発見
a.m.7:30
一郎は珍しく学校に早く来ていた。
友達がいないのに?と誰もが思うが
彼は昨日見た夢に出て来た羽山が言った
《「多目的1号室」の1番後ろの窓側の席の机を見ろ》
という事を確認するためだ。
彼が夢で羽山と会話したのは空想だが、現に彼女は存在する。完璧女子として。
そんなパーフェクト女子が夢に出て来て、会話までしたのだ。ちょっとは信じたくなったのだろう。
そんなこんなで一郎はその多目的1号室に到達する。扉を開け、席を確認する。
「あそこか。」
と呟き、そこへ向かう。
そしてその席の前に立ち、机を確認する。
しかし、机の中を覗くが何もない。
「……ふっ。やっぱり夢か。」
と、諦めて帰ろうとしようとした時だった。
「……ん?」
机に小さく文字が書かれていることに気づく。
それはこう書いてあった。
《御機嫌よう。このアドレスに返信をよろしく。コードネーム『8800』》
という文章の隣ににアドレスが書いてある。
「……ま……まじかよ…。」
夢のはずなのになぜかそこには夢の羽山が言っていた事と繋がる事が書いてある。
正夢とまではいかないが、正夢に近い夢を見た。
そう思った一郎は、なぜだが鳥肌が立った。
とりあえず、速攻でアドレスをメモり、速攻で多目的1号室を出た。
自分の教室目掛けて廊下を走る。
「ハァハァハァ…。今日から…今日から何かが変わる!そんな気がする!」
そう呟く彼はいつもより何だか温かく感じた。
1日はあっという間に終わり、帰宅した。
「ただいまー!」
テンションが上がっているが、靴はしっかりと揃える。
「あら?お帰り、どうしたの?ご機嫌じゃない。」
と、母が返す。
「ちょっとね!」
と言い、階段を駆け上がる。
自分の部屋に入ると、椅子に座り、スマートフォンとメモった紙を取り出す。そして、メールアプリを開き、アドレスを入力し登録する。
すると、「8800」というアカウントが出る。
そのアカウントを友達リストに入れ、
メッセージ送る。
『こんにちは。学校のメッセージを見たものです。』
と、すぐに返信が来た。
『こんにちは。返信してくれると思いましたよ。急ですみませんが、私はあなたの事を知っています。どんな人なのか、どんな悩みを持っているかなどね。』
こんな量の文字をすぐに返してくるなんて、なんて奴だ。
「俺の事を知っている?こいつ誰なんだ…?」
と、いつも通り呟いていると、手が勝手に文字を打って送っていた。
『どーゆー事ですか?説明お願いします。』
すると、
『とりあえず、今から招待するグループに入ってください。』
と送られて来たので確認すると、確かにグループに招待されていた。
一郎は言われた通りそのグループに入る。
するとそこには、「8800」意外にも3つアカウントが参加していた。
「平民」という名前で登録した一郎は、とりあえず
『こんにちは。平民です。よろしくお願いします。』
と挨拶する。
すると、アカウント名『天気人』という人とアカウント名『四姉妹』という人とアカウト名『兄Love♡」という人がそれぞれ、
『よろしくー(≧∀≦)』
『よろしくね。』
『よろしくー』
と返してくれた。
が、一郎はそれぞれのアカウト名に目がいった。
「天気人ってなんだよ。四姉妹って普通アカウト名にするか?最後の兄Love♡については触れないが。」
と呟く。確かにそれぞれ気になる名前ばかりだ。
なので、そのアカウント名ってどうゆう意味なんですか?教えてください。なんて聞きづらい。
『遅れてすみません。では、説明しますね。』
8800だ。ようやく説明してくれるようだ。
『ここにお集まりの皆さん、そして、私8800の5名はそれぞれある悩みを抱えています。』
そう、この5人はある悩みを抱えている。
一郎はすぐに自分の悩みがわかった。
それが、【普通すぎる】とうい事が。