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11/26

11.もふもふゲットだぜ!

今回、文の途中で大きな期間間が空いてしまったのでおかしな点があると思います。

さらに結構な間、更新ができていませんでした本当にすみません。


こういう不定期作品ってTwitterなどで投稿報告した方がいいのかな…?次の話からTwitterでやるようにしてみますね。


7/22

訂正

《不幸なるアンラッキーガール

不幸なる者(アンラッキーガール)

ルビ振りミス多いなー…

昨夜の防衛戦が過ぎ、新しい朝が訪れた。


ある一室、二人の人物が寝ている部屋に一つの影が静かに入ってきた。


その影は窓辺に近づき……


シャ───!


「おはようございます。クリート様、ミザリー様」

「へぁ……?」

「むにゃ〜?」


カーテンを開けて朝日の光を取り込み、二人を起こした。


「朝ですよ。起きてください」

「は〜い、ふわぁ〜あ…」

「ねむい〜…」

「もう朝食も準備してありますから、お食べください」

「分かったよ、リベネさん…ほら、ミザリー。行くよ〜…」

「むぅ…」


起こされた二人、クリートとミザリーは眠たい目をこすりながら、一階へと降りていく。


二人を起こした影、リベネは二人が一階に降りていくのを確認するとともに、自分の仕事を始めた。


「ほら、顔を洗って。目を覚まそう」

「つめたいのやです〜…」

「毎日文句言わないの。顔を洗ってさっさと朝ごはんにしよう」

「はい〜…」


二人とも顔を洗い、目を覚まさせる。それにしても毎日毎日、ミザリーは朝顔を洗うのを嫌がる。


たしかに水は冷たいけど、これのおかげでいつもシャキッとできるから僕は好きだな。もっとも、前世は全然違ったけどさ。


食事の祈りを済ませ、朝食を食べ始める。


「おいしいですね〜!にいさま!」

「うん、そうだね。リベネさんが作ってくれるのは久しぶりな気もするけど、やっぱり美味しいや」


朝食はふわふわ卵のサンドイッチと野菜丸絞りジュースだった。


次々と口に運び、僕らはすぐに食べ終わった。


「おなかいっぱい〜」

「朝からちょっと多かったかもね。さて…ミザリー、今日は何する予定なのかな?」

「えっとね〜…おともだちとあそぶの!」

「そっか。じゃあリベネさんと一緒に行っておいで。絶対に危険なことはしちゃダメだよ?」

「はーい!」


僕は一応釘を刺しておく。リベネさんが一緒について行ってくれるだろうから、心配はいらないけど…将来のためにもね。


「それじゃ、二階に行ってお着替えしなくちゃね。ミザリーは先に行ってて、僕はお皿を片付けてからいくから」

「ミザリーもてつだう!」

「危ないから、いいよ。手伝ってくれるその気持ちだけで嬉しいよ」


ミザリーを褒めながら僕は頭を撫でてやる。


「うみゅ〜!ミザリー、おきがえしてかきます!」

「階段で転ばないでよ〜」

「は〜い!」


頭を撫でると、嬉しそうな声を出してから着替えるために二階へと上がっていった。


ミザリーとのすれ違いでリベネさんが一階に降りてきた。


「おはようリベネさん。今日の朝ごはん、美味しかったよ」

「ありがとうございます。それに片付けまでも。残りは私がやりますから、クリート様もどうぞ洋服をお着替えになさってください」

「うん、分かった。お願いするね」


残ったお皿の片付けをリベネさんに任せ、僕も二階の自室へと向かう。そしてリベネさんとすれ違う時に…


「あの三人の様子はどうだった?」

「今のところ反抗の意思は見られておりません。地下室にいますので、会うときはご注意を」

「分かった」


昨夜捕縛した三人の状況について教えてもらった。


そのまま僕は階段へ向かい、自室へと戻った。


「ん〜…む〜…どっちがいいかな〜…あ!」


自室のドアを開け中に入ると、ミザリーが今日着る服で悩んでいた。


ドアの開閉音でミザリーは僕に気づいたようだ。


「にいさま〜、きょうきていくふく、どっちがいいですか〜?」


そう言ってミザリーはレースのついたピンク色のワンピースとボーダー柄のシャツに短パンのセットを見せてきた。


「その二つで悩んでるの?」

「はい〜…きょうはそと、あついし、これがいいとおもったの…でもまよっちゃって…」

「そうだねー…ミザリーは今日、お友達とどんな遊びをする予定なのかな?」

「えっとね、えっとね〜…うーん…おそとあそび!」

「そっか、じゃあこっちの方がいいんじゃないかな。こっちの方が動きやすいからね」

「はい!じゃあこっちにします!」


僕はボーダー柄の服に短パンのセットを指した。外で遊ぶなら動きやすい服装の方がいいし、涼しくしなきゃね。


ミザリーが部屋で着替えてる中、僕はトレーニングウエアに着替える。まだ先に特訓しなきゃだしね。その後に私服に着替えるさ。


「できました!どうですか?にいさま」

「うん!似合ってるよ!かわいいかわいい」

「えへへ…」


着替え終わったミザリーがくるっと回ってこちらに見せてくる。


あぁ…やっぱりミザリーはかわいいなぁ…


「僕も着替えたし、とりあえず一階に行こうか」

「はい!」


ミザリーと手を繋いで一階に降りる。

その時にミザリーのカバンも一緒に持っていく。


「お待ちしておりました、ミザリー様。お支度はもうよろしかったですか?」

「うん!もう大丈夫だよー!」

「承知いたしました。では、行きましょうか」

「うん!にーさま!いってきます!」

「行ってまいります」

「いってらっしゃい」


ミザリーとリベネさんを見送り、姿が見えなくなったら僕も自分のことをやり始める。


「さてと…先に地下室に行こうかな」


昨夜、リベネさんに任せた三人の状態を確認するためにも僕は地下室へと行くことにした。


家の裏にある倉庫から地下へ繋がる階段を下り、保管庫、武器庫などいろいろな部屋の扉がある中、一つの扉を開け部屋に入る。


「一晩ではあまり変わらないと思ってたけど…これは意外だったな」

「う……うべぇあ……」

「あびぇ……びぇびゃ…」

「……………………」


部屋の中にはいくつかの大きめな檻が設置されており、その二つに彼らは入れられていた。


多分、リベネさんが何かしたのだろう。片方の檻に入れられている男二人は完全に頭が壊れており、もう一方の猫耳女性は二人の様子を見て檻の角で震えている。


「これはやりすぎだよ……」

「………………」ぶつぶつぶつ

「ん?何か言ってる?」


どうやら猫耳女性が小さな声でぶつぶつ何か言っているようだった。


「何なに…」

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」

「うわっ!?なんだ!?」


どうやら、極度の恐怖を植え付けられてしまっているようだ。


一体リベネさんは何をしたんだ…


「こんな状態じゃ話もできないよ。治さなきゃ。何かいい薬はあったかな〜…?」


僕はこの女性の状態を治すべく、薬を探しに倉庫へ戻った。


魔法で戻してもいいんだけどさ、それだと後遺症が残っちゃうから出来るだけ薬で解決したほうがいいんだよね。


「えっと〜…恐怖心に対して効果がある薬はっと…………あったあった!」


僕は倉庫の中の薬保管用の棚で使えそうな薬を探し、見つけた。


僕が取ったのは『ヘネロベニド』というラベルが貼られた瓶。


「ああいう人にはこれが効くんだよね。父様がよく言ってた」


ヘネロベニド。ニニブル果実とベンタン草か、作られた薬。これを飲むと、不安や恐怖などと言った負の感情を取り除くことができる。まあ、いわゆる精神安定剤だ。


その薬を持ち、僕は再度地下室の檻の部屋に戻る。


「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」

「ほら、これ飲んで」

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」

「ぬっ!このっ!薬を飲んでってば!」

「モガッ!ムグッ!」

「なかなかに大変だぞ…これは…」


どうにか薬を飲ませようにも、拒んできてなかなか飲ませることができない。


「こうなったら…!」


もう強引な手で行くしかない!


「《視界不能な手(ハインディングハンド)》!」

「ムガッ!?ムガガガガ!!」


僕はお茶を運ぶ時にも使った見ることができない手、視界不能な手(ハインディングハンド)で猫耳女性の口を強引に開かせる。


そして…


「ほらっ!飲んで!」

「ムゴッ!?ンガガ!」


ゴク…ゴク…ゴク…


薬を数錠と水生成クリエイトウォーターで出した水を流し込み、無理やり飲み込ませる。飲み込むのを確認したら、視界不能な手(ハインディングハンド)を引っ込める。


「…………………………んにゃ…」

「やった落ち着いた?」

「にゃ…」コクコク

「ふぅ…この薬、すごいぐらいに即効性だなぁ…助かったけど」


即座に薬の効果が現れ、女性の状態が治った。


「治ったばかりでごめんだけど、なんで君はあれほどにも恐怖をしていたのかな?」

「そ、それは…そこの二人が…」

「二人って、そこの完全に壊れちゃってる二人のこと?」

「うん…」

「それで君がああなった理由は?」

「あそこの二人が…メイドの人に歯向かって…それで…ああにゃっちゃって…」

「はぁ…やりすぎちゃったのか……これは後で要相談かな…」

「次は私がやられるのかと思って…それで…」

「恐怖で埋め尽くされちゃったと。ここに就くは一体なにやってたの…あの人は…」


それはともかく、この女性がなぜあんなにもなってしまったかについてはわかった。それに普段は語尾に『にゃ』がつかないことも


尋も……聞き取りを続けようかな。


「なぜ君がああなってしまったのかは分かった。じゃあ他の質問、なんで君たちはここの家を狙ったのかな?」

「それは……頭さんが貴族から仕事を貰ってきたからってにゃ…」

「やっぱりそうなのか…裏は取れた。それで、他には?」

「この家にはたんまりと金があるからって頭さんがにゃ…」

「へぇ…なるほどねぇ…」


野盗のお頭さんや、あんた、もうちょっと痛い目にあってもらうことになったよ。


「野盗になって初めての仕事がこんなのってにゃ…もういやだにゃ…つくづくだめだめだにゃ…」


……ん?初めての仕事?どういうことだ?


「ちょっと待って、初めての仕事?それはどういうこと?」

「うち…野盗になったのは最近なのにゃ…前は普通の生活をしてた町民だったのににゃ…」

「町民…?だったらなんで野盗なんかに」


普通の生活をしていたならば町民から野盗に成り下がることなんてないはず…


「うち…変な祝福もってるからにゃ…そのせいでにゃ…」

「変な祝福?」


そう言われたので僕はこの女性のステータスをのぞいてみる。


[名前:シャマラ 性別:女性 種族:猫耳族ケットシー 年齢:12

祝福:《不幸なる者アンラッキーガール》]


不幸なる者アンラッキーガール》?一体どんな効果なんだ?


『では説明しましょう』

(うわっ!?いきなり話さないでよ〜ビックリするじゃんか〜)

『すみません。それでは説明を始めます。《不幸なる者アンラッキーガール》とは、付与された者を圧倒的不幸にさせる祝福です。いわゆるハズレです』

(ハズレ!?祝福にそんなのあったらだめじゃないか!!一生もって生きるものだよ!?)

『ひどいものですね。ですが、祝福とはそのようなものなんです。マスターのように強い祝福もあれば、ペナルティーになるような祝福もあるんです。世界の均衡を保つためですね』


世界の均衡を保つためだからって…そんなの受けた人が最悪じゃないか!とばっちりすぎるよ!


「うちの祝福…何もかもが不幸になるんですにゃ…道を歩けば何かにぶつかり、ものを運べばそれを必ず落とすことになるにゃ…そんな最悪な祝福なんですにゃ…」

「不幸に…ねぇ」

「子供の時からそうでしたにゃ…小さい頃から小さい石でこけるし、木によく当たったりにゃ…」


それは不幸というより不注意なのでは…?


「それでも今までは大きなことはなかったのにゃ…今から一ヶ月前…うち自身で一番の不幸が降りかかってきたのにゃ…」

「それが、野盗になっちゃった理由?」

「そうなのにゃ…あの時、うちは外にお花を摘みに遊んでいたのにゃ…お腹がすいてきたから家に戻ってきたら……………にゃ」

「なるほどね。よく分かったよ」


あの時を思い出しているようで今にも泣きそうだ。これ以上話させるのは酷だろう。


「なぜきみが野盗になり、ここを襲ったのかについてはわかった。でも、これは許されないことだよ?」

「それは……分かってる…にゃ」

「衛兵に連れてかれて、奴隷落ちにだってなるほどだ」

「………………」

「それくらいのことをきみはやってしまったんだよ。もう文句は言えないよね」

「……………………」

「ていうことで、うちで働いてもらいます!」

「………………………………うにゃ?」

「ちょうど人手が欲しかったんだよね〜。見た感じ物分かりは良さそうだし、教え込めばすぐにでも戦力になるかも」

「ちょ…ちょっと待ってほしいにゃ!」

「ん?なーに?」

「うちを…雇うのにゃ?」

「ん〜…正確には違うかな。ここで働いてもらうのさ、賃金は無しでね」

「そ、そんなのって…」

「あれ?不満?衣食住に三食昼寝付きだよ!?」

「そっちじゃないにゃ!!うちを衛兵に連れてかないのかにゃ!?悪いことをしたんだにゃ!?なんでそんなうちを働かせてくれるのにゃ!?」


あらら。どうやら、説明が足りなかったみたい。僕の思ってることを言った方が早いかな?


「どうやらよく分かってないみたいだね」

「そりゃそうにゃ!こんなのわかるわけないにゃ!」

「う〜ん…じゃあ、確認しながら説明しようか。まず、きみは野盗として初めての仕事をここへしにやってきた。これはいいね?」

「うにゃ。これは自分自身のことだからわかるにゃ」

「だけど、失敗して捕まった。今この現状のことだね」

「うにゃ」

「だから、僕はきみをここの店で働かせる。分かった?」

「わかるかにゃ───!」

「え〜…」


なんで分からないの?わかるでしょ?ねぇ?分かるよねぇ?そこのきみ。


「ぜんっ…ぜん!わからないにゃ!」

「なんで?」

「こっちが聞きたいにゃ!なんでうちが捕まって!そこからここの店に働くことになるのか!そこを詳しく話すのにゃ!このままじゃ全く意味がわからないにゃ!」

「あ、そういうことか。なるほど、そこには気づかなかった」

「普通気づくにゃ!?なんで逆にそこを気づかないのにゃ!?」


にゃーにゃーにゃーにゃー、全く…うるさいにゃー………うつった。


「じゃあ要件通り、説明しよう」

「そこを聞かせてほしいにゃ!」

「まず、きみは野盗。そしてここを襲おうとした。そして失敗。これはさっき言ったよね?」

「そうにゃ。そして問題がつぎにゃ」

「なんでここで働かそうとするのか、それは……」

「それは…………?」

「……………………もふもふが好きだから!」

「…………はぁ?」


えっ…ガチトーンで返された…ショックぅ…


もふもふいいじゃん…前世ではもふもふだけが癒しだったんだよう!


「わかんない!?もふもふだよ!?もふもふ!」

「わからないし、分かりたくもないにゃ!そんな適当なことより!本当の理由を言えにゃ!」

「これも理由の一つなんだけどなぁ……」

「はーやーくーいーえーにゃー!」

「本当の理由は、まあ、簡単に言うとチャンスを、あげるってこと」

「チャンス…にゃ?」

「そう。きみが野盗としてここを襲った事実は変わらないけど、実際、こっちに被害は出てないし、許さないと思ってない。だからもう一度、野盗をやめて生活するチャンスをあげようかなって」


僕はそう彼女に言った。


だって…あんなこと言われたらかわいそうだし…?被害は微塵も出てないし…別に怒ってもないし…何よりあのもふもふが良いし…


「チャンス…うち、元の生活に戻れるのかにゃ?」

「元にとは言えないけど、ここで働く分にはきみの身柄の安全や衣食住は保証するよ」

「……………………」

「どうしたの?やる?やらない?」


彼女はうつむいて黙り込んでしまった。考えているのだろうか。


「……やるにゃ」

「え?聞こえなかった、もう一回言ってー

「うちはここの仕事をやるにゃー!」

「うん。今度はよく聞こえた。ようこそ!『癒しの薬』へ!」


これで従業員が一人増えた。実のところ、一人でこの薬屋を経営するのには不安があったから、人材を確保できてうれしい。


とりあえず、これからの説明といろんな準備だ。今日は忙しくなりそうだなぁ…

期間が空いてしまい、申し訳ありませんでした。次回は2週間以内に仕上げて上げようと思っておりますが、書き上げる予定が全然見えませぬ…


ヤベェよ…もう一つの作品も毎週金曜なのに上がれてねぇよぉ…

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