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解決と小さな問題

「…とまぁ、こんな感じなんだよ。」


一郎の声だ。どうやら小田桐に納得のいく説明ができた様だ。1つ1つ確認し、分かりやすい様に考えて説明すれば、さほど時間はかからなかった。


「…じゃあ、遥香ちゃんの心の中に遥香ちゃん以外で3人の人格が本当にいるのね?」


半信半疑している小田桐だが、それも間違いではない。いくら納得がいく説明を聞いたとしても、次元が違う。


「そうなんです…!」


そう言った時だった。

強い風が窓の外からなびき、彼らの視界を遮る。

もちろん、一朗は察した。


「渚!来たぞ!」


「え、え!?」


目を開けるとやはりそこには長女、スミレの人格がいた。


「よぉ、一郎。」


「え!?遥香ちゃん?」


急に人格が変わるので驚く小田桐。

そして、その小田桐を見るとスミレは一郎に言う。


「この子が私達を変えてくれる程の子なのか?」


「それは分からない。だけど、俺は小田桐に一番の可能性を感じた。」


「ほぉ。」


そう聞くと、スミレは再び小田桐をじっと見る。


「話はどうやら一郎から聞いたと思うが、私は鈴ノ音姉妹の長女、鈴ノ音スミレだ。」


「わ、私は小田桐 渚です。」


「ならば、渚。私はドSだ。自分から言うのもなんだがドSだ。私をどう思うか言ってみろ。」


腕を組み、とても強気に言ってくるスミレ。

だが、姿は遥香なので背的に下から物を言われている。


「ドSって聞いたら、そう言う趣味の人なんだ。ってのが本音ですね。でも、私だって幼児好きって言う趣味があります!それも男の子、女の子どちらも大好きです!ウヘヘ。」


ビビってそのままスミレのペースに流されると思いきや、それを自分のペースに持ち込んだ。


「だからスミレさんも、今は遥香ちゃんの体で生活してますから、ドSな幼児なんて大好物ですよ!もちろん、ドMな幼児もネガティブ思考な幼児もね!ウヘヘ。」


勝手に頭の中で妄想を膨らませる彼女はとても生き生きとしていて自由だと思った。


「…フフッ。そうか。そうかそうか。渚、お前はいい奴なんだな。」


「か、勘違いしないでください!私の趣味のためですからね!…ウヘヘ。」


そんな小田桐の言葉を聞き、少し涙目になるスミレはそれを必死に隠そうと顔を伏せる。


そして、元気よく泣きながら小田桐にお願いをするのであった。


「渚さん…!私含め…妹達を…どうか宜しくお願い致します…!!!」


ポタポタと雫が彼女の頬から地面へと次々に落ちる。長女としての本音のお願いを小田桐にする瞬間だった。


「いいですよ♪」


明るく笑顔で返す小田桐ももらい泣きしている様に見えたが、気にしなかった。


こうして、アカウント名『四姉妹』との接触は一時終わった。


一郎には、この一件を通して改めて思ったことが3つあった。


1つは人格の入れ替わりの際についてだ。

彼女の人格が変わる時、必ず強い風が吹く。

言い方を変えれば、離れていても風を感じれる場所にいれば、いつ変わったかわかるかもしれない。


2つ目は小田桐の存在だ。

本当に今回の一件は彼女のおかげで全て事が済んだと言っても過言ではないであろう。

とは言っても、彼女の性格も性格だが、同じクラスと言うのが一番のメリットだ。

もし、一郎が異変を感じても、隣のクラスじゃあ、どうにもできない事が沢山出てくるだろう。


3つめは、さほどこの場で言う事でも無いが、羽山によるナビゲートの活躍の無さだ。スリーサイズを聞けと無茶振りをしただけで、役に立った試しが無い。


そんな訳で、一朗は帰宅したのだがまた家は家で大変だった。


妹の栞が部屋に隠していた『お兄ちゃん大好きコレクション』を母に見つかったと言うのだ。

これには一郎も頭が真っ白になった。


「なんなのこれ。栞、ちゃんと説明してちょうだい。」


母が驚きつつも、怒って栞に聞く。


「こ…これはですね…。捨てようと思ってずっと置き忘れてたものです!」


「じゃあ、これ捨てるわね。」


「まーって!…嘘です。捨てようと思っていたのではなくて、リサイクルを…。」


そう、無茶な言い訳で押し通そうとするが、

母はそうはいかなかった。


「何年栞のお母さんやって来たと思ってんのよ。嘘くらい普通にわかるわ。」


「ううぅぅ。」


「まだ、一郎の部屋から出て来たエロ本は分かるけど、これは…ねぇ?」


栞ももう観念しろよ。と思っていたが、それよりも重大な事が耳に入って来た。


「何!?お母さん何勝手に部屋入ってるんだよ!」


「いいでしょ?別に。それより、一朗はツインテールで貧乳がすきなのねー。」


「許してぇー!!」


2人とも母の前では歯が立たない。

すると、しょんぼりしている妹を見て、兄はこう言う。


「って、あ!それ、俺が栞の部屋に隠しておいたものじゃん!返してくれよ。」


「はぁ?何言ってんの?あんたの写真ばかりのファイルがあるのよ?」


「そうそう!俺、ナルシストって奴だから、自分好きなんだよね!いいから返してくれよ。」


母の猛攻は止まらない。


「でも、ここに『お兄ちゃん大好き』って書いてあるわよ?」


「俺、ずっと前からお兄ちゃん欲しいと思ってたんだよねー。」


「でもでも!」


「返せっつてんだろーがぁ!!!!!」


今日も東家は賑やかだ。

読んで頂き、誠にありがとうございます!

もしよかったら、最初から読んで見てください!

よろしくお願いします!!

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