかせているのが常態つねなんだし、ただ単に高学歴だからといって、すんなり就職できたり、またたとえ就職できたところで、順調に出世していけるわけではないの。


・例えば国家公務員においては、東大卒以外は無意味であることに、まさか異論は無いでしょうしねえ?


・逆に、現代日本における最高クラスの某地方公共団体においては、W大が最大派閥なのであり、さすがに東大卒や慶應卒レベルだと粗末に扱われることは無いけど、真の意味で権力を握っているのは、あくまでもW大卒に限られるの。


 それというのも、国家公務員で言えばノンキャリアに当たる、『一般事務Ⅱ類(いわゆる短大卒程度)』においても、W大卒を大量に採用して、真の幹部候補生である『一般事務Ⅰ類』の手足として、あらゆる職場に配置して、庁内津々浦々にW大学閥ネットワークを張り巡らせて、自分たちより格上の東大や慶應や東工大等を含む、W大卒以外の職員たちを、完全に支配下においているほどなの。


・これが企業になると、更に複雑になっていて、単に世間一般の『高学歴』の範疇にとどまらず、間違いなく現代日本における最高の重工業である、三菱重工のそのまた花形部門である『造船』においては、何と九州大学の学閥が幅をきかせているの!


 これは、造船部門の中核をなす『佐世保造船所』の最寄りの旧帝国大学が、九大であったからだと思われて、三菱重工における九大の学閥の比重は、かなり大きなものとなっているのよ。


 ネット民を始めとする、『オタクのおまえら』に理解しやすいように例えれば、もしも九大卒の偉大なる造船技術者がいなかったら、『艦隊これ○しょん』は存在しなかったかも知れなかったと言えば、ようくおわかりになられることでしょう♡


 更に最近要注目なのは、おそらく東京在住の(世間知らずの)ネット民の皆様にとっては、単なる『地方の二流大学』に過ぎないかと思われる、京都の私学の雄である同志社大学であって、いろいろとゴタゴタがあった日産自動車の新CEOが同志社卒であったことに世間があっと驚いたのは記憶に新しいところだけど、この大学って結構歴史のある名門校だから、全日空等の大企業の社長や、オリコンの創始者や、さっきも例に取り上げた、ミステリィ小説界の中核をなす新本格派の『生みの父親』であり『最大の擁護者』である講談社の名物編集者(かの『太田が悪い』のお師匠様・故人)や、地方官僚のトップである現職の東京都庁副知事などなどといった、ある意味、東大卒や京大卒をも凌駕する、現代日本トップクラスの『成功者』たちが、卒業生に含まれていたりするの。


 かくのごとく、在校生や卒業生自身すらも認める二流の地方私学でしかない、同志社大学ですらこの有り様なのだから、真の意味で立身出世するためには、けして大学や大学院の『ブランド名』だけが絶対条件というわけでは無く、どんな大学に通っていようが、けして学歴コンプレックスや(ネット民を始めとする)外野の誹謗中傷なんかに挫けずに、自分に与えられた環境を最大限に生かして、自分なりに全力を尽くしていけばそれでいいのよ。



 ──以上あれこれ述べたけど、本当に世の中に認められる高レベルの仕事に就くためには、大学や大学院の『学歴』そのものではなく、大学や大学院に在学中に、いかに『コネ』を作り、しっかりと『学閥の歯車』になれるかどうかが、勝負ってことなの♡



○要は、『真に自分のやりたいことを』を実現できるかどうかであり、学歴なんか関係無いのだ。


 ──ここでいきなり、本作の作者の、(あくまでも)『個人的意見』を述べておくわね。



「低学歴コンプレックスのネット民の皆さん、おめでとう。別にあなたたちは、高学歴の大学院生に対して、劣等感を抱く必要なぞ、まったくありません。




 ──なぜなら、『学歴』なんて、何の意味も無いのですから。




 先程も述べましたが、現代日本においては、真の意味での『支配階級』なぞ存在せず、そのほとんどが、『サラリーマンという名前の奴隷』と、その家族に過ぎません。


 ──そうなのです、




『学歴』とはあくまでも、同じ奴隷を区別するための、『人別帳』に過ぎないのです。




 猿にもわかりやすく言えば、ニホンザルとチンパンジーとゴリラの違いでしかないのであって、


 ある役所はニホンザルの学閥だからニホンザルが入庁しやすいし、ある企業はチンパンジーの学閥だからチンパンジーが採用されやすいだけのことなのです。


 これは(先ほども申しましたように)一般文芸誌の小説家等についても同様で、ミステリィとSFの京大や、出版業全般に強い早稲田や、それよりも格上の東大や慶應の文系卒が優先されることは、一般文芸誌で活躍されているプロの作家さんたちの出身大学の統計をとってみれば、一目瞭然でありましょう。


 これをお読みの方で、本気で小説家を目指している方は、一般文芸方面を避けて、ライトノベル方面に全力を注いだ方が無難ですよ?




 ──それに、何よりも大切なのは、『学歴』なんかよりも、本人の『やる気』なのです!




 私は別に、学閥支配が絶対に悪いと、言っているわけではありません。


 キャリアとして国政を担いたいからこそ、猛勉強をして東大を目指したり、首都において最先端の地方行政を担いたいからこそ、W大を目指したり、いつの日にか自分の手で本物の艦隊をコレクションしたいからこそ、九大を目指したり、ミステリィ作家やSF作家になりたいからこそ、京大の各種研究会への入会を目指したり──といったことの、どこが間違っていると言うのですか? むしろ「人一倍努力して、夢を掴む」という意味では、非常に正しく素晴らしいことではありませんか。


 もちろんこれは、自分がこれまで所属していた大学よりも格上の大学の、大学院に進学することだって、同様なのです。


 それがあくまでも、単に高学歴が欲しいとか、どこでもいいから就職する時に有利になるだろうとかでは無く、真に自分の夢を叶えるためであったら、誰からも文句を言われる筋合いなぞ無いでしょう。



 ……ネット上で匿名で、自分の人生を本気で頑張っている人に対して、『学歴ロンダリング』などといった陰口をたたいている皆さん、果たしてあなたは今、自分の夢を実現するために、全力を尽くして努力していますか?」



○学歴ロンダリングと異世界転生との関連性。


 ……この作家ときたら、また思う存分語ったものよねえ。


 とはいえ、一番大切な話を忘れるわけにはいけないんだけど、なぜに『異世界転生』について語るべき本作において、あえて『お門違い』の学歴ロンダリングに関して、こうも事細かに語ってきたかと申しますと、



 やはり同じように、ネット民の皆様に散々叩かれている、『なろう系』小説のチートスキルこそは、まさしく学歴ロンダリングそのものと言えるからなのよ。



 だって、そうでしょう?


 元々普通の日本人だった主人公が、異世界に転生した途端、これまでまったく縁もゆかりもなかったチートスキルを使えるようになるんだから、まさしく学歴ロンダリング同様に、文字通りの『ズル(チート)』と見なされて、ネット上で叩かれるのも、一見仕方ないように思えるでしょうよ。


 でもね、そんなことよりも肝心なのは、その主人公が、せっかく奇跡的に与えられたチートスキルを、どのように活用していくかなのであって、そしてそのためには、主人公がどのような『目的(意識)』を持っているかが、最も大切になってくるの。



 ──つまりは結局のところ、『小説の書き方』の、問題というわけなのよ。



 強力無比なチートスキルなんかを与えられておいて、事なかれ主義を貫きただただ流されるばかりのスタンスの主人公に、御都合主義ばかりのストーリーに過ぎなかったら、そりゃあ『太郎』だの『花子』だのと罵られて、散々叩かれても無理は無いわ。


 いきなり異世界転生してしまった導入部はともかくとして、やはり主人公には、明確な『目的意識』を持たせるべきであり、チートスキルも、その実現のためにこそ使わせていかなきゃね。


 例えば、この作者が何度も例に取り上げている、『司書志望の女性が異世界で読書を普及させる話』や『ロボット好きの男性が異世界で本当にロボット乗りになる話』なんかは、ちゃんとそこら辺のところがわかってらっしゃる、真に理想的な異世界系Web作品と言えるでしょうね。



 ──というわけで、『なろう系』の作家の皆さん、ネット上でいろいろと叩かれることも多いとは思いますけど、御著作中の主人公はもとより、作者様御自身に『明確な目標』があるのなら、心なき誹謗中傷なぞ相手にする必要はございませんので、ご自分の作品に誇りを持って、これからも創作活動に大いに邁進してください♡

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