第三章:山田の受難 3-3 怒られる変態と(貞操が)危険な主人公。
綺麗な変態に襲われた27歳、ショタ(山田)。
――一階
「で、いつまでお二人は密着しているつもりなんですか?」半ば、呆れたように言う、ヘレーさん。
「やっと、降りてきたと思ったら、今日も、今日とて、密着した状態で、降りてきて!
食卓に座るのもくっついて! いくらお客様と言えどもですね。お行儀が悪いです! ましては、外見は子どもでも、中身は大人なんですよね、山田さんは!そんなの風紀の乱れです。破廉恥です!」
ヘレーさんに、頬染めながら怒られてしまった。尤もである。しかし、これには、悲しい理由がありまして、
「いえ、ヘレーさんこれには理由があるんです」変態さんが僕を膝の上に座らせながら、口を開いた。
「理由ですか? なんです?私が、納得できるものなんですか?」
じろっとアシュビーに視線を向けるヘレーさん。あ、この人怒らせたら怖いパターンだね。
「えぇ、実はこの度、私アシュビーと山田さんは、晴れて結婚することになったので、この状態は決していかがわしい関係でhっ!」僕は、大きく頭を振りかざして、変態さんのあごに頭突きを入れる。
「ぐぶぉ!」
うめき声をあげる変態さん。頭がジンジンする。
「えー、変態の冗談は置いておくとして、ですね、ヘレーさん。残念ながら、この状態には、本当に至極正当な理由がありましてですね――」
そこから、僕はアシュビーさんから聞いたことを、そのまま、ヘレーさんに伝えた。
自分の身体が、魔素不足になりつつあること。その影響で、消滅しかけていること。
魔素は、汗腺付近から体外に出ていくこと。
アシュビーさんの身体は、普通の人より、魔素量が多いらしいので、アシュビーさんの汗腺付近に身体を置いていれば、魔素の流出よりは少ないがそれでもかなりの量を、補充できること。
結果、一応、消滅を大幅に遅延させることができるらしいこと。
黙ってヘレーさんは聴いてくれて、納得してくれたようだ。
「まぁ、私としては、ずっとこの状態でも、かわいい山田さんを堪能できるのでモーマンタイなんですけどね?」そういいながら、鼻息荒く、僕の頭に頬ずりしてくるド変態さん。いや、いや、それだと僕消えちゃうから!
「まぁ冗談ですけどね?それにしても良い臭い!!」
スーハ―、スーハ―ッ。
こ、この変態、ついに僕の臭いまで嗅ぎ始めた!
バシッ。と音がして、見上げると、ヘレーさんが、変態さんの脳天を軽くチョップしていた。
「な、なにするんですか!!! 痛いじゃないですか! ヘレーさん!」
「『何をするんですか!』じゃ、ないですよ。中身はともかく、見た目が完璧に事案です。少年を襲う、痴女です。変態です。アウトです!」
言い終えると、「ふぅ」ヘレーさんは一息ついてから、
「ですが、事情は切迫しているということは分かりました。しかし、お医者様ですか。それは、困りましたね。」と村の医療事情について教えてくれた。
「この村にもイアというお医者様いらっしゃるんですが、最近お年のせいなのか、満足に治療できていないようなんです。例えば、先日も、農家の奥様が畑仕事中に、毒虫に刺されたとかで、診療所に行かれたのです」
自分の頭をさする変態さんをほっといて、僕は彼女の話に耳を傾ける。
「昔はそんなことはなかったのですが、どうやら、その時、処方されたお薬が効かなかったとかで、数日にわたって高熱に浮かされまして、幸い、一命は取り留められたのですが、生死の境をさまよわれていました。そういったお話が、最近、村人の間で、多くて、多くて。最近じゃ、イア爺さんはヤブ医者だ。なんて声まで出てしまって。行く方も少ないんですよ」
なるほど、診察できないなら仕方がない!違うお医者様に頼るしかないね!
「えーと、他にはこの辺りにお医者様っていないんですか?」
「残念ながら、この辺りには、お医者様はそこだけですね。他のお医者様は、山を越えた王都か、土の国まで行けばいらっしゃるけれど、どちらも、二、三日はかかりますね」
なんてことだ、絶望だ。二、三日この状態は、僕の貞操が危ないと思う。というか、僕の存在が消滅しそう。
それに、とヘレーさん続ける。
「それに、そもそも、魔素脈が身体にある事は知られていますが、縫合できる技術なんて聞いた事ありません。そもそも、魔素脈から魔素が流出するなんてことも」
なんだって、それ、どうあがいても絶望なのでは?何も始まってないのにゲームオーバーとか笑えない――。
ぬわあわわわ、12時に投稿上げれなかったぁぁぁ(血涙)。
おのれ、ミーティング!!!