全裸な僕の初めての敵
「綺麗だな…。って!そんなことどうでもいい!ここはどこだ!?って、ナンジャコリャ!!!」
星空に呑まれた意識が戻ってきたところで現状の異常さ加減に気がつく。
周りにはなにもなく、荒野のようだ。
暗くてよく見えないが、遠くに森らしき黒い影があるように見える。
家が急に荒野になった事に加え、さらに目を疑う事実が発覚した。
良薬は現在全裸だった。
一糸纏わぬ生まれたままの姿で荒野に放り出されていたのである。
それだけではない。全裸の自分の体をよく見るとあるはずだった物がないのである。
「ど、どこへ消えたんだ…お、おれのおピーんピーんは!!!!」
そう、男性の象徴とも言えるお○ん○んが跡形もなく消滅していたのである。
高校2年生までの17年連れ添ってきたお○ん○んに愛着がないわけがない。
良薬は大きな喪失感を抱いていた。
「待てよ?おピーんピーんがなくなったってことは、俺は女になったってことか?だとしたら!」
お○ん○んがないのに加え、なぜか髪まで伸びており、腰くらいの長さがあったため、アニメによく見る女体化が起こったのでは!?と身体中を手で触ってみる。
そこには女性らしさの象徴と言われる胸も、女性の最もデリケートな部分も存在しなかった。
「ドウナッテイルンダ?」
ロボットのごとくカタコトの日本語が漏れる。
良薬は性別がなくなってしまったのである。
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「お?女が裸でいるぞ!」
「マジかよ!痴女か?」
「でも、女ってよりはメスガキだな」
「まぁ、やれればなんでもいいさ」
数分間、残酷な現実に打ちひしがれていると、少し離れたところからゲスい笑い声とともに胸糞悪い三下じみたセリフが聞こえてくる。
「よう、お嬢ちゃん。お兄さん達とあそぼうぜ?大人しくしてたら死なない程度には加減してやるからよ。」
近くまでやってきた男は盗賊か何かなのだろう。テレビで出てくるモブキャラそのものだった。そんなモブキャラが陳腐な脅し文句と共に良薬に手を伸ばしてきた。
「消えろ。」
良薬に手が触れた瞬間発せられた一言がきっかけで周りの空気が変わり世界が止まった。
誤字などがありましたら適宜修正します。
次回も是非お楽しみください。
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