第二章 プロローグ
小説を面白くするには、健康より原稿を取れ。どこぞの知り合いが言ってました。
久しい投稿、鎌里 影鈴です。
『ゾディアック・リドゥ』第二章、開始します。
興味ある方は、どうぞ軽く読んでください。
よろしくお願いします。
太陽がぎらぎらと輝く灼熱の大陸は、類を見ない高熱を放っていた。
草もなく水もないこの大地は、まさに絶望の熱帯地獄。
空からは眩ゆい熱線。地には揺らめく蜃気楼。
この地を初めて訪れる者は、そろってこう言うだろう――。
――「こんなところに住むなんて、どうかしてる」、と。
広いわりには照明が二つほどしかない薄暗い部屋。そこにあるのは、ガラクタにしかみえない鉄塊と、あちこちに放り込まれた器具。
カン、カン――と、何かを叩く音が反響する。
部屋の一番奥から響いてくるそれは、不均等なリズムで打ち付けられ、やがて消えた。
奥にいるのは人間の倍はある大きな機械と、機械の上に乗った一人の少女。
「……出来ました」
少女は呟き、機械から降りてすぐに自分の腕の匂いを嗅ぎ顔をしかめ、次の行動に移った。
「位置固定よし、エンジン装填よし、圧縮機、発動体、稼働準備完了――」
何やらぶつぶつと言いながら確認を済ませると、少女は歩いて、機械の細長い部分を両手で握る。
深く息を吸ってから、ゆっくりと腕を上げる。すると機械の先端が、それに連れて持ち上がった。
少女は力を少し入れて機械を傾けると、手元のレバーを回す。
ゴゥン、と重い駆動音が鳴り、機械全体が動き出す。
次第にその響きは大きくなり、周囲をも振動させる。
機械が揺れ、少女の腕が震え、凄まじい力が一気に膨れあがりそして――、
巨大な爆裂音とともに、機械は宙を舞った。
「え……?」
機械を持った少女が間の抜けた声を発した時はすでに、機械は部屋の壁を貫通して灼熱の空の彼方へと向かっていった。
二章では炎の大陸が舞台となります。
この物語で、バルサたちに何をさせようか。
ああ、頭が震えます。色んな意味で。




