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1.僕、死んだ。(プロローグ)

えー、はい。誠に勝手ながら作らせてもらいました自分の二作品目です。不定期更新ですが、楽しんでいただけると幸いです。


誤字・脱字があった場合はコメント欄にその話数と訂正場所をかいていただけるとありがたいです。


感想・コメントを書いてもらえると作者が嬉しくて早く書けるかも……?

僕は死んだ。


いきなり何を言っているんだと思う人もいるだろう。そうだなぁ…まずは自己紹介をしようかな。


僕は影野かげの 狩人かりと。高校生だよ。


じゃあさっきの言葉について説明していこうか。


さっき言った通り、僕は死んでしまった。横断歩道を渡っていたら暴走したトラックにはねられて死んだ。即死だったそうだ。まぁ、ろくな人生じゃなかったから別に思い残すことはないけどね。


え?死んだのになんでこんなにも会話しているのかって?それは───


「それで、お決まりになりましたか?」

「いえ、まだです…」


──俺はこの目の前の女神に転生させらそうになっているということだ。


俺はトラックにはねられ死んだあと、この何もない真っ白な空間に飛んできた。


これはどういうことだと辺りを見回していたら、目の前に光の粒が集まり人の形になったのだ。あ、色はただ白色に少し黄色を混ぜたような色であって、体形から女性と判別できるのがやっとだった。


俺が「何だこれ…」と思っていると、相手から、


「あなたは不慮の事故により、死んでしまいました。私はあなたのような若くして命をなくしてしまった人に新しい命を授けることを仕事としています」

と言われたんだ。


いやもうその時はびっくりしたよ。いきなり変なところに連れられてさらに死んだと告げられるんだよ?びっくりしないわけがないじゃないか。それから…


「本来であればこのままあなたがいたの世界でもう一度やり直させてあげたいのですが、今あなたがいたの世界は生命が多すぎるのです。残念ですが、あなたのいた世界には戻してあげることができません」


それから僕はやっとこさだんだんと状況が飲み込めてきて、どんな結末になるかがわかってきたんだ。


僕、部屋にこもってることしかやることがなくてね、ネット小説とか色々読み漁ってたんだよ。だから大体次に言われることがわかってきたの。


「そこで私たち神々が相談した結果、あなた達を異世界に転生して差し上げることにしました。あ、でも、嫌でしたら輪廻転生の輪から外れ天国へと導いてあげることもできますよ?どうしますか?」


そう、よくネット小説である異世界転生だ。しかもさらっと神々とか言ったので目の前の人(?)が女神だとわかったのだ。


そして今につながるというわけ。ね?これで僕が最初に言っていたことの意味がわかったでしょ?


つまり今、僕は生命としての分かれ道を選ばされているわけだ。


「もうそろそろ決まりましたか?」


さっきからこの女神、急かしてくる……

異世界かぁ…きっと怖いモンスターとかがウジャウジャいるんだよな……でも、ちょっと興味もあるんだよな……


「まだですか?決まりましたか?どうしますか?」


ちょっとウザい…

しかもだんだん近づいてきてるし…


あ、やめて!まぶしい!眩しいから!


仕方ない…もう決断するしかないかな……


「決めました…」

「決まりましたか?では、あなたはどうしたいですか?」


あ、そこ改めて聞くんだ…まぁ、いいや。答えは変わらないしね。


「僕は、異世界に行きたいです!」

「分かりました。では、あなたには神の祝福ギフトを授けましょう。この中から好きなものを二つ選んでいってください」

「祝福?」

「はい。あなたには記憶を残したままあちらへ転生してもらいます。その方が何かと都合がいいので。それに伴い、あなたには先天的な特別のスキルを授けます。転生した世界ですぐに死んでしまわれてはこちらとしてもめんどくさいので」

「はっきり言うなぁ……」


もうちょっとさ、オブラートに包もうよ。そんなこと言われたら言われた方もへこむよ…


「なのであなたには強力なスキル、『祝福ギフト』を獲得してもらい生存率を上げるのです」

「そこまでするほどあっちの世界は過酷なんですか…?」


行ってみたい興味はあるけど、そこまでひどいってなるとちょっと気がひけるな…


「あなたのいた世界よりはまだましだと思いますよ。魔法もありますし」

「そうなんですか?」

「(まぁ、危険な生物はいますが)」

「え?なんて言いました?」

「何も言ってませんよ?」

「そうですか…?」


何か大切なところを隠された気がするが、気のせいだろう。大丈夫だよね…?


「それでは選んでください。決まったら呼んでくださいね」

「あ、どうも」


俺は女神から渡された資料をもとに欲しいものを選んでいく。


いろんな種類があるんだよな……300ぐらいあるかな?


「これもいいし…あ、これもいいな。う〜ん…迷うなぁ…」


僕はどれも良いものばかりで選ぶことが出来ないでいた。かれこれ30分ぐらいこうしている。


だって、特別なスキルだよ?自分しか持ってないスキルになるかもしれないじゃないか!そんなもんじっくり考えたいに決まってるよ!


「連絡がないので聞きにきましたが……まだ決まってないようですね」

「すいません…」

「そうですね、ここまで決まらないとなると…本来はダメなんですがあなたの転生先を教えます」

「え?良いんですか?」

「このことは絶対に内緒にしておいてくれるならば、教えましょう」

「分かりました!誰にも言いません!」

「……本当のようですね。いいでしょう、教えます」


いいでしょうって何を確認したんだろう?


「あなたの転生先は…『クルガ』というそこそこの大きさの村唯一の薬屋の息子として生まれる…ということになっていますね」

「薬屋か…」


僕は昔から人よりも病気にかかりやすかった。その度に薬やら点滴やらをよく使うから自分でも勉強するようになったんだ。だからちょうどいいと言っても過言ではないと思う。


「これで決まりそうですか?」

「はい!あとは自分の考えている祝福を探すだけです!」

「では、決まったら呼んでください」


そう言ってまた女神は僕の前から消えた。

よし!頑張って探すぞ!


それから僕は必死に探した。僕の思っていることに合っているスキルを。


そして探すこと10分…


「あった!!」


僕はついに探していたものを見つけることができた。その祝福の名前は──


「やっと見つけた!《薬学者くすりや》!それに《全調薬》も!」


──《薬学者》と《全調薬》だ。


この二つは薬に関することに特化したものだ。


薬学者くすりや》はすべての薬についての知識を得ることができ、そしてその得た知識を忘れることがなくなるというもの。


《全調薬》は薬の製造を材料と道具があれば完全にこなすことができるようになるというものだ。


この二つを組み合わせることで完全に薬に特化することが出来る。これなら作れない薬はないだろう。


この二つで決定だ!


「呼ぶってどうすればいいんだろう……?とりあえず呼べばいいのかな?女神さ〜ん?」

「はいはーい。呼ばれて飛び出て女神さんですよ〜」


何だその古いアニメにありそうな出てきかたは…


とりあえず、報告しなきゃ。


「お決まりになりましたか?」

「はい!この二つにしました!」

「《薬学者》に《全調薬》ですか。たしかに薬屋の家に生まれるならちょうどいいですね。分かりました、この二つをあなたに授けましょう。それっ」


女神がそんなことを言うと、僕の足元に青い魔法陣が出現した。


これで転送するのかな?だとしても少し派手だな…


出現した魔法陣はアニメで見るようなものだが、極大魔法のような複雑で細かい線や文字がたくさん入っていた。何これすげぇ…


「来世ではいじめられないといいですね。それでは転送します…」

「はい!頑張ります!」


突然出てきたが、そう。僕はいじめられっ子だったのだ。いじめ、虐待のせいで人間不信になる程だった。


来世こそは絶対にリア充入りしてやる!


僕は女神から渡された資料を握りしめてそう決意する。あれ?なんか3枚あるような…?


「転送シークエンス開始……それでは頑張ってくださいね」

「え、あの、なんか持ってる紙が多いんですが!?」

「え?ちょ、まじで?あ、やば…」


そんな女神様の慌てる声を遮って転送が開始した。


「これどうすれば!?」

「仕方ないです……もう持って行ってください。もう戻せませんから…」

「え?いいんですか?」

「はぁ…このことは先ほどの件と合わせて絶対に他言しないでくださいね!あぁ…もう…他の神になんて言えば…」

「大変ですね…」

「あなたのせいなんですけどね…まぁ、新しい命をしっかりと生きてくれればいいです。逝ってらっしゃい」

「不安だなぁ…」


ちゃんとしたところに生まれることができるといいんだけど…けどまぁ、頑張らなきゃな!


「いってきます!」

「あなたの新しい命に幸運があることを……あぁ…言い訳考えなきゃ……」

「しまらないなぁ…」


その言葉を最後に僕の意識は真っ黒になって行った────



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