モンスターとの遭遇
俺の宣言が野原に広がる。
思ったよりも大きな声が出てしまった。
…いや、冷静になってみると、叫ぶとかかなり
恥ずかしいな。よし、まずは落ちつく!
冷静であることが、ぼっちの良いところだからな。
そうだな、スキルの確認でも……
ドカドカ ドカドカ
ん?なんの音だ?
ドカドカ ドカドカ
……うん、やっぱり聞こえるな。
そしておれは、反対方向を見て……
ヴォォォォーーーー!!!
「イノシシ来てるーーーーー!!!!!!」
おい、どうするんだよ、これ。凄いスピードで来てるぞ。てか、凄い輝いているのだが!
ピカピカの金色をしたイノシシなんだが!
もう残り50m付近⁉︎やばい、スキルを見る時間も
ねぇ。いきなり死ぬのかよ!!
――そうして、金色のイノシシと俺との距離、
残り10m程度。もう、当たるという瞬間……
ヴゥモ⁉︎⁉︎
ガン!!!!という、まるで壁に勢いよくぶつかったような音とともに、イノシシは声をあげた。
へ?なんだ、助かったのか?
イノシシは勢いよく、その後もこちらに向かって
タックルを続けている。しかし、何度も見えない壁にぶつかるかのように、俺に触れることはない。
冷静になって考える。おそらく、チート能力の
どれかだろう。まずは、種族について深く知りたいと願う。すると、文字が浮かぶ。
種族:神・・・神。頂点に立つ種族。その周り
には、半径10mの不可視の防御壁が広がる。
悪意、害がある攻撃、ものを通さない。
防御壁の大きさは任意で変幻自由。
耐久値があり、それを超える攻撃では
壊されてしまう。5分経過後に自動修復。
うん、チートすぎるわ!いや、強すぎる!
ただ、耐久値がわからないのが怖いな。
どの程度なのだろうか。
ただの攻撃の場合、筋力値10万以上で壊れます。
おお⁉︎神眼の力か。便利だな。しかし、10万か……
この世界の平均がわからないが、アバター初期値が
10であることを考えると、無敵だな。
ガン!ガン!ヴゥモーーー!!!
めげないな、このイノシシ。なにか、攻撃手段は
あるのかな?
……いや、俺の筋力、1000億だ!!!
いやまて。落ちつくのだ、俺。このイノシシの
HPがかなり高い可能性もある。なんか輝いているし
かなり強い可能性もある。
まずはステータスを見よう。
名前:ゴールデンボア
レベル:526
種族:ボア
性別:オス
年:240
HP:600000
MP:10
筋力:40000
魔力:10
運 :500
スキル: 突撃・ホーンタックル・剛力・キング
称号:ボアの王
強者のステータスなんだが⁉︎いや、でもステータス値は弱いな。なんだ?ただの見せかけか?
俺はバリアを小さくして薄さ0.5mmにした。
当然ボアはこちらに向かってくる。
まあ、いいよな。ゲームだし。死んだら死んだで。
いっくぞ〜!俺は拳を振った。
バン!!!!!
音とともにイノシシは死んだ。
そこには、拳を前に突き出した俺と、見るのも
躊躇うほどにバラバラに弾け飛んだ、イノシシの
肉片があった。
お読みいただき、ありがとうございます。
作者の励み、投稿意欲が湧きますので、
ブックマーク、作品のポイント評価をお願いします