帰宅
翌日。後片付け、荷物の整理、施設の人々に感謝、挨拶を交わして一郎達は地元へと帰るべく電車に乗っていた。
昨夜と引き続き全員の様子のおかしさは変わらないままであった。唯一いつも通り、正常なのは一郎だった。そんな彼は全員の様子を見て、違和感を感じ1人困っていた。
そう言うと彼もこうして1人困っているためいつも通り、正常とは言えない。
結果、全員がおかしい中の電車の空気の悪さは言うまでもないだろう。
電車を降りると駅前で解散となった。雨流は藤田と。笹口は江利川と一緒に帰っていった。残された一郎と羽山だが、一郎は疲れたため、一目散に家へと向かおうと羽山に別れを告げた。
まだ昼前の時間、1人歩きながら今回のキャンプでの出来事を1人思い返す一郎。
まず、雨流からの告白。
結局なぜこんな俺を好きになってくれたのか詳しくは聞けなかったけど驚いた。
次に江利川から藤田への告白。
よく分からないが江利川は怒っていたし、藤田も気にくわない顔をしていた事を察すると多分よくない結果であったのだろう。
それから羽山と峻輝。
この2人には何かがあったに違いない。
峻輝があんなに変なのは羽山と接触した後だった。今度聞いてみよう。
と考えていると気づけば家の近くまで来ていた。
近くの公園に視線を向けるとそこには砂場で無邪気に遊ぶ子供達とそれをニヤケながら見ている女子高校生がいた。
少し危なそうな現場を目撃したため一郎は公園に寄り道する。
「ウヘヘ。……いやー…私はこの瞬間のために生きてたんだよ…!」
「おい。昼間から何やってるんだよ渚。」
「うわっ!ビビったー!なんだいっちゃんか。…危ない。」
その怪しい女子高生はもちろん小田切だった。それもそうだ。彼女は一郎の家の隣。その近場の公園くらい守備範囲になるだろう。
「声をかけたのが俺じゃなく、警察だったら事情聴取されるレベルだよなこれ。」
「大丈夫!その時は全部正直に私がどれだけ幼児が好きかを警察の人に伝えるわ!」
「それ大丈夫なのか…。」
「そう言えば、いっちゃんその荷物どうしたの?どこか行ってたの?」
「ああ、ちょっとキャンプにな。」
キャンプで色々ありすぎて疲れが溜まっている一郎はさすがに元気にその言葉を言えなかった。
「へぇ〜、いっちゃんも大変そうだね。私も夏休みくらいどこか行きたいなぁ。」
「なんだよそれ。俺はお前の方がもっと夏休みを充実してるものかと思ったよ。ほら、お前ってクラスの学級委員だし、顔も広い方だろ?」
「そりゃ、プールとか買い物はもちろん、映画やボーリングとかには誘われるけど、まだ県外に出てないのよ。もっと知らない景色や空気を堪能したいって感じ。」
「おいおいおい?何?俺を煽ってんの?」
理想に思いを寄せて語る渚に対し、一郎はとても感情を表に出していた。
「そうなってくると…やっぱり温泉巡りが1番いいわよね…!露天風呂で外の冷たい空気を感じながらあったかい湯船に浸かる…。ウヘヘ。」
「まぁ、裸の幼女を湯船に浸かりながら眺めるのがお前の本当の狙いって事は置いといて。露天風呂なら俺も昨日入ったぞ!…ふふっ!いいだろう!」
「えー、ずる〜!」
近場の公園で出会った幼馴染と話す会話はなんとなく昔を思い出す感じがした。
昔と今ではとても変わってしまった小田切だが、喋り方や素の性格は変わってなかった事に一郎は安心した。
「さて、そろそろ俺も家に帰るよ。渚はまだここにいるのか?」
「じゃあ、せっかくだし一緒に帰ろ!」
そう言って2人は仲良く自宅へと帰宅したのであった。
今回も遅くなってすみません。
遅くなっても読んでいただいている方、ありがとうございます!
これからも本作をよろしくお願いします!




