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魅力的な私2

 学園へは歩いて二十分ほどの距離。


 シグの家がある人通りの少ない路地から、この街のメインストリートである大通りに出て真っ直ぐに進めばすぐの道のりだ。


 この街、ブライトウィンはアムス王国という国に属する学術都市である。学術都市と言うだけあり、王国各地から人が集まって来る、割と大きな街であった。


 カレンが以前シグに、近くの森には盗賊もいるのにずいぶん治安が良さそうだと尋ねたら、この街を治める領主の治安兵が犯罪を取り締まっていると教えてくれた。


 治安兵がいるならこの前のように、盗賊を勝手に殺してしまってはヤバイのではと疑問に思うカレン。


 しかしそれは問題ないらしく、寧ろ正式に申請すれば報償金を得られるとのことだった。


 街の構造は南北に敷かれた大通りを中心に左右に広がっていて、通り沿いには洋服店、雑貨店、飲食店や市場等が並んでいる。まさにこの街のメインストリート。


 仕事へ向かう者や、同じ制服を着て学園に向かう者、朝から多くの人々が歩いていた。

 

 その大通りを歩いていると、カレンは教会と同じく、すれ違う人達からの視線を感じる。


 この2ヶ月、シグの案内で街の様々な場所を訪れていたが、どこに行っても、カレンには視線が集まるのだった。

 

 自身の可愛さのせいだろうと、これまでは流していたのだが、ジロジロ見られるのはやはり気持ちの良いものではない。


(ねえ、私って何処に行っても人からの視線を感じるんだけど、これって魅力値のせい? )


(恐らくそうだね。魅力値が限界を突破しているってことは、人が一生を賭けても到達出来ない魅力を持ってるということだろうから。

 外見だけでなく、人が目で追わずにはいられない魅力が内から溢れて来るんだろうね。

 もちろんカレンの外見が可愛くて見てくる奴もいるんだろうけど)


 セロの説明を聞いて、カレンはこの視線の原因を理解したのだが、それはこの先もずっと自分へ視線が集中し続ける事を意味していた。


 馴れるしかないのか、カレンがそう思っているとセロは言葉を続けた。


(でも気を付けるんだよカレン。人を魅了する事は必ずしも自分にプラスに働くとは限らないからね)


 魅力的ということがプラスではない?


 確かに常に視線を感じるのは落ち着かないし、あまり気分が良いものではないが……。


 この時は未だ、カレンはセロの言っている意味が理解できずにいた。


 セロと頭の中で話している内に、カレンは学園へと到着する。


 学園の正門。開かれた鉄格子の大きな門の奥には、芝生の敷かれた噴水広場があり、その向こうには石造りの大きな校舎が見える。


 次々と他の生徒達が正門に吸い込まれて行く中、彼女は一度立ち止まって深呼吸する。学校でいじめにあったという、過去の経験からくる不安を吹き飛ばすために。


「よし! 」


 そう声を出してから一歩踏み出すカレン。こうして彼女の学園生活が始まった。



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