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12/26

12.従業員としてのテスト

あらすじやタイトルが小説の内容と合っていなかったので変更しました。


これで多少はタイトル見た時に小説の内容が分かりやすいかな……?


僕は影野 狩人。絶賛高校生生活中の16歳だ。

僕の高校生活は友達も沢山できて最高!──と思っていた。

現実はそんなに甘くなかった。うちの高校は中学からの繰り上がり式だったのだ。中学校からいじめられていた僕は高校へ上がってもいじめられる日々。

親からも虐待を受けてそのせいで僕は人間不信になってしまった。

日々生きていくことに絶望しながら今日も頑張って生きていこうと決心した矢先、暴走したトラックに轢かれて僕は死んでしまった。目をさましたらそこは異世界『フュージ』という場所だった。

元根暗いじめられ人間の新しい人生が始まる!



僕は影野 狩人。絶賛高校生生活中の16歳だ。

僕の高校生活は友達も沢山できて最高!──と思っていた。

現実はそんなに甘くなかった。うちの高校は中学からの繰り上がり式だったのだ。中学校から病弱でいじめられていた僕は高校へ上がってもいじめられる日々。

親からは見捨てられ、頼れるのは叔母夫婦だけ。

日々生きていくことに絶望しながら今日も頑張って生きていこうと決心した矢先、暴走したトラックに轢かれて僕は死んでしまった。目をさましたらそこは異世界『フュージ』という場所だった。

元病弱いじめられ人間の新しい人生が始まる!


皆から必要とされていなかった僕、異世界行ったら必要とされて戸惑ってます〜元根暗人間の忙しライフ〜



皆から必要とされていなかった僕、異世界行ったら必要とされて戸惑ってます〜元病弱人間の薬屋ライフ〜


そして前の話で書いた後、ちょっと考えた結果Twitterにて更新を報告することにしましたのでどうぞよろしくお願いします。

自分のTwitterのケータイ版ページはこちら↓です。

https://mobile.twitter.com/kuekue_


パソコンの方は…分からん…


こういうのって載せてもいいのか心配…


7/22

改正

下級ポーション

下級ローポーション


中級ポーション

中級ミドルポーション

としました。

「よし、じゃあここで働くにあたって何ができるのか試していこうか」

「分かりましたにゃ!」


ここは『癒しの薬』の一階、一般的に薬を販売する部屋。


今、ここでは新しい従業員のテストを行っていた。


「じゃあ、シャマラさん。今から僕はお客としてこの店に入ってくるから、さっき教えたようにやってみれるかな?」

「が、がんばりますにゃ…!」


今からこのテストを行おうとしているのは元野盗の猫耳族ケットシーのシャマラ。


生まれ持った祝福ギフトのせいで帰る場所、家族を無くし、野盗にまで成れ果ててしまった悲劇の女性。


この家を襲った野盗の一味に属していたが、この件が初めての犯行ということもあり、許す代わりにこの店で働かせることにした。


カランカラン


「い、いらっしゃいませにゃ!」

「挨拶は合格っと…傷に効く薬は置いてあるかな?」

「こちらですにゃ!」


ドアを開け、店に客として入るとシャマラさんは挨拶、おじぎをして出迎えた。そして僕が欲しいものの概要を言うと、その物を置いてある場所に誘導した。


うん、教えたことはちゃんと出来てるね。挨拶、おじぎは徹底して教えたからこれは大丈夫だと思ってた。けど、薬の場所は適当に何ヶ所しか教えてない。しかも、今回僕が言ったのは教えたうちには入ってない『治療ポーション』だ。


だが、彼女は迷うそぶりもなく真っ直ぐに治療ポーションが置いてある棚に誘導してくれた。


「こちらが切り傷、すり傷などの小さな傷を治すことのできる下級ポーションですにゃ。となりには少々お値段が高くなっておりますが、大きな傷を治すことのできる中級ポーションも販売してますにゃ」

「お客の誘導と商品の説明も大丈夫だね。じゃあ、この下級ポーションを二つ貰おうかな」

「ありがとうございますにゃ!」


僕がそう言うと、シャマラさんは下級ポーションの瓶を二本取り、会計場所に持っていった。


誘導、商品説明共にそつなくこなしてみせてくれた。飲み込みの早いタイプみたいだね。


教えればちゃんと聞くし、繰り返しやればすぐに覚える。最初は失敗したりもしてたけど、すぐにそれもやらなくなっていた。


これはいい人材を見つけたんじゃないかな?


「でも残念。お客を一緒に連れてかなきゃ。ここは減点だね」

「ふにゃ!?忘れてたにゃ〜…」

「じゃあもう一度瓶を持って会計場所に移動するところからやってみようか」

「はいにゃ!」


こうやってミスをしていても、問題箇所を教えてあげてもう一度行えばすぐに直していた。


「こちら二本ですね、こちらの会計にどうぞですにゃ」

「うん。そうやってお客を誘導してあげて。常連さんなら分かってるけど、初めての人はわからない人の方が多いからね」

「分かりましたにゃ!」

「よし、じゃあ続けようか」

「はいにゃ!」


そのままシャマラさんの誘導に従い、会計場所へと行く。


ここからが難題だ。


「こちらの下級ポーションが二本で……うにゃあ…?」


シャマラさんが下級ポーションの瓶を持って悩んでいる。


こちらの世界には電卓なんてありゃしない。そろばんだって当然無い。こういう商売をしている人は基本的に自分の頭の中で計算をするしかないのだ。


さらに勉学を受けている者も少ないわけで、知識がない者が計算をしようとすると…


「えっと…?230ラリスが二つで……?」

「数は数えられるんだけどなぁ…計算がだめか」

「うにゃあ…」


こうなるわけだ。数は分かっても、計算という知識がないためにいくらか分からない。

中には数をうまく数えることのできない者もいるという。


魔法が発達してる代わりに科学や高度な知識があまり浸透していない。これはこの世界での一番の難題だ…


「これだけは慣れだからね。追い追いやっていこうか」

「ごめんなさいにゃ…」

「それじゃあ、会計が終わったとして次の手順は?」

「あ、はいですにゃ!薬が割れないように、特殊な箱に入れてお渡しする、にゃ!」

「うん、正解。その時にお客に注意喚起することは?」

「えっと…一度取り出したら、もう一度入れても箱の魔法の効果は無い…でしたかにゃ?」

「大正解!よく覚えてたね。なでなでしてあげちゃう!」

「う、うにゃ…や、やめ…」


正解したご褒美に頭をなでなでする。覚えたらなでなでというペースでやっていたので、撫でられる喜びを覚え始めている…


これは嫌がりながらも喜んでいるのだ…だってしっぽが…めっちゃぶんぶんなってるし…


ま、まぁとにかく。うちの店の箱には特殊な魔法がかけられている。その魔法は、中に入っているものに衝撃を与えないって効果。


基本的に薬やポーションとかは瓶の器に入れて販売するから、衝撃には弱いんだ。うちの箱にはそれを対策したものになってる。けどそれは一回のみの使い切り。悪用されないようにね。


どうやっているのかって?それは企業秘密ってもんだよ。誰かに聞かれちゃダメだもん。ここでは言えないよ。


たっぷりとなでなで、ついでにもふもふをし、満足をしたのでやめる。


「ふう。とりあえず、大方は大丈夫だね。まだ教えてないことはあるけど、接客は任せられるかな」

「にゃっ!ありがとうございますにゃ!精一杯、頑張りますにゃ!」

「うんうん。その意欲、大切にね」

「わかりましたにゃ!」


その時…


ぐぅ〜〜!!


「ひにゃっ!?」


シャマラさんのお腹が盛大な音を鳴らして響いた。


外を見れば、もう太陽は真上に登ろうとしている。


「もうそろそろお昼の時間か、ひと段落したし、ご飯でも食べようか」

「そ、そうですかにゃ…(ぐぅ〜!)ひにゃっ!?」

「あはは、それじゃあ急いで準備しないとね。どうやらお腹の虫は待ちきれないみたいだから」

「うにゃ〜……」


二回もの壮大な音を鳴らして、シャマラさんの顔は茹で上がったタコみたいに真っ赤になっていた。


これは早くしてあげないとね。


僕は台所の方へ行き、何か食材がないか探した。魔法冷蔵庫の中には色々、肉や野菜などが入っていたので充分に作れそうだ。


「ちょっと待っててねー。すぐにできるから」

「お気になさらさず…にゃ…」


僕は魔法冷蔵庫の中にあったもので簡単なものを何品か作っていく。


いや〜…前世の料理サイトが役に立つ日が来るとは…病気で寝てるのが退屈だからって見といて良かった〜…ほんと。


料理を始めて十分ほど、テーブルの上には四品の料理が出来上がっていた。


「ブルーニ産野菜とヤッチ鳥の炒め物とメンゲリ豚のポークチョップ、あっさり薬草スープにピット米の炊きたてご飯じゃー!」

「おおー!これはすごいですにゃ!」

「ちょっと久しぶりの料理で張り切っちゃったなー。さ、どうぞ」

「いただきますにゃー!」


そう言ってシャマラさんは料理に端を伸ばし、口に入れた。


「うにゃぁ……」


そしていきなりポロポロと泣き始めてしまった。


「え!?なになに!?どうしたの!?もしかして不味かった!?」

「ち、ちがうにゃ……こんなに美味しいもの、久しぶりに食べたのにゃ…感動してつい涙が…にゃ…」

「そんなに大変な目にあったんだよね。大丈夫、もうそんなことにはならないから。今はゆっくりと食べて」

「…………」コクコク


それからもシャマラさんはゆっくりとひとつひとつを味わいながら食べていった。もちろん僕も一緒にいただきました。ええ。


ん?いただいた…?そういえばさっき……


「ねぇ、シャマラさん。さっき『いただきます』って言ってたけど、あれは?」

「うにゃ。あれはウチの地域に伝わってる食前の祈りですにゃ。手を合わせて食材に感謝の意を込めて祈る。そう教わりましたにゃ」

「そうなんだね。いろんな祈り方があるんだね」


やっぱりだった…僕ら日本人のやり方だ。でもなぜ猫耳族がこの祈り方を…?


「なんでそのやり方が伝わったか分かるかな?」

「うにゃ…あまり分からないですがにゃ、遠い昔にある里に来た勇者様がこのやり方を皆に広げ、それが浸透していった。と小さい頃に聞きましたにゃ」

「勇者様…かぁ…」


勇者…もしかしてその人は日本人だったのか…?僕と同じように何かの事故でこの世界に転移、もしくは転生してきただとか…


とにかく、その里には一度行ってみたいものだね。将来的に。


そのことはひとまず置いといて、昼食が食べ終わった。


「それじゃあ、ほかの教えてない仕事も学んでいこうか」

「はいにゃ!よろしくお願いしますにゃ!」


そこからはずっと仕事のことについてシャマラさんに教え込んでいった。


薬の在庫、品出しの仕方、棚の配置など。基本的に必要なものは全部教え込んだ。


そして日が落ちてきた頃。ミザリーたちが帰ってきた。


「にいさまただいま〜!」

「お〜、お帰りミザリー。どうだった?今日は楽しかった?」

「はい!おともだちといっぱいあそんできました!」

「そうかそうか!外でいっぱい遊んだなら手をしっかり洗わなきゃね」

「はい!」


ミザリーはそう返事をして洗面台の方へ走っていった。


相変わらずかわいいなぁ……あぁかわいい…


「クリート様、こちらの方はもしかして…」

「ん?ああ、そうだよ。昨日捕縛してたうちの一人。訳ありだったみたいでさ。ここで働かせることにしたの」

「そうでしたか。クリート様がそう言うのであれば、その通りに」

「ありがとうリベネさん。あ、そうだ。この子にメイドの作法を教えてあげてくれないかな?」


リベネさんが僕の勝手でやったことに怒らず、逆に理解してくれる。


「と、言いますと?」

「この子、働かせるにはちょっと知識が足りなくてさ。読み書きはできるんだけど、計算がだめなんだ。だから常識とついでにどこに出しても大丈夫なようにメイド作法を覚えておいたほうがいいかなって」

「了解いたしました。それでは夜の空き時間などで彼女に教えておきますね」

「うん!ありがとう!」

「いえいえ。それでは私は夕食の準備をしますので、これで」


そうしてリベネさんは台所の方へ向かっていった。


残ったのは僕とシャマラさん。すぐにミザリーも戻ってくるだろうけど。


「みんな…おどろかないのにゃね…」

「ん?そうだなぁ。ここに住んでるとそういうことはもうあんまり感じなくなったかなぁ」

「一体いつも何が起こってるのにゃ…」


仕方がないよ。だって事実なんだもの。薬の調剤に失敗してなんか変な生き物ができたり、ここの評判を聞いてかガラの悪い人たちが押し寄せてきたりなんてしょっちゅうだからね。


逆にこんなに平和な日々なんてあんまりないんじゃないかな?


「にーさまー!あそびましょ〜!」


ほら、早速かわいい災害がやってきた。


「やー!」

「おっとと。いつもいきなり人に飛び込んじゃだめっていってるでしょ!」

「にいさまにしかしないもーん」

「それは嬉しいけど、危ないからだめだぞ。わかった?」

「は〜い…」

「わかったならこのお姉ちゃんが遊んで欲しいみたいだからいっぱい遊んであげなさい!」

「そうなの!?おねえちゃんとあそぶー!」

「……?………!?ウチのことかにゃ!?」

「わー!」


このかわいすぎる災害は僕の手には負えない。なのでシャネルさんに丸投げさせてもらった。


いや、構ってあげたいんだよ?でもね…僕があそぶとついやり過ぎてしまうから……ね…?


「や、やめっ!しっぽ触ん…にゃゃぁぁ!?」

「なにこれなにこれ!ふさふさ〜!」

「ちょっ…!そこはっ…!敏感なぁ…とこぉ…!」

「おもしろーい!」

「ふにゃぁぁぁっ……!」


oh…もうすでにシャネルさんがミザリーの魔の手に……思いのままにするミザリーもかわいい。


説明しよう!ミザリーは動物、魔物といった生命のあるものの触って気持ちがいいところ、敏感なところなどがたちまちわかってしまうのだ!(本人は無意識である)


なので、くすぐり対決で負けたことがないという謎の記録を持っている…ちなみに、僕も何度も負けている。


「ミザリーが充分楽しむまで我慢するんだ…!そしたら解放される…!」

「楽しむまでって…!にゃ…!いつまで…!くっ…!なのにゃ…!」

「うーん…そうだなー…一時間もすれば満足するよ」

「そんなの無理にゃぁぁぁ………………!」

「もふもふふさふさ〜」

「ぁぁぁ…………!」


そうして家の中に一人の猫耳族の悲鳴がこだまするのだった…


ちなみに、一時間経つ前に途中でリベネさんが夕食の時間だと呼びにきたので助かってはいた。


色々と我慢しきったようで、解放された時にはもう真っ白になっていたよ…

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