プロローグ
「ふっ…。ふふふふふふっ…。ふひょ〜〜ほっほっほっほ!」
薄暗い部屋に一人の笑い声が響いていた。
部屋には何本も円柱状の水槽が機械と繋がっており、その中にはそれぞれ色とりどりの液体がはいっている。
周りにはたくさんの資料や薬品が散乱し、部屋の奥からは多数のネズミのような生き物がゲージで飼育されていた。
「ついに!ついに完成しましたぞー!!我が主人である魔族の王が求める秘薬キキソニンSが!!!!」
研究室のような部屋で一人小躍りしながら歓喜の瞬間に陶酔している男が叫んでいる。余程嬉しいのだろう。
「では、最後に全ての液をこの魔素結晶に流し込んで早速王の元へ報告にいかねば!」
そう言いながら機械に淡く赤色に輝く結晶をセットし、機械のスイッチをいれる。
円柱状の水槽に溜められていた液体がボコボコと音を上げながら減っていく。
それに合わせて、淡かった結晶の光が強い紅の光へと変わってきた。
次第に紅から青へ光が移って行くその途中。
ドドンッ!!!!!
「な、何事だ!」
大きな爆発音ともに結晶がセットされていた機械が木っ端微塵に吹き飛んだ。
研究室は大量の煙に包まれ、散乱していた資料や薬品に引火したのか、小さいながら火災も起こっている。
「け、結晶はどこだ!あれをなくしたら私は殺される!」
火の手が広がる中、消火活動も行わないままその男は結晶を探し続けるのだった。
初の投稿なので、いろいろ問題があるかもしれませんが、生暖かく見守っていただけると嬉しいです。
誤字などの報告がありましたら適宜修正していこうと思います。