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2.父様と母様

3/13

訂正です。

『報告。スキル《克服者のりこえるもの》による克服を達成。新しいスキル《質疑応答(Q&A)》を獲得』

《克服者》のことをスキルと書いていたので、

『報告。祝福《克服者のりこえるもの》による克服を達成。新しいスキル《質疑応答(Q&A)》を獲得』

と、直しました。


3/14

バーズがプラハルのことを母さん、

プラハルがバーズのことをお父さん、

と間違えて呼んでいた部分があったのでお互いに呼び方をパパ、ママに直しました。


4/26

訂正

事前にバーズがお告げと言っているのに

「why…?女神のお使い…?何故に?」

お使いになっていたので、

「why…?女神のお告げ…?何故に?」

と、

『近くにあった小スプーンで少しすくい、他に乗せて食べてみる。』

という意味がわからない文章になっていたので、

『近くにあった小スプーンで少しすくい、手に乗せて食べてみる。』

に直しました。そして、

「……扉が開いている隙間に母様の顔が満足したように見えた気が…?」

なんとまた変な文になっていたので、

「……閉まっていく扉の隙間から母様の顔が満足したように見えた気が…?」

に変更しました。色々誤字が多くてすいません!!


さらに発見。

ところどころ、バーズが自分のことを私と言っていたので『父さん』に直しました。


もう見返すのが嫌になってきた…

「クリート〜?どこにいるの〜?お昼ご飯よ〜」

「今行く!母様!」

「また屋根裏ね。ちゃんと手を洗ってくるのよー」

「はーい!」


僕はあの後、女神さまのいう通りクルガの村の薬屋の息子として生まれた。

名前は『クリート』、どこかの国の言葉で薬という意味だったはず。


「おまたせ母様。今日のお昼ごはんは何?」

「来るのが早かったけれど、ちゃんと手を洗ってきたのかしら?」

「うん!」

「そう?見せてごらん」


今話しているのが僕の母様だ。名前はプラハル。

容姿端麗、文武両道、博識洽聞はくしきこうぶんを具現化した様な女性だ。


僕が分からないことはすぐに教えてくれるし、綺麗だから友達のみんなからも羨ましがられている。


それに──胸がとても大きい。


優しくて、綺麗で、賢くて、色々知ってて…それでいて胸まで大きいなんて完璧すぎる母親だ。


「ちゃんと洗ったようね。それじゃあ食べましょうか。パパ!まだですか?」

「ごめんごめん。ちょっと調合に手間取ってて」

「新しい薬ですか!?父様!」

「ああ。これが完成したらサブラ病を心配しなくてもよくなるぞ!」


これが僕の父様。名前はバーズ。

イケメンで頭良くて、優しい。


母様に加え、父様もすごい。

小さい頃から頭脳明晰で、本をたくさん読んでいたんだとか。


父様は15歳から薬について学んでいて、その頭の良さで師匠から一年学んだだけで薬の製造から必要な薬草まで全て覚えて、自分で薬を作ったりもしていたらしい。


サブラ病とは前世でいう風邪だ。体が寒くなるから


「今日もママのご飯は美味しいな」

「やだもう。そんなこと言って、薬の方はどうなの?」

「僕もきになる!」

「そうかそうか。クリートももうそんな年頃か!実はな、完成にまで迫っているんだ」

「そうなのね!じゃあ今日の夜はご馳走にするわね!」


父様と母様は元冒険者だったんだって。

冒険者時代の頃に一緒にクエストをこなしてきていたそう。


ある日、お金を一気に稼ぐために二人で危険なクエストを受けてしまった。


初めは二人で対応できるぐらいの量だったのだが、だんだんと数が増えてきて手に負えなくなってしまい、最後には逃げるのが精一杯になってしまったのだとか。


その時に洞窟を見つけ、丸一日そこでこもることになった時にお互いに初めて異性として意識したらしい。


そしてその頃からお互いに好きと気付いてゴールインしたらしい。


赤ん坊の頃に50回ぐらい聞かされたから覚えちゃったよ。


「あー、美味しかった。さて、父さんは薬の続きをするとするかな」

「父様と!僕も手伝う!」

「クリートは今7歳だったか?」

「うん!」

「そうか!ならもう教えてあげてもいいな。一緒にやろう」

「やった!」

「頑張ってね、クリート」

「うん!母様もびっくりするもの作るんだ!」

「期待してるわね」


よぉし!僕、頑張るぞ!


そういうことで僕は父様のお手伝いをすることになった。


「これが父様の研究室…」

「すごいだろう?ここまで来るのにだいぶ時間がかかったもんだよ…」


感傷中で悪いんですけど…

先に進めていいのかな?


「父様、これが作ってる途中の薬?」

「…ん?あぁ、そうだよ。後少しなんだけど、少し分からなくてね」

「どこが足りないの?」

「このままだと、とても飲めるほどではないぐらい苦いんだ。だから、なにか苦味を抑えるものを探しているんだけど、なかなか見つからなくてね…」

「そうなのか…」


うーん…何を加えたらいいんだろう?


その時!クリートの脳内に一つのアイデアが浮かび上がる!


(これは……カルン?でもなんでそんなものが?…………もしかして…)


「父様!僕一つ思い浮かびました!」

「そうか!何が思いついたんだ?」

「カルンでしゅ!」


噛んじゃった……恥ずかちぃ…


「カルンか……いいかもな…よし!早速入れてみよう!」


そう言うと、父様は家の保存室に向かって走り出ていった。


良かった……噛んだことには気付いてないみたいだ。


今のうちに今起こったことを思い返してみよう。


僕は薬に足したらいいものを考えた。そしたら、頭の中にパッとカルンが思いついた。これだけ。


判断材料少ねぇ…!ここから何をどうしろと?思い当たるとしたら《薬学者くすりや》なんだよなぁ…


あ、ちなみにカルンはカリンに似ているもので、前世よりも渋みが少なくて甘みが強いのが特徴だよ。砂糖漬けが美味しいんだー。


さて、話を戻して…

もしかして《薬学者》って薬に関することならなんでも思いつくのかな?

うーん……また今度試してみよっと。


そんなことを考えていたら父様が走って戻ってきた。カリンの──違う違う、カルンの砂糖漬けを持って。


「あったぞ!カルン!」

「砂糖漬けでも大丈夫かな…?」

「苦さを消すためには丁度いいだろう!早速これを入れて…って、どのくらいだ?」

「僕に聞かれても……二分の一…」

「二分の一か!よし!」


今度は頭の中で言葉が出てきたよ。今回はさっき言った二分の一が出てきたんだ。


父様は僕が言ったカルン二分の一を細かく切り、火にかけた鍋に入れてかき混ぜていく。


だんだんとカルンの甘い匂いがしてきたぞ。


「父様ストップ!火を止めて!」

「お?なんだ?」

「もう煮込むのはいいって」

「…?……?誰か言ったのか?」

「ううん。頭の中に浮かんできたの…」

「クリート、お前…」


やば、つい勢いで言ってしまったけれど変に思われたかな…


「お前……薬の女神のお告げが来たのか!」

「──────へ?」


why…?女神のお告げ…?何故に?

僕が困惑していると父様はどういうことか説明してくれた。


「クリート、この世界には神様がいるっていうのは知ってるな?」

「うん。本で読んだ」

「お、えらいぞ。そう、本に書いてある通りこの世界には色々な神様がいるんだ。薬の女神もそのうちの人柱だ」

「でもなんでお告げ?」

「そこだよ、クリート。普通、薬の調合や火の入れ具合は自分の腕と長年の勘でやるものだろう?」

「うん」


いやまぁ、それが普通ですからね。


「遠い昔、あるところにすごい錬金術師がいたんだ。錬金術師も私たち調合士と同じくものをかけ合わせて作っているんだ。やっぱり自分の腕と勘を頼りにね。だけどその錬金術師は違ったんだ。その錬金術師はどんなリクエストにも全て完璧に作ることができたんだ。絶対に知らないはずのものでさえもね」


まって、だんだん分かってきたぞ。


「何故そんなことができるのかと、ある日一人の王族が聞いたんだ。そしたら…」

「そしたら…?」

「『私には神からのお告げが聞こえるのです。どんなものでも神のお告げによって造り方がわかるのです』と言ったんだ。」

「ふむふむ…」

「それからもこういうことは何度かあったと文献に乗っている。調合士も同じようにね」

「だから僕は神のお告げが聞こえると…?」

「そうだ!こんなことが起こるなんて奇跡としか思えないぞ!これは将来が期待できるぞ!」

「それは分かったんだけど父様……母様が…」

「え?ママがなんだって…?」

「すごい形相でこっちを睨んでます…」

「まじで…?」

「まじです」


母様は怒こるととっても怖い。後ろに般若が幻視できるぐらいだ。そんな母様がそこに…


「パ〜パ〜?勝手に持っていかないでってあれほど言ったわよね〜?」

「……ひぃ!」

「私、今から使おうと思ってたのよ〜?」

「母様!僕が悪いんです!僕がカルンがいいんじゃないかなって言ったんです!」

「あら?そうなの?」

「ふぅ……助かった…」

「で!も!勝手に持っていくのは良くないわよね?パパさん?」

「はいぃ!」

「これはお仕置きが必要かしら〜?」

「ごめんなさいぃ!」

「パパ〜こっちにいらっしゃ〜い?」

「………………」

「クリートはちょっとまっててね?」

「……はい」


父様のお顔がどんどん真っ白に…!

やめて!父様のライフはもうゼロよ!


そして廊下から悲痛な声が聞こえてくるのであった…


父様…あなたの勇姿は忘れません…!(※死んでないです)


「っと、そんなことはさておき薬の方はどうかな?」


父様のことは忘れて、薬の方に移ろう。「え!?もうちょっと何か思って「まだまだ反省が足りてないようね〜?」───イヤァァァァ!」


何か聞こえた気がするが気のせいだろう。うん。


「さてと、味見してみよう。改善する前の味知らないからなんとも言えないけど」


近くにあった小スプーンで少しすくい、手に乗せて食べてみる。


「うん。これなら僕みたいな小さい子でも大丈夫だし、効果も効くみたいだね」


何故そんなことわかるかって?なんとなくだよ!というか頭の中に出てきたんだよ!──『効果あり』って。


「うぅ……酷い目にあったよ…」


父様がボロボロになって帰ってきた。

……閉まっていく扉の隙間から母様の顔が満足したように見えた気が…?


まぁ、こんな家族だが実のところ親はラブラブなんだよ。ママとパパって呼び合ってるしね。


「おかえり父様。薬の味は大丈夫だったよ」

「もっと父さんをいたわってほしいな…ぐすん」

「父様なら大丈夫でしょう?もっと激しい時あったし」

「そうなんだけどさ……あの時は本当に命の危機だと思ったね…」


忘れもしない爆発事件の時だ…思い出すのも恐ろしい……うぅう…


「気を取り直して、味は大丈夫だったんだって?」

「うん。少し食べてみたけど、僕でも大丈夫なくらい苦味はなかったよ。前のを食べてないから比べられないけど…」

「そうか、それなら大丈夫だな。あれは食べなくてよかったぞ。父さんでもキツかったからな」

「父様がそんなこと言うなら正解だね。毒草食べてたし」

「あの頃はどうかしていたよ…………っと、話が逸れたな。子供舌のお前で大丈夫なら大人でも大丈夫だろう。問題は材料だな…」

「なにを使ってるの?」


食べてみた感じ大体わかるけど、あってるかどうかは不確かだから警戒を聞かせてほしいところだね。


「使ったものは……ラベヤ草、カラヅ草、ワノセム草、ベルトグ草、コメヌ草、ビゴスボ草とバネルイ草だね。あとカルン」

「なるほど……たしかにあまり手に入らない薬草ばかりだね」

「そうなんだよ。うちにたくさん買い込んであったからよかったけど、たくさん作ることのできる量もないからさ……悩みどころなんだよね」

「父様、もう一度薬を食べてみてもいい?」

「ん?別にいいが…」

「じゃあ…」


僕はもう一度薬を食べてみる。さっきは意識してなかったから効果があるかどうかしか分からなかったけど、今度は効果の詳細を気にしながら……あむ。


『解析完了。治療できる病気[風邪]。効果[600%]。副作用[なし]』


頭の中にこんな感じで思い浮かんできた。

すげ、こんなことまでわかるのか。


『報告。祝福《克服者のりこえるもの》による克服を達成。新しいスキル《質疑応答(Q&A)》を獲得』


ん?何か違うのも出てきたぞ?…………これは後でいっか。


「父様。これ、6倍に薄めても大丈夫だって」

「またお告げがあったのか!」

「うん…まぁ、そうだよ」


本当は祝福のおかげなんだろうけど、めんどくさいからお告げのおかげってことでいいや。


「よし。6倍ならこの鍋だけでも200個はできるぞ!」

「そうだね!」


父様が使っている鍋の大きさはなんかよくレストランとかでありそうな大きな寸胴だ。

それが八割ほど埋まっている。


「あとは薬の名前と入れ物だな…」

「名前はそのままでいいんじゃないの?サブラ薬とかで」

「まぁ、名前はそれでいいんだけれど…容器がな…」

「容器……作る?」

「作って…みるか?」

「魔法でなら簡単にできると思うよ。多分」

「そうか。魔法で作るという手が…」

「魔法なら任せて!」

「最近頑張ってるもんな。魔道書ばっかり読むようになって………父さんは嬉しいぞ!」

「あはは…」


体がちゃんと動かせるようになってから、僕は魔法の魅力に惹かれ、ずっと魔道書を読んできた。その成果もあって、今ではすべての属性の魔法の中級までが使える。


「父様、やるなら外でね?」

「あ、すまんすまん。そうだな、流石に中でやったらママに怒られるな」

「また怒られたくないでしょ?」

「ああ……ママにやっていいか許可とってくるよ」

「頑張ってねー!」


さてと、僕は必要な魔法を探そうかな。

なにを使ったらいいんだろう?


A.土魔法の『粘土生成クリエイトクライ』と『粘土操作キネティックサンド』、火魔法の『熱風乾燥』と『小火球ファイアボール』が必要です。


「え?なになに!?何これ!?いきなり頭に言葉が流れて…!粘土生成に……粘土操作?なんでそんな魔法が名前が…?」


粘土……ねんど?もしかして…


「これで小瓶をつくれって…?」


A.はい。


そうか!さっき手に入れた《質疑応答》の効果か!

もう少し詳しく聞けるかな?


『報告。スキル《克服者のりこえるもの》による克服を達成。ステータスの上昇を確認』


ん?また出てきた。これ、いったいどこが判定基準なんだ?これも聞けるだろし後でいいや。今は《薬学者くすりや》についてだ。


A.《薬学者》とは薬に関することならば作成以外なんでも出来ることができます。発案・記憶・改善が主なことです。


「なるほど─────作ること以外?」


A.《薬学者》とは、薬の知識を蓄え、使うことなので作ることには関することができません。ですが、《全調薬》があるので心配の必要はありません。


なるほど……とりあえず僕は薬に関することはすべてできるわけだ。それってすごくない?自分で選んどいてなんだけど、僕、ナイスじゃない?


自画自賛をしていると、父様が交渉から戻ってきた。


「よし…!許可をもらってきたぞ…!」

「さっきよりも汚れてない?」

「それはな……土下座したからだ!」

「誇らしげに言わないで…」


土下座を誇らしげにされても……ねぇ?


「とりあえず、すぐに取り掛かるぞ!」

「おー!」


よし!《質疑応答》で出てきた魔法を使って頑張るぞ!

爆発事件…さぁ、なにが起こったんでしょうね?どんなことが起こったのかは皆さんにお任せしますよ。幕間で書けることがあったら書きますけどね。


誤字・脱字がありましたら、その話数と訂正場所を描いてくださるとありがたいです。


感想などもぜひ!それではまた次の投稿で!


あれ…?寸胴って薬作るにはちっちゃくないか…?

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