5.みんなに発表するぞ!
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訂正
《痛み緩和、》
となっていたので
《痛み緩和》
に直しました。
4/11
修正
色々気になっちゃつからね。
を
色々気になっちゃうからね。
に直しました。凡ミス…
ミザリーのキラキラして夢に満ちた希望目が痛い…かわいいけど…!
を
ミザリーのキラキラして夢に満ちた希望の目が痛い…かわいいけど…!
に直しました。「希望『の』目」『の』が抜けていたのでそこです。
成人の式を終え、父様の元へ急ぐ。
「お待たせしました!父様!」
「おお!ようやく終わったか!少し長かったようだな?」
「まぁ…色々あって…」
「そ、そうか。とりあえず祝福はどうだったんだ?ちゃんと貰えたか?」
「はい!ちゃんと貰えました!」
「それは良かった!よし!家に帰ってお披露目だな!」
「はい!」
……よし。みんなに祝福についてを話す覚悟はできた!いざ!家族の元へ!
帰りの道はこれからどうしたいかという話を父様と話しながら帰った。
「ただいまー!」
僕が大きな声で帰ったのを告げると…
「にいさま!おかえりなさーい!」
「うわっと…ただいま、ミザリー」
「えへへ…にいさまのなでなでだいすきです〜」
ミザリーが飛び込んできたので受け止め、頭を撫でてやる。
相変わらずの可愛さだ。あぁ〜癒される〜。
「にいさま!ぎふとはどうでしたか?」
「ちゃんと貰えたよ。夜ご飯の時に発表するね」
「わかりました!たのしみです!」
よし。とりあえず色々やりたいことがあるし、自分の部屋に戻ろうかな。
僕の部屋は二階の一室、大体八畳ほどの大きさで、机やら収納棚やらが置いてある。魔道書をたくさん読むので大きな本棚もあったり、薬の実験用の釜などもある。ベットはミザリーが寝に来るのでダブルベッドだ。
「ん〜……ふぅ。よし、とりあえず起きたことについてまとめてみよう」
自分の部屋について普段着に着替えてベットに横たわる。
まず、僕は成人の式のために教会に来たよね?そして前に言われてた通り、女神さまと会うことができた。
普段なら祈っていれば祝福が分かるらしいんだけどね…
そして転生時にもらった祝福以外にももう一つもらえるということになっていたのでそれについての話を聞いたんだよね。《拡張世界》っていうのをテスターとしてもらうという話になって…それから…
女神様が壊れたんだよね…
《質疑応答》を《克服者》で手に入れたという話をして、それから《克服者》の説明を女神様から聞いたんだよね、そしたら……うん。新しい祝福を手に入れちゃったんだよね…
《達成者(終わらせたもの)》っていう…
そこからは酷かったな…女神様が僕の持ってる祝福の詳細やら世界の理やら神様たちの世界についてやら……
だれか助けてと叫んだら、そこにアトゥム様が助けに来てくれたんだよね。トト様とアヌビス様と一緒に。
そしてアトゥム様にこっちに戻らせてもらったんだよね。それからはなにもなかったんだけど…
────新しい祝福の確認でもしようかな。
えっと…女神様にもらったのが《拡張世界》という祝福だったよね。
う〜ん…どんな能力なんだろう?聞いてみようかな。
「もしも〜し。聞きたいことがあるんだけど」
『A.はい、何でしょう。それと、心の中で思っても聞こえますよ』
「あ、そうなの?でも僕は口にしたほうがいいや、話してるって感覚があるから。それでえっと、《拡張世界》についてなんだけど…」
『A.分かりました。《拡張世界》とは簡単に言うと視界の中をゲームのようにするものです』
「ゲームのように?」
どういうことだろう?ゲーム?ゲームっていったっていろいろあるからなぁ…
『A.はい。例えば…そうですね、MMORPGなるものが近いですね』
「なんでそんなもの知ってるんですかねぇ…」
『A.あなたの記憶の中から選ばせてもらいました。その方が分かりやすいでしょう』
「確かにそうだけど…」
確かに病気で病院にいた頃、おばあちゃんが持ってきたゲームがMMORPGだったけど…
今思うとおばあちゃんは意外と最先端のものをよく持ってきていたような…
VRゴーグルとか最新のスマホとか…
『A.いいおばあちゃんだったようで』
「そこまで覗かんでよろしい!」
『A.失礼しました。では、説明を続けます。この祝福は使用すると先ほど言った通り、視界の中をゲームのように表示させます。使ってみると分かりやすいですよ』
「そっか、じゃあ使ってみようかな。《拡張世界》!」
………………
……………………
…………………………
「何にもないけど?」
『A.……おかしいですね。少しお待ちください、確認してきます』
一体何がどうなっているのだろう?というか確認してくるって…そんなことできるの…?
《回答者》が問題を確認しに行って二十分ほど経っただろうか、ただ待っているのもつまらないので魔道書を読んで時間を潰すことにしていた。
「遅いなぁ…どこまで確認しに行ったんだろう?」
『A.祝福の使用権限管理場までです』
「うおっ!?」
『A.お待たせしました。問題を解決してきましたので、使用可能だと思われます』
戻ってきた。祝福の使用権限管理場って一体どこ…?
(じゃあ使ってみるよ)
『A.どうぞ』
(《拡張世界》!)
ギィ─────────────!
「な、なんだ!?すごい音が…!」
『A.起動音です。少し我慢してください』
「我慢って言われても……頭が…!ああぁぁぁ!」
『A.もう少しです。頑張ってください』
ギィ─────────!……………ガチャ
何か鍵が開くような音がして頭の中でけたたましく鳴っていた音が嘘のように無くなった。しかし、頭の痛みは収まらない。
「う…あ…ああ…頭が…」
『A.過剰反応を確認。今すぐに《頭痛解消》を使うことを推奨します』
「う…《頭痛…解消》……!…っ!がああ!」
《頭痛解消》は名前の通り、頭痛をすぐに無くしてくれる魔法のはずなのだが…
「あ゛あ゛あ゛…!痛みが!痛みが増したんだけど…!」
『A.おかしいですね…これは……!すみませんが権限を借りて少し操作させてもらいます。…………荒技でいかせてもらいますよ』
「あ…荒技……?」
一体…何をする…つもり…なの…?
頭が……頭が割れるように……痛い…!!
『A.権限委託…完了。身体情報確認……頭部内部の異常な負担により激しい痛みを感知。解除方法模索…《頭痛解消》は効果無し。そのほかの解除方法……《快復》、《治療連結》、《集中治療》、《痛み緩和》、《痛覚遮断》…全て試します』
「荒技って……そういうことか…!」
『A.《快復》』
「うぎぎがががが!」
『A.結果…失敗。次の方法、《治療連結》《簡易治療》』
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
『A.結果…他部位の回復はしたが目的への効果無し。次、《集中治療》』
「い゛、痛い…!」
『A.結果…少しの症状の軽減を確認。次、《痛み緩和》』
「あ、頭が…!」
『A.結果…さらに症状の軽減を確認。本命、《痛覚遮断》」
「う………痛みが…引いた?」
『A.結果…成功。症状の完全消滅を確認。効果内は痛み無しと判断』
「切れたら…また来るのか…?」
『A.可能性大です。ですが…』
『報告。祝福《克服者》による克服を達成。新しいスキル《痛覚無効》を獲得』
なにやら新しいスキルを手に入れたみたい。また《克服者》で…
『A.やはり獲得しましたね』
「一体どういうこと…?」
『A.尋常じゃないほどの痛みを耐えたんです。少なからず体に耐性がつくというものです。普通ならば《痛覚耐性》などが獲得できれば良い方なのですが、《克服者》の判定が入ったようですね。それによって《痛覚耐性》を飛ばして《痛覚無効》が獲得できたというわけです』
「……ということは、もう切れても大丈夫ってことなの…?」
『A.はい。無効なので』
「よかった…もうあんな痛みを感じないでいいのか…」
またあんな激しい痛みを受けてしまったら今度は耐えられる気なんてしない。これはとても良いものを獲得したのでは?
『A.ちなみに、《痛覚無効》は設定によって何を無効にするかを変更できます』
「へ〜…何故?」
『A.本来、痛みというのは体の危険信号です。それを感じなくなってしまうと、体のどこかが大変なことになっているのに気づかず、手当や反応が遅れてしまったりなどがあるためです』
「確か前にそんなことを本で読んだことがある気がする…」
『A.付け足しますと、どの程度の痛みから途中で切るかなども設定できます』
「あ、便利」
そんな機能があるのならもしもの時でも、はじめに痛みを感じるから気づかないという事態にはならないと思う。
「そういえば、《拡張世界》を使ってるけど、あまり変わった様子がないよ?」
『A.では、そこのポーションをじっと見つめてみてください』
「これ?僕の作ったポーションだけど…これをじーっと……?」
…シュン!
「わ!なんか出た!」
ポーションの横らへんに何か四角で囲まれた枠のようなものが出てきて、その中には文字が並んでいる。
[名前:下級ポーション 効果:軽傷を治療する(上)価格:200ラリス 生産者:クリート
チリョー草から作られた下級ポーション。大量に生産できるため、値段が安く、新米冒険者に人気]
どうやらポーションの説明のようだね。それにしても結構詳しくわかるなあ。誰が作ったのかまでわかるし、値段までも。大きなお世話だ!つかえるけど!
「なるほど。知りたいものをじっくり見つめると詳しいことがこんな感じで分かるんだね。……ん?この(上)っていうのは何だろう?」
効果の部分の後ろに謎の文字が。これは一体どういう意味だろう?
『A.それは効果の性能を表しています。普通品質ならばここになにもありませんが、効果の良いものは(上)。悪いものは(劣)と表示されます』
「良いのは上なのに悪いのは劣なのね…そこは下とかで合わせた方が良さそうだけど」
『A.細かいことはどうでもいいんです。ちなみに、この表示は人物でも看板でも出ますよ』
「適当だなぁ……人物にもかぁ…あとで父様のを見てみようかな」
人では一体どんな表示になるのだろう。
そして父様はどれほどすごいのだろうか?
『A.この祝福の説明は以上です。何か聞きたいことがあったらその都度ご返答します』
「この祝福についてはよくわかったよ」
『A.それでは次の祝福の説明をしましょうか?』
「うん。でも時間があまりないから、《薬学者》と《全調薬》についてだけ教えてもらえるかな?残りはまた後で聞くよ」
『A.分かりました。《薬学者》とは……』
実はここまでで三時間ほど経っているのである。そろそろ母様がご飯の支度を終わらせる頃なので、説明を早めにしてもらうことにした。
そういえば、僕、結構痛みで叫んでたりしたけど声を聞いて父様や母様が部屋に来たりはしてない。ちょっと前に《完全遮音》を部屋全体にかけておいたから、下の階や隣には漏れていない。よし、この魔法はちゃんと効いてるみたいだね。しかもこれ、外からの音は聞こえるんだ。
すごいね、魔法って。
《回答者》に祝福の説明聞いて三十分ほど、階段を上がってくる足音が聞こえたので説明を中断し、魔道書を取り出して読んでいるふりをする。
コンコン
「クリート?入るぞ」
ガチャ
部屋の扉を開けて入ってきたのは父様だった。
「ママが食事の準備ができたから下に来てくれだとさ。今日はすごいぞ〜!」
「分かったよ、父様。すぐに行くね」
「ああ、父さんもまだ見てないから楽しみだ。じゃあ先に降りてるからな、手を洗ってくるんだぞ」
「は〜い」
そう言って父様は下へ降りていった。よし、僕も母様たちのところへ行こう!あ、《拡張世界》は切っておこう。色々気になっちゃつからね。
…っと!手を洗うのも忘れずに。せっかくのご馳走だもん、綺麗な手で食べたいよね。
一階に降り、リビングへ向かう。すると母様の声が聞こえてきた、
「さあ、今日はご馳走よ!」
「おまたせ母様。わあ!豪華!」
「そうでしょう、クリート。今日はママ頑張っちゃったわ!」
「どれも美味しそうです!」
「にいさま、こっちこっち〜」
「はいはい。ミザリーの隣ね」
「えへへ〜」
「愛いやつめ〜!」
ミザリーの頭を撫でてやると嬉しそうに笑ってくれる。
やはりミザリーは天使だな。かわいい。もう他にいらないってぐらいかわいい。なんなら紙にかわいいって書きまくりたいぐらいかわいい。
「皆さま、準備ができました。どうぞ御食事を楽しんでください」
「そう言わずに、ほら、リベネさんも一緒に食べましょ。ね?」
「で、ですが…私は皆様のメイドです、一緒に食事など……」
「そう硬いことは言わずに。ほら、座りなって」
「リベネさんも一緒に食べよー!」
「みんなでたべるとおいしいんだよー!」
「子供たちもこう言ってるんだし、一緒に食べましょ」
「………………では、失礼して」
リベネさんも一緒にご飯を食べることになり、五人での食事。いつもとはちょっと違う感じがまたこれで楽しい。
食事の前の祈りを捧げ、みんなで食べ始める。
「美味しい〜!」
「おいしいー!」
「ママ!これすっごい美味しいよ!」
「あらあら、うふふ。そんなに喜んでもらってママも嬉しいわ。さあ!どんどん食べてね!」
「「「はーい!」」」
やっぱり母様の料理はとっても美味しい!こんな美味しいものを食べられるなんて幸せだなぁ…
ちなみにリベネさんもちゃんと食べてたよ。いつもは何をしてても真顔だったりしてたけど、料理を口に入れた瞬間、とろけてたりしてた。いつもは見ない一面、ちょっと得した気分?
それからみんなで食べ続け、そろそろ料理がなくなってきた頃。その話題はやってきた。
「そういえば、クリート。お前の授かった祝福を聞いてなかったな。聞いてもいいか?」
「そうね。ママも気になるわ」
「ミザリーも!にいさまのぎふと、きになります!」
やっぱり来た。多分このタイミングだとは予想してたけど、いざと話すとなると緊張するなあ…
「はい!僕が授かった祝福は、《薬学者》と《全調薬》です!」
僕はあらかじめ《回答者》と予定していたとおりに、みんなに伝えた。
「おお!二つも授かったのか!」
「これは珍しいわ!やっぱり私たちの子ね!」
「にいさますごーい!」
「おめでとうございます。クリート様」
やっぱり祝福が二つあるのは珍しいよね。本にも書いてあったし。『実が一つは常なるもの。実が二つは強きもの。実が三つは導くもの』って。なんか変な書き方だけど、要するに珍しいって事に解釈したよ。
「クリート、その祝福の効果はどんな感じのものだ?聞く限り薬系統に使えそうだが」
「その通りです、父様。《薬学者》は薬についてなんでも分かるようになって、《全調薬》は器具さえあればいつでも作れるようになるそうです!」
「おお!まさに薬屋の息子にうってつけじゃないか!良かったな、クリート!望んでたものが授かることができて」
「はい!」
はい嘘ですごめんなさい…自分で選んだんです…ここに生まれるって事教えてもらって自分で決めたんです…転生者特権みたいな感じで……うっ!ミザリーのキラキラして夢に満ちた希望目が痛い…かわいいけど…!
「これじゃあパパはあっという間に抜かされちゃうかもね〜」
「なんだとぉ!息子に負ける父親があってたまるか!ぬおぉぉ!頑張るぞぉ!」
「とうさますごーい!もえてるー!」
「あ、ほんとだ。燃えてる…」
父様がやる気に満ちて燃えている。ボウボウと音を立てながら。服にろうそくの火が燃え移ってみたいだね。
「………………燃えてる?うわっちぃ!あちち!」
「きゃー!大変!何か水を!……あ!」
「……あ!ってまさかママ!?ここで使うわけじ「《水生成》!」ぎゃー!やっぱりー!ごぼぼぼ…」
やっぱり母様だなあ…慌てるとぽんこつになっちゃう。あ、料理と父様以外のみんなは無事だよ。僕が察知して事前に《無彩盾》をかけておいたからね。
「はぁ…はぁ…まさかこんな時まで食らうとは…」
「ごめんなさい…パパ…」
「いいんだよママ。不注意だった俺が悪いんだから」
「パパ…♡」
「ママ…♡」
「はいはい!ラブラブは後でね!《熱風乾燥》」
「おお…ありがとう、クリート。あったまるよ」
「もう…母様もほどほどにしてくださいね」
「はい……」
「父様もです!周りをちゃんと見て気を付けてください!」
「分かりました…」
まったく…僕がいないとこの夫婦は結構危ないんだから…
「クリート様はしっかりしてますね」
「いやいや、リベネさんには負けますよ。いつも母様のお手伝いをしているんですし。よく失敗してますでしょ?」
「いえ、普段の奥様は失敗なんてありませんよ。しっかり者ですし、多分ですが…ちょっと耳を拝借しても?」
「…?はい」
「きっと、子供の前でカッコつけたいんですよ。親としてすごいと見られたいんです。子供の頃の構って欲しい時と同じような感じですよ」
「はは…そうかなぁ?」
母様のドジっぷりは天然物な気がする。あれは流石に途中から出来るような業では無いと思うな。
「なんだか冒険者の頃を思い出すなあ…」
「あったわよね。二人でギルド長に怒られたりして…」
「懐かしいねえ…」
「懐かしいわねぇ…」
「あの頃からママへの愛は変わってないけどね」
「私だってパパへの愛は変わってないわ。むしろ増えてく一方よ」
「ママ…♡」
「パパ…♡」
「はいそこぉ!また勝手にいちゃつかない!」
まったく…すきあらばすぐにラブラブに…それを見せられる子供の身にもなって欲しいものだよ…
「まあまあ。そうカリカリしないで」
「そうさせている本人が何を言うか…」
「でもなあ。確かにクリートにはすぐに抜かされそうだな。薬についてなんでもわかるっていう薬屋にとって最強の祝福があるもんなあ」
「でも、この祝福。自分で見たものしかわからないらしくて、まだまだよくわからない薬がたくさんあるんです」
「…っは!それはつまり、まだ父さんの方が勝っていられる時間があるってわけか!」
「そうです!父様にもっとたくさん薬について教えてもらわなきゃダメなんです!」
「うぐっ…父親として子のためには色々教えなければ……だが、教えてしまうと逆に子に負けてしまうことに…」
後もうひと押しで落とせそうだな…よし。こうなったら親バカに効く必殺の…
「父様…ダメ…ですか…?」
「グッハァ!そんな訳ないだろう!なんでも教えてやるぞ!ああ!薬についてなんでもだ!」
「(やったね!)」
父様は僕の『涙目震え声上目遣い』よって簡単に落とされてしまうのだった。
正直、僕もこれをミザリーにやられてしまったら即落ちしてしまうだろう。仕方がない、かわいいんだもの。あ、想像しただけで耐え難く…
そんな変な茶番も終え、残っていた料理も食べ終わり、お皿を片付ける。
机を拭いているリベネさんにちょっと用事があるので近づいていく。
「リベネさん。ちょっといいかな?」
「なんでしょうか?クリート様?」
「頭下げてもらってもい〜い?」
「……?はい、分かりました」
リベネさんは僕の申し出を受けて、頭を下げてくれる。
「はい、どーぞ!」
「これは…!」
そこに僕は特製ネックレスをつけてあげる。
「これはね、僕が初めて錬金術で上手に作れた宝石なんだ。ピンクエピドートっていうんだよ」
「…………ありがとうございます。でもなぜいきなりこのようなものを?」
「リベネさん、もうすぐここにきて五年になるでしょ?だから、僕からのお祝い?プレゼント?だよ」
「ありがとうございます。大切にしますね。それで、クリート様。この石の石言葉なるものは知っておいでですか?」
「知らな〜い。綺麗だったからリベネさんにあげようと思ったの!」
「そうですか。向こうで奥様がお呼びでしたよ」
「本当?じゃあ僕いってくるね!」
そうして僕はリベネさんにネックレスを渡すことができた。やったね!うまく渡せた!
それからは母様の片付けの手伝いし、ミザリーと一緒にお風呂に入ってぐっすりと眠ることにした。
僕がベットに入り眠るその頃。ある一つの部屋でネックレスをじっと見つめる女性が一人。
「ピンクエピドート…石言葉は【愛情】【癒し】そして、【感謝】…本当は分かっていたのですね。大事にさせていただきますね」
まさかリベネさんが石言葉を知っていようとは思わず、うまく誤魔化すことが出来たと思い込み、心地よい眠りに落ちるクリートであった…
久々のこちらでの投稿です。いやー、月2の更新になるとかいって全く出来てませんでしたね。本当にすいません。色々あったんですよ、別作品の方が全く調子が出ずに何度も考えたりして、挙句に間違えて保存しないで消しちゃったりしたりして。息抜きでチョットずつ書いていてようやく1話分終わりました。最近なんかこっちの方に手を入れた方がいいんじゃないかなって思い始めてしまうほどですよ。
まあとりあえず、これからも自分の作品を読んでいただけるととても嬉しいです!感想、コメントなどどんどん送ってもらえるとさらに励めるかも?誤字なども書いてくださるととてもありがたいです。それでは次の話で!
(ぶっちゃけピンクエピドートって何なん?調べて見たけどあんな深い意味があるなんて…)