喋る木に出会ったら君ならどうする?僕らならこうする!
2作目です!今回もよろしくお願いします!
ある中学校のある教室
『はじめまして。私たちは、自然保護委員会です。自然保護委員会というのは、週に2回公園や歩道、商店街の周りなどのゴミ拾いや植林などの緑を守る活動をする委員会です。あ、申し遅れました。私は自然保護委員会委員長の八島稔です。では今からこの委員会で活動しているメンバーを紹介しましょう。まずは、あの机でお弁当を食べている工藤勝信です。彼は食べることがとても好きで大好きなカレーを食べると某アニメのように元気百倍になります。彼はとても力が強いのでよく力作業を任しています。次は、あそこでパソコンとにらめっこしている高山凛子です。彼女はとても頭が良くて、いつも委員会の活動計画を考えてくれる策士です。最後は、さっきから私の周りで騒いでいる遠山美香です。彼女はこの委員会のムードメーカー的存在です。将来の夢はアイドルだそうですが、一体どうなることやら。次にこの委員会ではなにをしているか説明します。最初に説明しましたが、私たちは清掃活動や植林活動といった自然保護に向けた活動をしています。活動をする前日にはこのように教室に集まって活動会議をしています。今、自然保護委員会のメンバーは四人と少ないですが、皆さんもぜひ入会して一緒に自然を守りましょう。』
「ふぅー。終わったー。」
「何さっきからビデオカメラに話しているの?稔。」
「あぁ美香。いやぁー委員会のメンバーが少ないから、僕らの紹介ビデオを撮って、それを先生に教室で流してもらおうと思って。」
「ふぅーん」
「聞いておいて興味なしかよ。まぁいいか。よし、活動会議をするか。いつも学校に近いところの清掃活動をしているから明日は違うところの清掃活動がしたいな。どう思う、凛子?」
「そうね。確かに最近は学校の近くの東公園や商店街の清掃活動をしていたから、明日はちょっと離れた中央公園の清掃活動をしようか。』
勝信はお弁当を食べ終えて少し眠いのか眠そうな顔で
「いいね〜そうしよう〜」
「よし、じゃあ明日は中央公園の清掃活動で決定!がんばるぞー」
『おぉー』
からりと晴れた次の日
僕たち全員は放課後、中央公園の清掃活動をしていた
「うわっこんなところにたくさん空き瓶やらタバコの吸い殻やらが捨てられているよ。どう思う、稔」
「うーんひどいもんだな。みんな口では『自然を守ろう』とか言っているけど、実際にはポイ捨てとかは減ってないじゃないか。このタバコの残り火とかで火事になったりしたらどうするんだよ。そっちはどう、美香」
「こっちもひどいよ。ビニール袋とか、ペットボトルとか捨てられているよ。あっちはどう、凛子」
「こっちはあまりゴミは無いよ。ていうか、さっきから声が聞こえない?」
「公園だからそりゃ声は聞こえるだろ。」
「いやそうなんだけどなんか・・・・・・。」
「・・・・・・切られる・・・・・・・・あっし。」
『!』
「確かになんか聞こえるな。奥の方から聞こえる。ちょっと行ってみるか。」
僕たちで公園の奥の方に進んでみると、そこには一本だけポツンと千年杉だけがあった。
「奥にはこの千年杉しかないけど。この気が喋っていたのかな。ねぇ凛子」
「確かに奥にはこの木しかないけど・・・。でも木が喋るわけないし、私たちの聞き間違いかも。戻ってまたゴミ拾いを再開しようよ。」
そう言って、僕たちがゴミ拾いをしていた場所に戻ろうとすると突然
「みなさん、あっしの声が聞こえるので?」
『!』
「おぉその反応は聞こえているみたいでやんすな。いやぁびっくりでやんす。あっしの声が聞こえる人間がいるなんて。ということはみなさん、あっしの独り言聞こえたでやんすね。」
みんな木が喋ったことに驚いていたが、ここは稔が代表として答えることにした
「はい、聞こえました。なんか『切られる』とか『あっし』とかしか聞こえませんでしたが。どうかしましたか・・・えーと千年杉さん」
「千年杉さん。シンプルな呼び名でやんすな。そもそも名前で呼ばれたことがないでやんすから嬉しいでやんす。まあそれはいいとして、あなたたち、あっしの願い聞いてくれるでやんすか?」
「別にいいですよ。なんですか?」
「実は、さっき市役所の職員の人たちが来てこう言ったんでやんす。『この公園の木はイチョウでそろえようと思っているから、この杉の木はどう考えても邪魔だよなぁ。いっそ切り倒すか。」って。あっしは悲しいでやんす。あっしはこの場所からこの街の様子を千年以上見てきやした。あっしはこの場所から見る街の風景が好きでやんす。なのに切り倒されてしまったら、あっしはもうこの街の景色を見ることが出来なくなってしまいやす。そんなのなんて嫌でやんす。ここで会ったのも何かの縁。どうにかしてもらえんでやんすか?お願いしやす。」
「稔どうする〜」
「うーん・・・・・・。よし。千年杉さん、あなたの願い私たち自然保護委員会が引き受けましょう。なんとかします。」
「本当でやんすか!ありがとうごぜえやす。」
「ちょっと、稔。何とかするってどうするのよ。」
「そう怒るなよ、美香。明日は土曜日だから、まずは市役所の人に話を聞きに行こうよ。」
そうして、僕たちは明日市役所前に集合することを決め、解散した。
次の日
市役所前に集合した僕たちは、市役所に入ることにした。
「市役所に入ったはいいけど、どの課の人に話を聞けばいいの?ねぇ凛子」
「そうね美香。自然課の人に聞いてみればいいんじゃない。自然課は・・・・・・2階みたいね。行ってみましょう。稔、勝信」
『お、おう。』
そして、僕たちが2階に上がると奥の方に自然課のカウンターを見つけた
僕たちはそのカウンターにいる職員に話を聞くことにした
「はい、次の人〜。うわっ子ども!こんなところは子どもの来る場所じゃねえんだ。帰れ帰れ。」
「帰りません。僕らはちゃんと用があってきました。」
「あん?用?」
「はい。僕ら中央公園の千年杉を切り倒すって聞いたんですけど。」
「何でその話を知っているんだい。どこで聞いていたのか。まぁいい、別に関係ないだろう。」
「中央公園の木をイチョウに揃えるために邪魔だから切り倒すんですよね。」
「チッ、理由も知ってやがったか。しかし、君たちには関係のない話だ。」
「僕たちは自然保護委員会です。邪魔だからといって木を切り倒すのはいけないと思います!」
「ふん、うるさい。子どもなんぞが首を突っ込んでいい事案じゃないんだよ。用が済んだならさっさと帰れ。」
「ですが・・・・・・」
「うるさいぞ。さっさと出ていけ!」
こうして、僕たちは市役所から追い出されてしまった。
「どうする〜稔。市役所から追い出されちゃったけど〜。」
「うーん、そうだな勝信。千年杉さんには何とかするって言っちゃったけど市役所からは追い出されちゃったしどうしよっかな。何か良いアイデアはない?凛子」
「その市役所の人たちに千年杉さんを切らせないようにすればいいんだよね。それだったら、私たちが千年杉さんを切らせないように邪魔をすればいいんじゃない。」
「おぉ、それはいいアイデアだな。でも、邪魔をするって一体どうすればいいんだろう。」
『うーん』
考え始めて10分後
僕はあまり良い案が思いつかず、冗談で
「じゃあ、千年杉さんのまわりで立て籠ってみようか。」と言った
笑い飛ばしてくれると思っていたが、みんな意外と乗り気で『いいね、その案。』と言ってきた
そして、僕たちは本格的にどのように立て籠もるか考えることにした
「立て籠もるって一体全体どうやってやるの、稔」
「そうだな。まずは僕たちが立て籠もる用の建物を作ろう。でも、一体どうやって作ろうか。」
「それなら、俺に任せて~。俺の家、材木店だから余ってる木材がないか聞いてみるよ~。建築も任せて~」
「よし、じゃああとは食料かな。食料はみんなでお小遣いを出し合って買おうよ。ちなみに僕のお小遣いは1500円だよ。勝信は?」
「俺も1500円だね〜。美香は?」
「私は1000円ね。凛子は?」
「私も1000円だね。計5000円ね。これだけあれば結構買えそうね。ねえ稔。」
「そうだな、でも今日はもう遅いからひとまず明日中央公園で集合してそこから行動に移していこう。とりあえず、明日分の着替えとかもって明日集合しよう。じゃあ今日はひとまず解散!」
そして、次の日
僕たちは昨日考えたことを行動に移すために中央公園に集合した
僕が中央公園に着くと勝信が父から貰った余っていた木材をリヤカーに乗せて持ってきていた。
全員が揃ったところで、僕と勝信は千年杉さんのまわりで勝信の持ってきた木をを使って小屋作り、美香と凛子はみんなのお小遣いを持って近所のスーパーに食料の買い出しに行くことを決めた
千年杉さんからは何をするのか心配されたが、僕たちが笑顔で「あなたを守るためです」と言ったら、大いに喜んでくれた
早速作業に移ることにした
僕と勝信はここに残って、小屋作り始め、美香と凛子は近所にスーパーに買い出しに行った
「よし、じゃあ早速小屋を作るとしようか。でも、僕小屋の作り方知らないよ。」
「そう言うと思って、父さんに簡単な小屋の作り方教えてもらったんだ〜。あ、安心して〜。耐久性とかは心配いらないから〜。」
「サンキュー、勝信。よし女子たちが帰ってくる前に完成させるぞ。」
2、3時間後
小屋を何とか完成させた僕たちのところにちょうど買い物に行っていた美香と凛子が帰ってきた
「すごい!りっぱな小屋ができたね。すごいよ!二人とも。」
「へへーん。そうだろ~、美香。この小屋だったら、何日かは持つよ~。凛子」
「ありがと、勝信。あとは千年杉さんが切られないように籠城するだけね。」
「うぅー、あっしのためにありがとうごぜえやす。自然保護委員会のみなさん、本当にありがとうごぜえやす。」
「いえいえ、自然を守るのが僕たちの役目ですから。ねぇ勝信」
「おぅよ。まあ、堅い話はそれぐらいにして、そろそろ俺たちが作った小屋の中に入ってよ~。」
「小屋っていうのはダサいから基地って呼ぼうよ。」
「おっ、美香、それいいアイデアだな。よし、次からこの場所は基地と呼ぶことにしよう。みんなもそれでいいか。」
『賛成』
それから、僕たちは基地の中に入って美香たちが買ってきた食料(お菓子)でパーティーをした
そして、籠城するためにベッドとかを作って、その日は基地の中で夜を明かした
次の日 籠城1日目
僕は朝早く起きて、基地を出て、見回りをすることにした
「朝早くから、公園を見回りするのは気持ちいいな。メンバーのみんなも起こしに行くか。」
メンバーのみんなを起こしにいこうと基地の中に入ると、勝信の大きないびきが聞こえてきた
「いびきがうるさいぞ。ちょっと起きてよ。勝信」
「う〜ん。なんだよ〜、稔」
「いいからちょっと来いよ。」
俺は勝信をはんば強引に外に連れ出した。
そして、一緒に公園の見回りをさせた
「うわー。朝早くから見回りするのは気持ちいいな〜。朝日も綺麗だし。な、稔」
「朝早くから起きるのもあまり悪くないだろ。」
僕たちがそんなたわいの無い話をしていると美香と凛子もあくびをしながら基地の中から出てきた
「こんな朝早くから見回りだなんてすごいね2人とも。ねえ凛子」
「ホントね。でも今日から夏休みでよかったね。長期休みじゃないとこんなことできないもんね。」
「確かにな。よし、みんな起きたところで基地に戻って、ご飯という名のお菓子を食べながら今日すること考えることにしよう。」
そうして、僕たちは基地に戻って今日することを考えることにした。
「おなかがいっぱいになったところで、今日何しようか。何かいい案ある?じゃあ、勝信」
「えっ、俺?うーんそうだな~。ひとまず、昨日持って来るのを忘れていた明日からの着替えとか、遊び道具とかを取りに行くことにしない?」
「そうだな。そうしよう。みんなもそれでいいかい?」
『OK!」
「でも、市役所の職員が来たらどうするの?稔」
「それなら、荷物を取りに行く人とここで待機しておく人と2:2で分かれようか。それで、最初に荷物を取りに行った人が帰ってきたら、ここで待機していた人が次に荷物を取りに行くことにしよう。」
「よし、それでいこう~。でもどうやって分かれるだい~。稔」
「それはくじでいいと思う。」
それでくじの結果、僕と美香、勝信と凛子に分かれることになった。
そして最初に勝信と凛子ペアが荷物を取りに行くことになった
「先にどっちに家に行く?勝信」
「俺の家が近いから、ちゃっちゃと行ってちゃっちゃと帰ってくるよ。」
最初に勝信の家に行くことにした
そして、勝信は家に着くと10分ほどで荷物をまとめて出てきた
次に凛子の家に行くことにした
凛子は家に着くと20分ほどで荷物をまとめて出てきた
「凛子、その荷物重そうだね。俺が持ってあげるよ。」
「ありがとう、勝信。じゃあお願いします。」
勝信は凛子の重そうな荷物を軽々と持ち上げると涼しい顔で基地に向かった。
勝信たちが基地に帰ってくると基地の見張り台では僕と美香が見張りをしていた
「そっちはどう?稔」
「こっちは異常ないよ。勝信」
「オッケー。じゃあ、交代しようぜ!」
「了解。」
そうして、僕と美香は勝信と凛子と交代した
「どっちの家から行こうかって言おうと思ったけど、家隣同士だからな~。どうしようか美香」
「じゃあ、同時に入って終わったほうから待っておこうよ。」
そうして、家に着くと、僕と美香は自分の家に同時に入って荷物をまとめ始めた
僕は、10分ほどで、美香は30分ほどで荷物をまとめ終わった
「美香、遅いよ~。」
「ごめん、ごめん。いろいろ探していたら時間が掛かっちゃって。」
「まぁいいよ。じゃあ、基地に戻ろう。」
こうして、僕と美香は荷物を持って基地に戻った
「そっちはどう、勝信」
「こっちも異常ないよ」
「了解。じゃあ二人とも降りてきて。」
そうして、基地の中でみんな集まった
「よし、みんな、どんなものを持ってきたのか報告!まず、勝信」
「俺は、遊び道具としてはトランプとかカードゲームとか持ってきたよ~。あとは、俺の好きなお菓子とか漫画とかの暇をつぶせそうなものを持ってきたよ~。」
「よし、次美香」
「私も遊び道具としては勝信と被っちゃったけどトランプを持ってきたわ。あとは、私は歌うのが好きだから、好きなアイドルのCDを持ってきたんだ。
「よし、次凛子」
「私は遊び道具としてボードゲームとかオセロとか持ってきたよ。あとは、愛用のパソコンを持ってきたの。これが無いと私は生きられないからね(笑)」
「みんな、結構いろいろ持ってきたんだな。じゃあ、最後は僕か。僕は遊び道具としては将棋とUNOを持ってきたよ。あとは、計算ドリルとかを持ってきたよ。」
『真面目か!』
「でも、こんなに遊び道具があったら、暇にはならないね。でも、そろそろおなかがすいたからご飯にしようか。」
こうして、僕らはご飯という名のお菓子を食べた
そして、おなかがいっぱいになった後は凛子が持ってきたボードゲームをすることにした
ちなみに凛子が持ってきたボードゲームはある有名な人生を決めるボードゲームだ
結果から言うと1位は美香、2位は凛子、3位は僕、稔、最下位は勝信だった
「クッソー、負けた。みんな運強いな~。悔しいから稔、次はオセロで勝負だ!」
「また負けても知らないよ。」
黒は僕、白は勝信でやった
勝負は20分ほどでついた
これも結果から言うと黒が60、白が4で僕の勝ちだった
「クッソー。また負けた~。稔、もう一回だ!」
そう言ってもう一回オセロをしたが結果は同じだった
勝信が「もう一回もう一回」と何度も言ってきたが、どれも僕の圧勝だった
「マジで強すぎなんだよ、稔。次はみんなでトランプをしよう。ババ抜きで勝負だ!」
それでも、最下位は勝信だった
そんなこんなでいろいろ遊んでいたらあっという間に1日が過ぎてしまった
次の日 籠城2日目はザーザーぶりの大雨だった
「今日は雨が降っているけど、見張りをしよう。みんなレインコートを持っているはずだから、2人ずつ見張りをしよう。見張りのペアは僕と凛子、勝信と美香にしよう。30分ずつ交代する。みんなこれでいいかな?」
『OK!』
最初に見張りをするのは僕と凛子ペアがすることになった
「レインコートがあるから、あんまり寒くないわね。」
「そうだな。」
今日も見張りをしたり、ゲームをしたり色々したため、なんやかんやで、すぐに1日が過ぎてしまった
次の日 籠城3日目
昨日の大雨が嘘みたいにカラリと晴れた
朝早くから、僕が見回りをしていたら、遠目で市役所の職員たちがやってくるのが見えた
その中にはこの前僕らの応対をした職員がいた
「みんな、この前の市役所の職員たちがやってきたぞ!」
「おい、どうするんだよ~稔」
「うーん。どうしようか。ちょっと、あの人たちの話を聞いてから考えることにしよう。」
ちょっとしてから、市役所の職員たちがやってきた
「なんだ、あの建物は。建物が邪魔で木が切れないじゃないか。おい、建物の中にいるやつ出てこい!」
「僕らは自然保護委員会だ。この木は切らせない!」
「あっ、あいつらは前に来た奴らじゃないか!子供ごときが邪魔をするな!」
「僕らは自然を守るために活動しているのだ。そっちこそ邪魔をするな!」
『そうだ、そうだ!』
「ちっ、くっそ。予想外な出来事が起きちまった。1回引き上げるがまた来るからな!!」
そう言い残すと職員たちは引き上げていった
「やったー。引き上げていったね。凛子」
「でも、また来るって言っていたから安心はできないよ。何か対策をしないと。どうする稔」
「そうだね、どうしようかな。何か武器とか罠でも作ろうかな。」
「どんな武器を作るの?稔」
「うーん。パチンコとか落とし穴とかを作ろうかな。」
「作るのはいいけど、それは明日から考えよう。それに今日は疲れたからちょっとダラダラして寝よう。」
そうして、明日からどうしようかというのを考えながら床に就いた
次の日 籠城4日目
昨日の様にカラリと晴れた天気ではなかったが、僕たちははきはきと武器づくりと罠作りに励んでいた
「まずは、落とし穴を作ろう。作る場所はこの基地の前に作ることにしよう。大きさは大体、縦6メートル、横7メートル、深さ3メートルぐらいかな。僕と勝信はスコップを使ってこれぐらいの大きさの落とし穴を掘ることにしよう。美香と凛子はパチンコも作る予定だから、Y字のいい感じの枝と小石をひろってきてくれる?」
「いいよー。頑張ろう凛子。」
「そうね。いっぱい集めましょ美香。」
「俺も穴掘り頑張るぞ~。」
「じゃあ皆さん頑張りましょう~!」
『おぉー!』
美香と凛子と別れた後、僕と勝信はスコップを使って落とし穴用の大きな穴を掘ることにした
「はぁ、はぁ、はぁ。穴掘るのって結構大変なんだな。縦6メートル、横7メートル、深さ3メートルの穴って結構でかいな。こんなに大きい穴にするんじゃなかった。」
「稔が弱音を吐くなんて珍しいね~。まあ言ったからには頑張ろうよ~。」
「確かにそうだな。てかあまり勝信疲れてないな。」
「俺の家材木店って言ったじゃん。よく木を切ったり、運んだりするから体力とか筋肉がついたんだよね~。これぐらいの作業はあまり疲れないんだよね~。」
「そりゃあすごいな!僕みたいなもやしには結構きついよ。まあ頑張ろうか。」
「そうだな~。」
一方、女子チームの方は
「意外とY字の枝って見当たらないね。小石はいっぱいあるのにね。ねぇ凛子。」
「ホントね、美香。でも、稔や勝信たちも頑張っていると思うから私たちも頑張りましょう。」
「そうね。もうちょっと奥まで探してみましょう。」
2,3時間後
枝や小石を集めに行っていた美香と凛子が基地に帰ってきた
「まだ掘っていたのね。死にそうな顔をしているけど大丈夫?稔」
「まぁ大丈夫大丈夫。穴掘りって結構大変だね。でもあともうちょっとで終わるから。そっちはどう?
どれくらい集まった?」
「そうね、こっちはY字の枝は人数分、小石の方はビニール袋3袋ぐらい集まったよ。」
「それはすごいね~。俺たちももうちょっとで終わるから、稔ラストスパートだぞ~。」
「そうだな。よし、頑張ろう。うぉぉぉぉぉぉ。」
そうして、30分後
「やっと掘り終わったー。疲れたな、勝信」
「確かに結構掘ったね~。大変だったね~。」
「ホントに二人ともお疲れ様。はい、お水。」
「ありがとう、凛子。後は、この穴の上にビニールシートとかをひいてその上に土を敷いてきれいにならしたら完成だけど大変だから、もう明日することにするよ。」
「さすがにそうしよう~。俺も疲れたわ。」
「ならもうこの後は休憩する時間にして後の作業は明日することにしましょう。」
「その凛子のアイデア賛成~。今日はもう休みましょう。」
「やっとゆっくりできるな、勝信。」
「そうだな。この後はダラダラしようぜ~。」
このあとは各々好きなことをして過ごした
晩御飯という名のお菓子を食べた後、みんなさすがに疲れていたようですぐに眠りについた
次の日 籠城5日目
今日は昨日途中で終わっていた作業の続きをすることにした
「よし、今日は昨日途中で終わっていた落とし穴づくりの続きをしよう。昨日買ったビニールシートを使って落とし穴を完成させよう。」
『おぉー!』
作業としては、昨日掘った大きな穴の上にビニールシートを敷いて、その上に土を敷いて綺麗にならしてビニールシートが見えないようにするなどの作業をした
昨日は、僕と勝信の2人だけだったが今日は美香と凛子も手伝ってくれたから約1時間ほど終わらすことができた
「今日は2人とも手伝ってくれたから早く終わらせることができたよ。ありがとう美香、凛子」
「そんな。仲間だから手伝うのは当たり前でしょ。ねえ凛子」
「そうね。それに稔と勝信が頑張っているのに何もせずに見ているなんて嫌だし、せっかく全員いるんだから手伝わなきゃ損でしょ。」
「確かにな~。いや~昨日みたいな地獄を味わなくて済んでよかったよ~。でも早く終わったおかげで暇になっちゃったな。」
「それだったら、明日やる予定のパチンコづくりを終わらせちゃおう。市役所の職員たちもいつ来るか分からないからね。」
そうして、僕らは少し休憩してからパチンコづくりに移った
といってもパチンコづくりの中であまり大変な作業はなく要領をつかむとみんなスイスイと作り上げてしまった
「・・・・・・とこんな感じで、昨日美香と凛子が拾ってきてくれたちょうどいい感じのY字の枝のVの形をしている部分に太めの輪ゴムを引っ掛けて、小石を挟む部分を少し補強したら完成!意外と簡単でしょ。」
「確かにそうね。パチンコなんて初めて作るけど簡単そうでよかった。」
「ホントよね。あまりこういうものを作る機会がなかったからなんかいい経験になりそう。」
「俺はよく小学1,2年生の時に作ってたから懐かしいな~。あの時はよく裏山とかで遊んでたっけ~
。」
「最近は勉強が忙しくて遊べてないからね。小学低学年の時は、好き勝手に遊んでいたけど、高学年になると受験の対策とかもしないといけなくなるから以前のように遊べなくなるんだよね。」
「確かにそうなのよね。そういえばみんな受験する予定なんだよね。どこの中学校に行く予定なの?」
「僕は市内の難関中学校に挑戦する予定だよ。僕は将来、お医者さんになりたいって考えているんだ。」
「稔はさすがだな~。俺は将来、実家の材木店を継ぐ予定なんだけど仕事上必要になると思う資格があるから工業系の中学校に進んでそういったことを学びたいな~と思っているんだよね~。」
「私は夢がアイドルだって言ったでしょ。最近のアイドルは学歴が一番って聞くから稔とは違うけど私も市内の難関中学校を目指す予定だよ。」
「みんないろいろ考えて進路を決めているのね。将来の夢が決まってないのは私だけみたい。」
「別に急いで夢を決めなくていいんじゃない。僕たちが早いだけで。」
「ありがとう稔。ちょっと湿っぽい空気になっちゃったね。パチンコを完成させようか。」
「・・・・・・そうしようか。」
そうして、僕らは終始無言になりながらも、パチンコを完成させた
パチンコを作り終えた後は試しにパチンコを使ってみることにした
数メートル離れた空き缶を目掛けて、パチンコを使って小石を打ってみると見事に当てることができた
パチンコを使うこと自体が久しぶりだったがまだあの頃の勘は忘れてなかったみたいだった
一通りパチンコで遊ぶとさすがにみんな疲れたみたいで夕食という名のお菓子を食べた後はみんなすぐに寝てしまった
・・・・・・あと半年ぐらいしたらみんなと離れ離れになってしまうと思うと悲しいな
次の日 籠城6日目
とうとう決着の日がやってきた
朝から市役所の職員たちがやってきたのだ
職員たちは千年杉さんを切り倒す気マンマンでチェーンソーとかの木を切る道具を持ってきていた
「おい、お前らまた来たぞ。今度こそはその杉の木を切り倒させてもらうからな。そういうわけだから、いい加減そこをどかんかい‼」
「どくわけにはいきません。それにあなた方にはこの木は切れませんよ。」
「あん?何言ってんだ。いいからどくんだよ。」
そう言って、職員たちが足を踏み出すと突如その地面が抜けた
「うわぁーー。なんだこれ、落とし穴か。何をするんだ、このクソガキどもが‼」
「僕らの攻撃はこれだけじゃないぞ。やるぞみんな!うりゃーー。」
僕らは一斉に職員たちに向かってパチンコで攻撃を始めた
「うわっ、グワッ、痛っ、くっそーガキどもがー。もうやめたやめた。こんな目にあってまであんな枯れそうな木を切り倒そうとは思わねえ。この計画は無しだ。よし、引き上げるぞ。」
そう言うと職員たちは名残惜しそうに引き上げていった
「やったー。引き上げて行ったよ。良かったね稔。」
「うまく落とし穴とかが機能してくれてよかったよ。千年杉さんを切り倒す計画もなくなったし、ホントうまくいって良かった。」
「本当にみなさん、あっしのためにありがとうごぜえやした。このご恩は絶対に忘れやせん。本当にありがとうごぜえやした。」
「いえいえ礼には及びませんよ。僕たちは自然の味方、自然保護委員会ですからね。でも、この戦いについてのビデオを撮っておけばよかったな。」
「そう言うと思って実はこのビデオカメラで今までの様子を撮っておいたの。」
『流石、凛子!』
「そういえば、忘れていたけど~。この俺らが住んでた小屋、どうするんだ~?このままにしとくのはさすがにまずいよね~。」
『あっ、確かに。』
「・・・・・・みんなで頑張って撤去しようか。」
こうして、僕らの短くて小さな一週間の夏の戦いが終わった・・・・
(結局小屋の撤去とかに1日かかってしまった)
凛子がとっていたビデオは夏休み後、自然保護委員会の活動報告として教室で流してもらった
僕らは今回の件について先生や家族から叱られたが
今回流したビデオのおかげで委員会のメンバーの数を大きく増やすことができた
あと半年間、もっといろいろな思い出を残せるように活動していきたい
END
お久しぶりです 御厨カイトです
はじめましての方は初めまして
今回は「喋る木に出会ったら君ならどうする?僕らならこうする!」を読んでいただき
ありがとうございました
今回の小説は前回の小説よりも結構長めです
なんかふとこういう話を書きたいなと思ったので書かせていただきました
読んで楽しめていただけたら幸いです
今回も自分の創作意欲につながるので良ければ感想や評価をよろしくお願いします