同時刻裏の出来事
「ま、魔王様!どうか!どうかお許しを!」
学校の体育館はあろうかと言う広い部屋に土下座する男が居た。
部屋にはロウソクで明かりが灯っているがそれでも薄暗く、まるで何かの祭壇の様に見えた。
男は白髪でてっぺんはかなり薄くなって来ている。年齢は60前後というところか。
薄汚れた白衣を着ている。医者か研究者の様だ。
「発見できたのはこの一欠片だけか?」
低いくぐもった声が広い部屋に響く。
声の主は土下座する男の前にある雛壇の頂上で大きな装飾のついた椅子に座っていた。
「はい、魔王様!爆発の影響で砕けてしまったのではないかと…。それが唯一残って居た完成品の欠片です!」
頭を地面にこすりつけたまま白衣の男は説明する。
どうやら、椅子に座っているのは魔王らしい。
「そうか、下がっていい。」
「お、お許しいただけるのですか!?」
飛び上がる勢いで顔を上げ白衣の男は魔王を見上げた。
「あぁ、早く下がるがいい。」
「ありがとうございます!失礼します!」
白衣の男が魔王に対し礼を言い、部屋の出口へと歩いて行った。
ズシュッ!!
「へ?」
何が起きたか理解できていない白衣の男に後ろから声がかかる。
「気が変わった。」
その声に反応する様に白衣の男は自分の腹を見ると大きな肉の杭が自分の腹を貫いていた。
「ま、魔王様!?」
「今までご苦労だった。後は私の養分となるがいい。」
「ギャァあぁぁぁぁぁ!」
白衣の男は断末魔の悲鳴と共に萎れ、その場に崩れ落ちた。
「片付けておけ。」
魔王の言葉に反応し、闇の中から人影が出てきて白衣の男だった物を片付けた。
「まぁ、これだけあればなんとでもなる。」
魔王は青い結晶をニヤニヤしながら眺めながらそう言った。
「さて、再開するか。」
ウィーン、トントントントントン。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ効くな〜。」
どうやら魔王が座っていたのはマッサージチェアのようだ。
魔王はそのまましばらくマッサージを堪能したのだった。
誤字などありましたら適宜修正していきます。
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