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闇の中でもがく青年6
闇の中でもがく青年6
面白い。青葉は就職活動が始まって、企業説明会に参加するようになると、その多種多様な企業との出会いに目を輝かせた。世の中にはこんな企業もあるのか、こんな仕事もあるのか、青葉は好奇心に胸を躍らせた。情報も毎日大量にチェックした。
しかし、選考が始まり、面接を受けるにつれて、青葉は徐々に不安に取り込まれていく。周囲の人間と比較し初め、自分の欠点ばかりに目を向けるようになった。こうなると、彼の元々の自分に対するネガティブな評価が災いし、自分を責め続け、精神を病んでいった。
選考に行くのが怖くなり、説明会に参加する意欲も薄れていった。こんなことではだめだ。自分を叩いて説明会に出席しても、何も感じない。どの企業のどの人の話を聞いても、まったく興味が湧かなかった。毎日送られてくる大量の就職関連のメールも彼を追い詰めた。メールボックスを確認するのが怖くなり、何十、何百、何千と未読のメールがほこりのように堆積した。そんな状態でも彼は、必要最低限の大学の課題をこなし、研究を行い続けていた。