適合者
昼休みになると、一朗は今朝、スミレに頼まれた事について考えていた。
長女のスミレに続いて、次女の真莉はドM。それに、三女の希はネガティブ思考。と悩む事が多い。
まず、長女のスミレはドS。なので、それを受け止め悩みを聞いてくれる人を探さないといけない。それに通用するのは、同じドSのやつか、よほどのドMなやつだ。そう言うと、次女の真莉も同じようなものだ。ドMも探す人としては変わらない。
それよりも厄介なのが、三女の希だ。ネガティブ思考というのはどうゆう友達が一番最適なのだろう。やはり、ポジティブ思考の人?ネガティブ思考の友達を彼女に紹介しても、より、ネガティブ思考が強くなるだけであまり良くないだろう。
そうこう考えていると、雨流と笹口が彼に話しかける。
「おーい、一郎!ご飯食べよ!」
「私も入れて♪」
振り向くと2人は弁当を持っていた。
どうやら、昨日の彼を見て、今日は弁当を持ってきたのだろう。
「あれ?売店は?」
「これ、何かわかる?」
「東の目は節穴ですか?フフッ。」
ニカッと2人は笑って言うが、友達に謝り、売店へ行ったり、一緒に食べたりすることを断って来たのだ。
「あ…ありがとな。」
そう言うと3人は机をくっつけ、椅子に座る。
「あ、そうだ!この際、おかず交換しない?」
「お!いいねっ!」
「いいぞ。」
小学生がするような事を3人はワイワイと楽しげにする。
それぞれが弁当を開け、それぞれの弁当を確認する。
「あ…。」
「あ!」
「え?」
それは一郎の弁当の内容にあった。
お好み焼きに、昨日のオムライス同様、お好みソースで、『お兄ちゃん♡最高』と言う字が書いてあった。
彼は完全に油断していた。昨日、やったからとはいえ、今日やらないとは限らないのだ。
「あっ…えっ…これはだな…妹の遊び心っていうか…。」
「東って妹いたの?可愛い?」
「え、一郎の妹って何歳?」
必死に誤魔化そうとするが、2人は興味深々だ。
「まぁ、その…可愛行っちゃ可愛いな。胸は小さいけど。今、中学二年生だから14歳だな。」
恥ずかしがりつつも余計な事も混ぜながら説明する一郎。
「わぁ!会ってみたいなぁ!」
期待を寄せる雨流だが、彼の妹はそれほどピュアじゃない。
「へぇー。俺の妹も中学二年生だよ。」
「そうなのか。」
すると、一朗はふと、2人にある質問をする。
それは鈴ノ音姉妹の件であった。
「急に変な話して申し訳ないんだけどさ、お前らの知り合いで、Sっぽいやつとか、Mっぽいやついないか?」
「え、東ってそう言う…趣味なの?」
「違う!断じて違う!…そう言う趣味の友達がいるんだ。」
「うーん。特にいないかな?」
「私も」
そう答える2人。
そう答えると予想していた一朗はため息をつく。
「じぁ、じゃあ!ポジティブ思考なやつ!」
「うーん。いるはいるんだけど、そんなにポジティブ思考って程までは言えないって感じの子ばかりだなー。」
「俺もそんな感じかな?」
「そ、そうだよな」
そう言うと一朗は席を立ち、
「ごめん、ちょっと用事あるからそろそろ行くわ。今日はありがとな!めっちゃ楽しかった!」
と、明るくお礼を言って教室を出た。
そんな彼は隣のクラス、一年二組にいき、生徒に声をかける。
「ねぇ、小田桐いる?」
「ん、渚?おーい!渚ー!読んでるよー!」
と女子生徒が奥の方にいる小田桐を呼ぶ。
すると彼女は振り返り、一郎を見るなり、こちらは来る。
「何?いっちゃん。」
「ちょっとここじゃあ、言えねぇから屋上まで来てくれないか?」
「!?…え!?…そ…それって…?」
そう言うと一朗は屋上へと向かい出す。
小田桐は少し顔を赤くしつつ、後を追う。
2人は屋上へ着くと、誰もいないのを確認し、一朗は言う。
「渚さ、もちろん今も変わらず好きだよな?」
「えぇ!?…い、いきなり何言ってんのよ。…そ
…そりゃあもちろん好き…だよ?」
「…だよな。よかった、幼児好きで!」
「えぇ!?」
小田桐は何か、話を勘違いしていたようだが、一朗は気にせず、会話を進める。
「でさ!ドSな幼児ってのはどうよ?」
「ちょっと、まって、そ…そりゃもちろん強気な幼児も『あぁ、この子頑張ってるなぁ』って感じがして最高よ。って、言わせるな!」
予想通りの返答が返って来て、よしよしと頷く一郎。
「それより、さっき話してた事って幼児のことだったの?」
「は?何言ってんだ。他に何があるんだよ。でさでさ、逆にドMな幼児は?」
「何よそれ!期待して損したじゃない!そりゃあドMの幼児でしょ?おねだりしてくれりゃあ最高よ。ってまた!」
再び予想通りの返答を聞いた一朗はさらにたたみかける。
「なら、ネガティブ思考の幼児はどうだ?さすがにお前でもお手上げだろ?」
「何言ってんのよ!ネガティブ思考の幼女なんて何もかもしてあげたくなるじゃない!何か言うたびに励まして…………最高よ。」
それを聞いた一朗は清々しい顔をして小田桐に言う。
「よし!渚、合格だ!」
「…ふぇ?」
そんな状況の中、
昼休みが終わるチャイムが鳴る。
「キーンコーンカーンコーンッ」
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