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4.成人の式

あまりかける時間がないので、投稿が本当にやばいです。月2で出そうとは思っていますが、できない時もあると思いますのでその時はご了承ください…


3/11

ミザリーのセリフの

「にいさまはどんなしゅくふくがいいですか?」

「にいさまはどんなぎふとがいいですか?」

に変更しました。ルビでギフトと書いているのに祝福と言うのはおかしいと思ったので変更しました。


もひとつ訂正。

《質疑応答(Q&A)》

とルビ振りをミスっていたのを

質疑応答(Q&A)

に直しました。

あの夜から半月が経った。僕は8歳に、ミザリーは6歳になった。


明日は成人の式の日。この成人の式で多くの人は初めて自分の祝福ギフトの名前を知る。


僕は転生時に知ってしまっているけど、新しくもらった祝福については分からない。正直少し楽しみ。


「いよいよ明日は成人の式ね」

「クリートの祝福がついに分かるのか!」

「にいさまはどんなぎふとがいいですか?」

「そうだな…父様のお手伝いをしたいから、薬の関係の祝福が欲しいな」

「そうか!クリートはそんなことを考えてくれていたのか!」

「にいさまえらい?」

「ああ!すごい偉いぞ!」

「にいさまえらい!わーい!」


まるで自分のように喜んでくれるミザリー。────かわいい。かわいすぎる。ミザリーのためならなんだってできる気がする。シスコンと言われても気にしないね!それでこの笑顔が見れるならシスコンにだってなってやる!


「明日はご馳走を作りましょう!」

「クリートが成人になるんだ。豪華に頼むよ。ママ」

「当たり前よ!母さん、腕によりをかけて作るわ!」

「ありがとう母様。とっても楽しみだよ」

「さて、もう夜もいい時間よ。クリートとミザリーは明日のためにもたくさん寝ないとダメよ?」

「そんな体力を使うわけでもないんだから、大丈夫だよ」

「む〜……にいさま〜…?」

「ミザリーはもうねんねの時間か。じゃあ一緒に部屋に行こう」

「はぁ〜い……」


あまり眠気はないけど、ミザリーが眠そうにしているしもう寝るとしようかな。最近、ミザリーは僕と一緒じゃないと寝なくなってきている。僕としては嬉しいけど、将来が少し心配にもなるかな…


そして僕はミザリーと一緒に布団に入り、眠くないと思っていたがすぐに眠りに落ちた。


そして朝…成人の式の日、当日。


「んん〜……よく寝た…」

「すー…すー……」

「やっぱりミザリーはかわいいな…」ボソッ

「むにゃ〜…?にいさま〜?」

「起こしてしまったかい?ごめんね」

「いいのです…ふぁ〜……にいさま、おはようございますぅ…」

「おはようミザリー。眠いならもう少し寝ててもいいんだよ」

「にいさまといっしょがいいです…」

「そうか。じゃあ顔を洗いに行こうね」

「はぁ〜い…」


眠たそうな顔で目をこすりながら、とことこと僕の後をついてくる。


あーもう!いちいち可愛いなぁ!


手洗い場について、冷たい水で顔を洗う。


「ふぅ、サッパリした」

「ぴゃ〜!つめたいですー!」

「ほら、ミザリー。顔を拭くから目を閉じててね」

「ひゃい。む〜…むにむにゃ…」

「ふふふ。変な顔」

「にいさまがつよくふくからです!」

「ごめんごめん。お、いい匂いがしてきた。母様がご飯を作り終えたみたいだよ。ほら、いこっか?」

「はーい!」


リビングからとてもいい匂いがしてきた。

母様のいつも美味しい朝ごはんの匂いだ。ミザリーと一緒にリビングへ向かう。ミザリーが少しスキップ気味になっている。


今日の成人の日を楽しみにしていてくれているのかな?


「おはよう母様。いい匂い」

「いいにおいです!」

「あら、おはよう。クリート、ミザリー。今日の朝ごはんは特別に極彩豚のベッーコエッグスよ」

「おお。豪華だね、ママ」

「おはようパパ。ほら、朝のチュー♡」

「ママったら子供達の前だぞ。チュー♡」


おうふ。朝からアッツアツのラブラブを見せられた。いや、別にいいんだよ?チューとかは。流石に、夜のは無理だけど……というか少しは自重してほしい。夜に隣の母様と父様の部屋からの音がたまに聞こえてくるだよね…


ミザリーの教養のためにもちょっとはね?聞こえてくるのはミザリーが寝てる時間だけどさ…


え?なんで僕が知ってるのかって?そりゃあ…魔道書を読むのが楽しすぎて寝る時間も惜しんで魔法の勉強をしてたからだよ。早く寝ない僕も悪いんだけどさ…


「かあさまもとおさまも、なかがいいんですね!」

「まぁね…母様!ご飯が冷めてしまいませんか!」

「あら、そうだったわ。すぐに食事の準備をするわね」

「手伝うよ。ママ」


我に帰った母様がテキパキと食事の準備をこなしていく。父様も慣れた手つきで料理をよそわれた皿をテーブルに並べていく。


僕はミザリーのお世話だ。髪を溶かし、《熱風乾燥》の魔法でゆるふわのウェーブに仕上げていく。


「よし。出来たよ」

「ありがとうございます!にいさま!」

「クリート、ミザリー。準備ができたわよ。さあ、食べましょうか」

「はーい!」

「今日も美味しそう」


自分の定位置に座り、朝の祈りを始める。父様が祈りの言葉を唱えていく。


「慈愛の神よ。今日も一日、我らに幸を分けてくださいますよう、お願いいたします…」

「「「お願いいたします…」」」


祈りを唱え、少しの間瞑想をする。


「さて。朝の祈りも終わったし、食べようか」

「たくさん食べてね〜」

「「はーい!」」


今日も母様のご飯は美味しい!いつ食べても変わらない美味しさだよ!


今日もすぐに朝ごはんを食べ終わった。美味しすぎてすぐに食べ終わってしまう。


「あ〜。美味しかった〜」

「おいしかった〜」

「ママの料理はいつも美味しいな」

「やだわ、パパったら。そんなに誉めないでちょうだい」

「とおさまのいうとおりですよ!かあさまのごはんはいつもおいしいです!」

「ミザリーまで…うふふ。ありがとう」

「さて、クリート。今日は待ちに待った成人の式だ。心の準備はもう済んだか?」

「はい!父様!もう準備万端です!」

「よし!じゃあ朝ごはんを食べ終わったら、早速教会へ行こうじゃないか!」


いよいよ待ちに待った祝福が分かる日だ。女神様から追加でもらった祝福は一体なんだろう?


食べ終わった皿を片付け、式のために身だしなみを整える。式は、男は黒い衣装、女は白いドレスを着て行う。


やっぱりこの服って、スーツっぽいんだよね…なんというか社交ダンスに行く人みたいな感じ?行ったことないけど…


ともかく、黒い衣装に着替えて母様たちに見せる。


「やっぱり似合うわね〜」

「良く決まってるぞ。クリート」

「にいさまかっこいいです!」

「そんな…照れるなぁ」


家族全員からべた褒めである。母様と父様は親バカだから褒めるのはともかく、ミザリーにかっこいいと言ってもらえたのは結構嬉しい。


やはり、兄としての役割を見せつけなきゃね!


「よし、それじゃあ教会へ行くか」

「ママとミザリーは家で待ってるわね〜」

「にいさま!がんばってください!」

「うん!頑張るよ!行ってきまーす!」


母様とミザリーに見送られ、父様と一緒に教会へ向かう。


今日は村中の今年8歳になる子供が教会へ集まり、一人ずつ祝福を確認する。少し小さな村だが、朝早くから行かないと確認できるのが夕方ごろになってしまうこともある。


僕は女神様から追加でもらった祝福が何か想像しながら父様について歩いて行った。家から教会までは歩いて二十分ほど。


もうそろそろ着くかなというころ…


「あ!おーい!クリート!」

「ん?この声は…ゼブルかー?」


誰かに呼ばれたのでその人物の名前を言って返す。


「そうそう、当たり!しかしクリートは耳がいいなー」

「毎日朝は森で色々と特訓してるからね。自然と耳が良くなったんだよ」


こいつはゼブル。やんちゃで元気なやつ。いつもグループの中心にいるような明るい性格の持ち主。でも、意外と礼儀ができるしっかり者でもあったりするんだよね。


「へぇー。あ、バーズさんおはようございます!」

「はいこんにちは。いや、しかしいきなり森で特訓したいなんて言い出した時には驚いたな」

「そうなんですか?」

「そうだぞ。あの頃のクリートはまだ4歳だったからな。その歳で森へ行かせるのは危ないと思っていたんだ。なのにクリートは一人で森の主を倒してきてしまってな。他に何も脅威がないから最終的には許した」

「そんなことがあったんですか!だってさ!本当に主を倒したのか?」


あー…なんかそんなこともあったな。魔法の練習をするために森に入って行った時に最初にあった相手が山の主だったんだよ。当時の僕は山の主とは知らずにただ大きい的としか思ってなかったけど…


「うん。襲ってきそうだったから、返り討ちにしたよ」

「まじかよ!やっぱクリートはすごいな!」

「そんなことないって。ほら、ゼブルのお母さんが呼んでるよ」

「ほんとだ!じゃあな!クリート!式が終わったら、な!」

「うん。終わったらね」


そう言うとゼブルは母親の元へと走り去っていった。彼も今から教会へ向かうのだろう。


ゼブルはどんな祝福をもらうのだろうかな?やっぱり、前衛系のものかな?色々と想像するのは楽しいなあ!


再び教会へ向かって歩く。


教会へ着いた。扉の前ではすでに少しの列が出来ている。


「わー。もう少し並んでる」

「そうだな。それじゃあ私たちも並ぼうか」

「はい!父様!」


僕たちも列に並ぶことにした。ここからは長いぞ〜。


少しずつ少しずつ列は前に進んでいく。後ろにも並んでいる人が増えてきた。


「あら、クリートじゃない。おはよう」

「おはようエリス。今日はいい天気だね」

「わたくしが来たのですもの。これぐらい、当たり前ですわ」


ちょっと言っている意味がわからないけど…


このちょっとですわ系の話し方をするのは友達のエリス。


エリスはこのクルガ村が入っているサンバルネ領の領主の娘。ちょっと態度が大きいけど、みんなのことをちゃんとわかってる観察上手。エリスのお父さんの仕事の関係でたまにしか遊びに来ないけど、来た時はみんなで一緒に遊んでる。


「今から並ぶんでしょ?結構列が長いけど大丈夫?」

「大丈夫ですわ。これくらいのことならいつものことですの。それよりもほら、久しぶりに会うのだからお菓子を持ってきましたわ。妹さんと一緒に食べてくださいな」


そう言って、少し不恰好だが美味しそうなクッキーをくれた。


「わぁ、ありがとう。これ、エリスが作ったの?」

「そ、そうですの。で、でも勘違いしないでほしいですわ!これはお父様に作った時のあまりですの!べ、別にクリートのために頑張って作ったとかではありませんわ!」

「そう?でも、ありがとう。ミザリーと一緒に食べさせてもらうよ」

「そ、それでいいのですわ!しっかりと味わって食べるのですわ!」

「うん。ありがとう」

「そ、それじゃあ、わたくしは列に並んできますの。それではまた今度、ですわ」

「またね」


エリスはドレスの裾をつまんで一礼して列の後ろの方へ歩いて行った。途中でお父さんと会って何か話していた。顔を真っ赤にして体をポカポカ叩いていたりしたけど、何かあったのかな?美味しそうなクッキーをもらえたし、ミザリー喜ぶかな?


その後も順々に列は進んでいき、僕の番となった。大人は中には入らず、外で待っていてどんな祝福がもらえるか期待を膨らませているだけだ。


教会の中に入ると、内陣に神父さんが立っているのでそこまで行き、神託を受ける。


「お願いします」

「体の力を抜いて、目をつむり、神の前に跪いてお待ちになっていてください。そうすれば、神託を授けられましょう」

「………………」

「では、はじめましょう。『汝、神の神託を受けせし者よ。神に頭を垂れ、祈り、願いなさい…』」

「……………………」


────

──────

─────────


「お、来た来た。久しぶり〜」

「ここは…ああ、此処ですか」

「そうそう。此処よ」


女神様と会う場所のいつもの真っ白い空間だ。


「女神様、今日は成人の日ですけど僕はここで何をすればいいのですか?」

「いや〜。何もしなくていいのよ。普通ならあそこで目をつむっていれば頭の中に自分の祝福の名前が浮かんでくるからね〜」

「では、なぜ僕はここに?」

「それはね、君にあげる新しい祝福についてなのよ」

「はい」


わざわざここにまで呼んで何か伝えるべきことがあるのだろうか?結構重大なことなのかな?


「君に新しくあげる祝福は《拡張世界(AR空間)》というものなのよ」

「はい。ARってのは僕のいた世界でいうようなあれですか?」

「そうよ?でも、この祝福がちょっとね…癖があるのよ」

「癖というと?」

「まず、AR空間というのがこの世界の人に理解されないのよ。魔法は使っているのに」

「そうなんですか?確かに魔法は使ってますけど…」


魔法は大丈夫なのにAR空間はダメなのか。なんか変なの。


「それに、この《拡張世界(AR空間)》ね、すごく扱いが難しいのよ。あなたには《質疑応答(Q&A)》のスキルがあるでしょう?それを少しランクアップしてあげるから、テスターをお願いしたいの」

「テスターですか?なぜ僕なんですか?そして何をテストすればいいんですか?」

「遠慮なく聞いてくるわね。まぁいいわ一つずつ応えていきましょう」

「お願いします」

「それなら、お茶を用意しましょうか。立ち話もなんですしね」


女神様がそう言って手をパンパンと叩いて鳴らすと、椅子とテーブル、紅茶、それに高そうなクッキーがどこからともなく出現した。


「どうぞ座って」

「じゃあ…失礼して」


僕は用意された椅子に座る。紅茶もいただいて。あ、美味しい。


「それではまずはじめになぜあなたにテスターを頼んだところからいきましょうか」

「はい。お願いします」

「なぜ私があなたにお願いしたかというと、先ほども言いましたがあなたには《質疑応答》のスキルがありますよね?」

「ええ、まあ。《克服者のりこえるもの》でなぜか貰えました」

「ほんとは詳しいことは教えちゃいけない決まりなんだけど、今はもう罰受けたすぐだから何やってもいいのよ」

「え〜…」

「いいのいいの。罰受けた後は他の神の監視が緩いのよ〜。で、《克服者》の詳しいことを話すとね、《克服者》は何かその人が壁にぶつかった時にそれをのりこえることが出来たらその壁に見合った成功報酬としてスキルやステータスがもらえるのよ。それで《質疑応答》が貰えたってわけなの」

「なるほど…もらえるスキルって何か制限とかあるんですか」

「いいえ。別に何もないわ。強いて言えばスキルが貰える確率が低いってことぐらいね。運が良ければ私が最初に選ばせたあのスキルの中からもらえることもあるわよ」

「………………ええ!?あの便利スキルの中からですか!?」

「便利スキル……まぁいいわ。まぁ、普通のスキルですら全く当たらないんだから、それが当たるなんて夢のまた夢のようなものよ」

「そんなものなんですね〜」

「そうよ。当たるなんてありゃしないわ。うふふふふ」

「そうですよねー。あははは」


『報告。スキル《克服者》による克服を達成。新しい祝福《達成者おわらせたもの》を獲得』


…………うぇ?


「あの…なんか今新しいスキルを手に入れたんですけど…」

「ふぇ!?ちょっと待って!……本当だ。新しく《達成者》の祝福があるわ…」

「なぜか貰えたんですけど…なんでですか?」

「……あなた、前になんでスキルがもらえるんだろうとか思わなかったかしら?」

「たしか、《質疑応答》を貰えた時に…」

「はぁ……絶対にそれよ。それが今解決したから貰えたのよ…普通なら生涯をかけてわかるようなものだから、祝福が貰えたのね…やっちゃったわ…これは流石に許されないわ…」

「あの……大丈夫ですか…?」

「……ハハ…ハハハ……あははは!!もうこうなったらやけよ!教えられることは全部教えるわ!さあ!何が聞きたいの!?」

「え…じゃあ、僕の祝福の事と《拡張世界》についてを…」

「どんと来いよ!まずはあなたの祝福についてね!《薬学者くすりや》はね……!」


それから女神様は狂ったように僕に色々教えてくれた。僕の祝福についてとか、《拡張世界》を僕に頼んだ理由とか。他にも余計なことを教えようとしてきたけど、流石にこれ以上は女神様自身の身が危ないので遠慮しておいた。


「いいの!?なんでも教えちゃうわよ!」

「あの、本当に女神様が危なそうなのでいいですよ…」

「いいのよ!私はもうダメな女神なのよ!こうなったら神の世界についても教えちゃうわよー!」

「ちょっとー!誰かー!他の神様ー!この女神様、変なことも教えちゃいそうなんですけどー!誰か止めてくださーい!!」


やばいよ。神様たちの世界のことまで教えられたら絶対、教会の人たちが黙っていなくなるよ!教会に追われる生活なんて嫌だよ!誰か助けてー!


その時、僕の声が届いたのか空中に亀裂ができてそこから人が出てきた。


あ、誰か来た。神様?でも、光の粒じゃないし…


僕が誰だこの人…?と困惑していると…


「おいおい!なんか声が聞こえると思ってきてみりゃやばいことになってるじゃねえか!おーい!トート!アヌビス!こっち来てくれー!」

「…………?」


トート?アヌビス?…もしかしてトト神とアヌビス神!?やっぱりこの人って神様!?


トト神とアヌビス神を亀裂から出てきた男の人が呼んでるので、さらに困惑してしまう。


「ん?人がいるじゃないか。あんた、なんでこんなところにいんだ?見たところ…今日成人の式の日だろ。なんでここに?」

「あの、その女神様に呼ばれたんです。なんか色々話してくれて…そしたらだんだんと変なことまで教えてきて…最終的には神様たちの世界についてを教えてあげるとか…」

「まさか、聞いたんじゃねえだろうな。聞いたとしたらタダで返すわけにわいけなくなるんだが…」

「いえ…聞いてませんよ。聞いてしまうと女神様が大変なことになりそうなので…」

「利口な判断だ少年。さて、俺らはこの女神の処罰をゼウス様に聞いてくる。あんたはすぐに元の場所に戻すが、大丈夫か?」

「はい。聞きたいことは聞けましたので」

「ちなみに、何を聞いた?」

「僕の祝福についてと、新しくもらえる《拡張世界》についてです。他にはたわいのないことを少々…」

「そうか、それなら大丈夫だな。よし、今すぐ返すが他に何か知りたいことはあるか?よほどのことでなければ教られるぞ」

「そうですね…じゃあ、あなたの名前を教えてくれますか?」


今後ろで女神様を眠らせて運んでいるトト神やアヌビス神のことはわかったけど、この人については何か特徴がなくてわからないんだよね。トト神とアヌビス神は顔を見ればわかるんだけど…


「俺か?それならお安い御用だ。俺はな、アトゥムって言うんだ。よろしくな」

「アトゥム…さんですね。女神様のことをお願いします」

「お、礼儀がなってる今では珍しい子だな。分かった、俺の名に誓ってこの女神をあずかり受けよう」

「ありがとうございます」

「よし、それじゃあ元の場所へ戻すぞ。じゃあな」


アトゥムさんがそう言うと、白い空間に亀裂がどんどん入っていき、空間が割れた。


そして次の瞬間、僕は元の教会へ戻ってきた。


「どうでしたか?あなたの祝福は分かりましたか?」

「…はい。しっかりと授かりました」

「よろしい。それではあちらから外へ、次の者がすぐに来ますので」

「分かりました」


僕があの空間へ行っていた時の分は時間が進んでいないのかな?なんにせよ不思議な空間だ。神様たちがたくさんいるし。


さて、どうしようかな…父様たちにはなんて言おう…


『A.《薬学者》と《全調薬》のみ、回答すればいいと思われます』


…!?いきなり頭の中に声が…!


『A.私は《質疑応答》から派生した《回答者こたえるもの》です。これからはあなたの疑問にお答えします』


(え、あ、うん。よろしくね…?というか《回答者》?あ、女神様が言ってたランクアップかな?)


『A.はい、そうです。ランクアップ、または派生とも言います。派生により、スキルだった《質疑応答》が祝福となりました』


(へ〜…そうなんだ。スキルから祝福になることもあるんだね〜……まじか)


『A.まじです』


(とりあえず、父様たちには《薬学者》と《全調薬》のことだけ言えばいいんだよね?)


『A.家庭内を複雑にしたいのならば、全ての情報を明かすのを否定しません』


(はい!僕はみんなに《薬学者》と《全調薬》についてしか明かしません!)


もしも話して暮らしていくのが大変になったら絶対に嫌だからね!


とにかく僕はみんなに知らせるべく、父様のところへ向かった。


これから僕、どうなっちゃうんだろう…

なんだろう…お祈りの言葉が変な気がする。気にくわないけど他のが考えられない…


というか「チュー♡」とか書くのめっさ恥ずいんですけど…

なんでこんな設定にしちゃったんだよぅ…(泣)


一つ前の話で15歳の時にまだ呼ぶと書いていましたが、すっかり忘れて登場させてしまってました。また今度それぐらいの頃にいつか…出せるかなぁ。

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