思い違い
時刻は6時30分を回っていた。
坂の手前で話し合う笹口兄妹と羽山。
「えっと、嘘はやめてもらえますか?パット女さん。」
「フッ、それこそ嘘を言うのはやめてもらえないかしら。ペッタン子ちゃん。」
訂正しよう。
坂の手前で火花を散らす笹口妹と羽山。
「はぁ?誰が見たってそのデカさは疑いますよ?あと、ペッタン子ちゃんじゃないですー。ちゃんとBカップありますー。」
「なら、今ここでみせてあげようかしら?GとBの違いをここで比較してみましょう。」
道端で不健全な話を堂々とする2人を無視し、未だに黙って1人黙々と考えている彼は少し思い詰めていた。
「それで、君の答えは出たのかしら?笹口峻輝くん。」
素早くGカップと言う武器を笹口妹に見せ、圧勝した羽山は彼の方をみて言う。
「…まず僕のヒミツをなんで知ってるの?」
「まぁ、そう言うと思ったわ。君が実は『アニメオタク』と言うことを何故知っているのかは今はまだ言えない。たとえ今ここで言っても君はきっと信じないわよ。」
「…。」
本当に彼女は峻輝のヒミツを知っていた。どう知ったのかは今は分からないが、とりあえず、本題に戻る。
「それは今はいいとして、実際に俺は何をすればいいんだ?羽山さんの目的は何なの?」
「まぁ、簡単な事よ。近々、君と雨流さん、そして東くんを含む複数人でキャンプをやるらしいじゃない?」
「…!?な、なんでそんな事知ってるの?。」
彼女は一体何者なのか。
彼の頭の中はこの一言で一杯だった。
「東くんから誘われたのよ。ただそれで知ってるだけよ。」
「そ、そう言う事か。なんだよ……え!?一郎と仲良いの?」
「まぁ、彼とは一心同体。ラブラブで熱々な関係よ。」
無表情で言うものだから冗談で言っているのか本気で言っているのか分からない。
「嘘でしょ!?後でしおちゃんに情報を…!」
「ド貧乳ちゃん。東くんの妹ちゃんに今言った事を教えてもいいけれど、今日ここで私と会った事は誰にも言わないでくれないかしら。噂的な感じで情報を発信してちょうだい。さもないと、おにいちゃんのヒミツを誰かみたいにばらまこうとしちゃうかもね。」
「!!??」
千花の事も知っているような口ぶりをする彼女に峻輝は頭を下げて頼んだ。
「頼む!千花は関係ないから巻き込まないでくれ。俺なら言う通りにするから!」
「ちょっと待ってよ。誰も千花ちゃんの事を言ってる訳じゃないわよ。まるで私が性格が悪いみたいじゃない。」
そう言うと彼女は少し不機嫌そうにその場を立ち去った。
峻輝は思った。
一番敵に回してはいけないのは羽山なのだと。
妹の千花も少し責任を感じたのか小さな声で『ごめんなさい』と謝った。
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数日が経ち、
8月2日
キャンプ当日。
9時に駅で待ち合わせなのだが、一郎は緊張して8時30分と、少し早めに着いてしまった。
「えーっと、確か駅前の亀の時計の前集合だから……あ!あった。」
周りを見渡してそれを見つける。
っとそこには雨流と雨流の友達がもういた。
「おーい!おはよう!」
なんて言えない。雨流はいいが問題は雨流の友達だ。気まずい。ただそれだけだ。
(こう言う時は雨流が気付くまで、目立つところに立って待つ!これだ。)
そう決めると一通りの少ない所で携帯をいじりだす。いじると言ってもそれなりなそぶりをするためであって、実質はずっと指で画面を適当にスライドさせているだけだ。
すると、彼の思わく通り事が運ぶ。
「あれ?あれ東じゃない?」
「あ〜、私あんまり喋った事ないけど多分そうだわ。」
雨流の友達の雑さは置いておいて雨流がそちらに向かう。
「東!おはー!亀の時計、こっちだよ。」
「…お、お!こっちか!ごめんごめん。俺、方向音痴でさ、助かった。」
次々と嘘を連発させる彼はアホらしかった。
そして雨流が友達を紹介する。
「紹介するね。こっちが私の部活仲間、藤田美希。そして、こっちが席が隣の東 一郎ね。」
「あれ?以外とオシャレだね。東って私の中では暗いイメージがあるけど、全く違うね。」
「まぁ、あまり話した事ないからな。今日はよろしくな!」
(決まったーー!!!よく言った俺!)
と心の中で大喜びする一郎であったが、服は妹が選んだ事は内緒にしよう。
そんな感じで仲良くなっていると、続々とメンバーが集まって来る。
笹口と笹口の友達だ。
「ごめん!遅くなった!」
「いや、これギリセーフでしょ!」
「まだ45分だよ。全然セーフ。」
とても息を切らしている2人はどうやら電車を乗り換え間違えたらしい。
「…あ!悪い、こっちの元気いい奴が江利川正志だ。んで、こっちが後ろの席の東一郎。」
「よろしく!イチロー!」
「まぁ、みんなよくそう呼ぶからいいよ。」
現在、5人揃った。あとはあいつだけだ。
すると、駅の方からとても綺麗なワンピースを着た女性がこちらに近づいて来る。
「あれ?あれって羽山さんじゃない?」
雨流がそう不思議そうに言うものだから一郎が答える。
「そうだよ。俺が呼んだ。」
『…え!!!!????』
みんな一斉に驚く中、笹口だけが顔色を変えていた。
「ごめんなさい。遅くなってしまって。」
「いや、まだ50分だよ。」
「なら良かった。皆さん、今日はよろしくお願いします。」
とても丁寧に挨拶するのもだから
一郎と笹口はこう思った。
(なんだよあいつ。猫被りやがって。)
笹口の熱い視線がより夏の暑さを感じさせた。
呼んで頂き誠にありがとうございます!
もし良かったら最初から読んでみてください!
これからもよろしくお願いします!
《コメント》
最近、ようやく蒸し暑くなってきましたね!
こんな時のアイスが格別。
それではまた来週!




