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闇の中でもがく青年8
闇の中でもがく青年8
何で出来ない。何でやる気がでない。就活も研究もうまくいかない。頑張りが足りないんだ。何でもっと頑張らないんだ。何で、何で、何で、・・・・。青葉は教授に怒られたその日の帰りの電車で、自分を責め続けた。自分の心を、自分の言葉で何度も何度も突き刺した。青葉の心から血が噴き出した。血を流し続ける心は、鉛になっていった。何トンにも肥大化したその鉛を体の中に抱え込みながら、8月のむさ苦しい空気の中で、もがくように体を引きずり、気が付くと駅のホームに佇んでいた・・・・。