闇の中でもがく青年5
闇の中でもがく青年5
青葉俊介はもともと物静か人間で、元気に外を走り回るタイプの子供ではなかった。しかし、どんなタイプの人間でもそのうち、気の合う仲間はできる。その出会いが早いか遅いかの違いや、タイミングというものはあるが。
彼は幸運にも、小学校、中学校、高校、大学でそれぞれ友達ができた。ただし、青葉は自分に対してネガティブな評価を下すことが多かった。私は物静かな人間で、個性が薄い、面白い話題も提供できない。そんな引け目から、青葉は友達と仲良くなっても、自分と一緒にいても楽しくないのではないか、相手は迷惑だと思っていないか。この考えから、脱却できなかった。
その為、友達ができても、自分から深く関わる事を避けるようになった。それでも、学生生活には大きな問題は起こらなかった。周囲の人間からは物静かだが、仲良くなれば問題なく会話できる。難しいところはあるが、無害な人という評価を受けていた。性格は真面目で、時間にも正確だし、成績も悪くない。リーダーシップは無いが、任された事はきちんとできる人間ということで、先生から問題児として扱われる事は皆無だった。
何事もたんたんと、こなしてきた彼がつまずいたのは、就職活動だった。