雨上がり
大雨が続く中、一郎と雨流はまだ林の中にいた。
雨流はまだ泣いている。
「何があったんだよ雨流。泣くなんてお前らしくないよ。」
一郎が彼女の頭を撫でながらそっと聞く。
「……東…。東って、羽山さんと付き合ってるって本当なの…?」
泣きながら言う彼女はとても悲しそうだった。その言葉を口に出すのが不安すぎてとても戸惑う雨流。
「…何?俺が!?羽山と!??な訳ないだろ!」
「でも!羽山さんはそう言ってたよ!?東嘘つくのは良くないよ!」
「俺がお前にこれまで嘘ついた事あるかよ。て言うか、この事が泣いている理由とは全く繋がらないんだが。」
雨流がデタラメ情報を本気に受け取っているせいでとても面倒な事になっている。
一郎は大体、誰の仕業かは察しているが、それとこれとでは別だ。
そう悩んでいた一郎であったが、いきなり大雨が一気に止む。そして雨流が決意を固める。
「そんなの、『東の事が好きだからに決まってるじゃん!!!!!!!!!』」
「!!??」
泣いていてめちゃくちゃな顔を手で拭き、顔を上げる雨流の目は真剣であった。
「ちょ…ちょっと待て。俺!?第一なんで?俺みたいな普通の人間、なんも良いところないじゃん。
「いい所なんてあるよ!東は優しい!東には悩みの相談に乗ってくれて、こんなバスケしか取り柄のない私にでも普通に接してくれた。」
「そんなの、誰にだってある事さ。それが偶然俺ってだけだったんだよ。」
「偶然なんかじゃない、東は確実にみんな以上の優しさを持ってる。予想外な納得のできる答えを貰えて初めて私は感じたの、『この人はなんて優しんだろう』って。」
2人は口論を思う存分交え、30分後疲れ果ててようやくそれは終わった。
「まぁ、…とりあえずは…羽山の言っていたことは…嘘だ。」
「ふふっ。…それが本当なら…私が東を…いただくまでよ…。」
「なんだよそれ…。フハハッ。ハハハハッ。」
「ウフフフッ。アハハハッ。」
彼らの笑い声は辺りによく響いた。
雨が止み、水溜りができる。
「あ、そう言えば、東がアカウント名『平民』さんでしょ?」
「!?…な、なんでそれを!?」
「私がアカウント名『天気人』だからよ。大体予想できてたわ。」
予想外の事が次々と雨流の口からカミングアウトされて行く。
「私の悩みは『感情によって天候が変わってしまう事よ。』」
「……あ!じゃあ今の雨も…?」
「そうね。」
清々しい彼女と同じに雨上がりの空には虹がかかっていた。
読んで頂き有難うございます。
この話は毎週日曜日に投稿してます。
もし良ければ最初から読んでみてください!
《コメント》
最近、熱中症の方が増えてきたと聞き、自分も水分をこまめに取ろうと注意してます。
かき氷最高ですね。美味すぎです。
それではまた来週。




