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闇の勇者のひとりたび  作者: 大豆さん
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プロローグ


『ピンポーン』



「おっはよーーー!!」

「朝から元気だな、近所迷惑だぞ」


僕は黒利結真(コクリユウマ)、高2です。そしてこの朝から騒がしいのが白石大輝(シライシダイキ)、僕の数少ない友達だ。因みに、数少ないってのは僕が群れるのが苦手なだけで決してボッチ気味な訳では無い。違うと思う…


「そりゃ元気にもなるって!なんたって今日は『リゲル』の配信日だぜ!!」

「まさかそれを言うためだけに家まで来たのか、春休みだぞ。もう少し時間を有意義に過ごせよ」

「当たり前じゃないか!βテストに落選してからどれほど待ち侘びたか……まぁ、用件は伝えたし帰るとするか。キャラクリもある程度考えておきたいしな。じゃあな、ログイン忘れんなよぉーー!!」


はぁ、言うだけ言って帰っていきやがった。

最近になってようやく完成した完全フルダイブ型のVRMMO『リゲル』はまるで異世界に訪れたような感覚になれるとのことで、βテストの段階で異様な人気を誇った。そんななか、βテスターにはなれなかったものの、ちゃっかり第1陣になれてるあたりは大輝のゲーマーとしての意地なのだろうか。まぁ僕はコネで手に入れたんで何も苦労なく済んだんだけどね。


僕の父親は有名レストランのシェフで、母親は経営コンサルタントである。そして、今回は母親がゲームを開発した企業にかつて仕事に行っていたこともあって、僕と妹、合わせて2台分融通してもらった。


現在時刻は午前7時。サービス開始時刻は今日の午前10時からなので、急いで朝ごはんを準備していると2階から妹がおりてきた。


「おっ兄ちゃーーん!!おはよ!」

「ああ、おはよ。心咲」


誰かに似て朝から元気なこの子は、僕の妹の黒利心咲(コクリミサ)である。歳は1歳下で今年から僕らと同じ高校に進学することになっている。そして、こいつは自分で言うのもなんだが、そこそこブラコンである。


「やっと始まるね!お兄ちゃんはもうキャラクリの事考えてたりする??」

「名前ぐらいしか考えてないな」

「なんて名前?」

「マクロにするつもりだよ。名字と名前から取っただけの安直な名前だけどね」

「へぇーー、いいじゃん!じゃあミサはミクロにするよ!!あとさ、せっかくだからファミリーネームみたいなの決めない?」

「いいよ、何か案でもあるの?」

「いや、なんにも??」


なぜ疑問形なんだ、我が妹よ。この感じだと僕が考えないといけないのか。そんなにネーミングセンスがある方じゃないんだけどな。


「じゃあ、ドラクマなんてどうかな?ギリシャの昔の通貨の名前なんだけどね」

「なんでなの?」

「そこまで深い意味はないけど、ほら僕らの名字っていかにも商人って感じだろ?」

「ふーん。じゃあそれで!ミクロ=ドラクマか、なかなか良い感じかな。」


マクロ=ドラクマ、まぁ咄嗟に思いついた割にいいほうだろう。ちなみに、なんでギリシャ語かって言うと、この前気になって調べてみたら『リゲル』ってギリシャ語で惑星って意味だったからね。だから、なんとなくギリシャ語にしようと思っただけである。


そうこうしてるうちに、2人とも完食して、片付けも終わったので各自部屋に戻って、サービス開始に向けて準備することになった。






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