後輩ちゃんすこ!!!
8話
少女からも、ボアからも逃げる俺だが気づいたことが1つ。俺、めちゃ早くない?
リアルで100mしている時よりも何倍も足の回転が速い。速過ぎて残像が見えるまである。
「い、いやーー!!追いつかれ
「バウッ!!!」
……どうやら死んだようだな。まあ、ゲームだし死ぬこともよくあるだろ。
てか、復活するときって何かデバフとかかかるのかな?まだ全然わかんねぇな、このゲーム。
「はぁ。俺を助けてくれる青いタヌキ的な万能補助できるサポートが欲しいな。
まあ、少女に対して頼るなって言っておいてあれだけどね。どうせ俺はぼっちで、そんな友人ができるわけもない。」
【全知全能を発動】
MP1000億を消費して、スキル作成を行いますか?
YES or NO
え??なんかやばいことが起きてることはわかる。わかるがわからない。うん、口が回らないほどには焦るわ!
MP1000億?多過ぎだろ!レベルアップ前の MPフルだよ!!……レベルアップ後のステータスはこわくてみてないけどよぉ!
全知全能スキル。まさか、俺の願うスキルを大量のMPを消費することで作成できるのか?だとしたらチートすぎるが、おそらくMP不足で発動できねえよ!!!
しかし、これはゲームだ。ゲームは楽しくやるのが一番!やってみよう!
覚悟を決めてはみたものの、未だ止まる気配を見せない体から力を振り絞り、精一杯の声で叫ぶ。
「YESだ!!!!!」
スキル【€£$*#} @&. ?】を獲得しました。
……なんだよ、これーーーーー!!!!!
ーーーギリシア運営チームーーーー
「いやー、順調にゲームが進められているなぁ。ほとんど問題は起こっていないし、いいじゃないか。」
「そうですね、先輩♪これも、AIと共同でゲーム管理しているおかげですね。」
「だよなぁ。実際、細かいデバッグであったりもやってくれて負担少ねえよ。7:3の7もやってくれてるわけだし。」
「まあ、大きなイベントであったり企画に関しては私たちがやっていますけど。」
「それはそうだろう。あくまで俺たちのゲームだからな。それはそうと、イベントの布石、順調にいってるかねぇ。」
「あれは先輩、鬼畜ですよねwアカ作成終わってすぐにボアに殺させるなんて。」
「いい練習になってるだろう。1回戦ってみるのも、逃げて街で共感に教わるのも個人次第だ。」
「違いますよぉ〜。そりゃ、戦いが下手な人は死ぬかもですけど、ボアは基本複数人で戦えば初見でも勝てる人は勝てます!
私がいってるのは黄金のボアのことです!」
「ああ〜、はいはい。あれね。あれは演出だよ。突然恐ろしい、格が違うボアに殺される。そしてそれが噂になり、ゲーム後半のイベントに関わってくるんだよ。」
「魔物の王の一角だからね。鑑定持ちならわかるだろうけど、ありゃあ別格だよ。
ちゃんと噂になって、しばらく時間が経った後にあのボアを弱体化させるクエストを発動するっていう手はずだから。」
「先輩は悪い人ですね〜。」
「これもゲームを面白くするためだからな!」
「そろそろ何人かがゴールデンボアに倒されて噂が流れているところだろう。確認を取ろう。特別管理室に行ってくる。」
「行ってらっしゃ〜〜い、先輩!」
「はいはい、お前も作業続けておけよ。」
「ぇっ!?……は、は〜い、もちろんですよ!」
……サボる気であろう後輩を置いて、俺は特別管理室に向かうため、腰痛対策の高級チェアーから鳴る軋む音を聞きながら立ち上がり向かった。
【ユートピア管理AI ノア】
それは圧倒的な情報量のゲームユートピアを7割管理している存在である。
ストーリーに関わる少数の大きなイベントを除き、クエスト作成からモンスターのポップまで管理しているゲーム内の絶対的な存在である。
そんな、ユートピアというゲームにおいて重要な存在は、社員の中でも一部のものしかノアについては知らない。存在は知っていても、漠然とすごいAIがいるという程度の認知なのだ。
そんなノアの本体は会社の地下に位置している。
普段は開けられることのないためか、どこかダンジョンのボス部屋を前にした時のような、重苦しい雰囲気を漂わせている扉を開き、俺は中に入り叫ぶ。
「おい、ノア!イベントの進捗度合はどうだ!ゴールデンボアは張り切っているか!」
《現在、当初予定されていたゴールボアの存在はユートピアにはありません》
「ああ!?何行ってるんだ!何かバグでも発生したのか!」
《いえ、バグではありません。》
「はあ?じゃあなんだよ。まあ、出だしは重要ってことであれだけ準備したし、お前もいるんだからバグはありえねえか」
《ゴールデンボアは討伐されました。》
「…………はぁ???」
個人的に、あざと可愛い後輩ちゃん好きです。
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