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入学そして最悪の再会1

 カレンを含む新入生は、まず大講堂に集められた。


 講堂内はとても広く、1000人分の椅子は十分に並べることが可能なほどである。


 そんな広い空間に新入生は80人程度であり、カレンは入学式としてはかなり寂しい印象を受けた。


 それもそのはず。魔法の素質は誰もが持っている訳ではないのだ。しかも魔法技学校に入れるのは15歳から20歳迄。一学年が少なくなるのは当然の事であった。


 入学式が始まるまでカレンが席に着いて大人しく待っていると、ここでも感じる多くの視線。ヒソヒソと何やら内緒話のように話している者もいる。


(仕方ないんだろうけど、これはなれるまでは辛いな……)


 しばらくそんな居心地の悪さが続いていたのだが、一人の男性が登壇した事で生徒達の視線は彼女からその男性へと移る。


そ してカレンもまた生徒達と同じように講壇を見つめる。


 そこには綺麗な白髪を後ろで纏めた小柄な初老の男性が立っていた。


「皆さん。入学おめでとう。

 ワシはここで学園長をしておるオリバー=マルドゥスじゃ。諸君らはこれから二年間、魔法について学ぶ事になるのじゃが、その上で心得ておいて欲しいことを伝えておこう」


 マルドゥスと名乗った学園長は、生徒達へ語り始める。


「自分の魔力の大小に関わらず、諸君らが加護を受けた事には意味があるのじゃ。

 この学園では魔法の技術や知識を学ぶ事も大切じゃが、ここでの学園生活では他にも諸君らに望む事がある。


 それは、自分がなぜ魔法の素質に目覚めたのかを考え、探求し続ける事じゃ。


 魔法は便利じゃが絶対ではない。技術や知識に溺れ、不幸な結末を迎えた生徒をワシは何人も見てきた。そして諸君らにはそのようになって欲しくはない。


『魔法の道は自分を律する所から始まる』


 諸君らの学園での時間が、人生にとって有意義なモノとなるように心から祈っておる」


 加護を受けた意味。


 そもそも意味があるのだろうかとカレンは思う。


 だとすれば、自分にあれほど大きな加護が宿った意味は、家族を殺したアイツに復讐する為に他ならないだろう。嫌いな学校にまで通う事を決意したのはそのためなのだ。必ず成し遂げなければならない。


 学園長の言葉は、カレンに彼の意図とは違った形で伝わってしまうのだった。


【お願い】

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