第3班敵襲!
「鳥人族の皆、集まって!」
キキは鳥人族で今回の対戦に参加するメンバーを招集し、作戦に沿ってそれぞれの役割と行動を説明する。
「じゃあ、さっき言ったように、70人は監視班、残りの40人は迎撃班になってもらう。ここまでで分からないところはある?」
鳥人族達は皆真剣な表情で説明を聞いている。どうやら質問もないようだ。
「先ずは、監視班の人たちは僕と一緒に来て。迎撃班は待機で。もし訓練中に敵が来たら口頭説明だけでぶっつけ本番ね。」
(天の声?)
《はい、なんしょう?》
(自由飛行よろしく)
《分かりました。》
そんな無茶な…。と迎撃班が思っている中、キキの背中から翼が現れる。
翼が一度羽ばたくと、キキの体がゆっくり浮かび上がった。
この自由飛行、例に漏れず口頭で名前を唱えれば発動するのだが、前回のように天の声が拗ねたらメンド臭い。
そのため、キキは、使える時は天の声を使ってスキルを発動することにしたのだ。
空を飛ぶキキの後ろを監視班の鳥人族70名が追いかける。
「第1班はここからあそこまでの範囲を監視、敵を発見したら速やかに報告ね。第2班はこっちからあそこまで、第3班は、ここいらからあそこいら辺までをお願い。」
キキは70人の監視班をさらに3つに班分けした。
理由は監視区域を区切る事で監視効果を高めるためである。
各班の区域分けは、村のある位置を中心に街側の180度をそれぞれ90度ずつつに分割し、右側を1班、左側を2班が担当する。
3班は街とは反対側の180度を担当する。襲ってくる可能性は低いが、奇襲に備えての保険である。
監視班は、今日から対戦開始まで毎日監視する必要がある。その為、各班全員での監視ではなく、交代制を取り入れた。
1班2班それぞれ25人、3班20人の内、2時間ごとに各班の3分の1が監視に当たるようにした。こうする事で、実質、2時間監視後は4時間休息が取れるため、負担をなるべく減らされるだろう。
「じゃあ、予行演習始めるよ!」
「はい!」
それぞれの班がシフトメンバー毎の細かい班に分かれる。
そして順番にそれぞれの持ち場についた。
(天の声?威嚇をお願い)
《分かりました。》
「すーっ、第3班敵襲!!!!!」
「ひっ!て、敵襲発見!」
1人の鳥人族に対して威嚇を使い敵を想定した行動を取らせる。
敵を発見した鳥人族はその場で大きく円状に飛行しながら敵の行動を観察する。
円状に飛行している仲間を発見した他のメンバーは本部である村に敵襲の報告を行う。
これが監視班の一連の行動だ。
この訓練を順番に全員何通りか行う頃には夜が明けていた。
ちゃんと、朝から監視に向かう班から順番にして、終わったら休ませたから、労働基準法には違反してないからね!?
これで対戦準備の第三段階が完了である。
誤字などありましたら適宜修正していきます。
次回も是非お楽しみください。
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