焼雪
よろしくお願いします!
昔、、10歳までは温かく家族愛のある平和な家庭だった、祝日は家族全員で遊んだりして楽しかったことを今でも覚えている
村の人達も優しくよくお菓子をもらって父と一緒に食べてよく母に叱られていたなあ、今は思えば思うほどあの日々は綿飴のように溶けてもう戻れない時間だと自覚させられる
あの頃の自分はその平和な日々がいつまでもつ続くと無意識ながら思っていた様だ、、、、
そんなわけが無い事はあの日が証明してくれた、、、、
、、、、、、、、、、、、、、、、人生には一度“転”が訪れる、
11歳になって3ヵ月が過ぎた頃の寒い冬の朝、村の中央に大きく白い禍々しい槍が垂直に突き刺さり
槍を中心に直径1800 メートが“白い炎”につ包まれた、
“白い炎”は村中に瞬く間に広がり、僕たちの家も飲み込んだ
父は仕事に行っていて家に居ず家には僕と母と妹だけがいて、家の外に逃げようとドアに向かった時、
一つ大きな光がして僕らの視界を奪った、
気ずいた時、周りは火の海で、熱が足先まで迫っていた、
家の下敷きになったのか身動きが取れず、その時始めて本物の恐怖を感じたこと覚えている、
死の恐怖でわなく、ただただ動けないという本能的な恐怖だったのだろう
僕の理性は簡単に砕け散った、
逃げ惑う人々の「家事だ!」「焼け死ぬぞ!」「逃げろ!!」という叫びに
パニックになり必死になって助けを呼んだ、叫んだ、、すると家族を心配して戻ってきたのか
お父さんと目が合った、
そのとき僕は『これで助かる、お父さんが助けてくれる!』と思った、嬉しかった、
父は一生懸命になって僕を助けようとした、頑張って近付こうとしていた、
僕も必死になって父の方へいこうとした、体感では一時間、現実では2分がたったころ
父が目から涙を流した、目を閉じ顔をくしゃくしゃに歪め、
手を止めた、
お父さん?お父さん?!何かが起ころうとしていることが直感でわかった、だから何度も叫んだ、
それでも父は手を動かし始めることはなく、、、
、、、、、、、、、、、、、、、、、、「すまない」、、、、、、、、、、、、、、、、、
父はその場から後ろを向いて走り出した、、
頭が真っ白になった、
途中父は何度も足を止め僕を見ては顔を歪めそれでも足は止めずに炎のない方に走って行った
何も考えることが出来ずそのあと何をしたか覚えていない
気がつくと僕は家から這い出ていた、
まるで”魔法“の様に、、、、
右足の腿は白く焦げていたがその時は気にもならず無意識に歩いていると、、父がいた
、、正確には家族が、、
僕は何も言わず近ずく、父と目が合って父の顔が歪むが目を逸らして、、、、、
もう少し近ずいた、母が気ずき僕を抱きしめた。
あとは何もかも曖昧だった、
ただ人や木が焼けたどこか香ばしい匂いだけが僕の鼻にこびりついていた、
空には雪が、、、降っていた、
この話の何が残酷だって?決まっているでしょう?、
父の不幸は見捨てる覚悟を決め、その見捨てたひとが眼の前に現れた、、、
そしてそれが自分の子供だったこと、そしてその子とまた暮らさないといけないこと、最後にもう元の関係には戻れないということ
子の不幸は家族として好きだった父に見捨てられたこと、
それによって愛を信じれなくなったこと、
二度と家族になれないこと、愛情に飢えるであろうということ、、、、、、、、
デルフィナ王国の首都フィナその中心部に位置する建物のとある一室、
冬の寒さも感じさせないほど暖かい部屋、その奥に位置する机の横に立っている一人の少女が口を開く
「パノス様、これで本当によろしかったのですか?」
「下手に覚醒させてしまえば、『覇連合』の介が、、、、、」
「それに、、、、、、、」
首に首輪がついている金髪の少女が尋ねた人物は立ち上がり,どこか楽しそうに彼女の髪を撫でながら
「本来の目的は達成したよ?あとは『titty』にまかせるよ。」
「まだ彼の前に『ラルク』が現れることが決まった訳じゃないしね」
「それに『覇連合』は一つ大きな誤解をしている、まだ僕達のほうが優位に立っているよ」
とだけ言い残しまた手元にある書類を読み始めた、
(生まれながらにRT5,stage lを持つ少年か、、、、面白そうだね、)
「それにしても親が子を助けないなんて、“運命”だとしても残酷だね」
呟いた言葉は、暖かい炎の音にかき消された、
のちにこの事件は「テルマ村の悲劇」として語り継がれることになり
あの日天より飛来した槍は『寂寥の槍』と呼ばれる第8の「廃歴の遺物」である、
その槍は現在見つかっていない、一説にはあの日力を使い果たして消滅したとも、いわれている、、、
少年の名前をレネ、クーノ
後の世に波乱を巻き起こす台風の中心になる人物である、