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ソウル  作者: 宮川心
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闇の中でもがく青年3

 闇の中でもがく青年3

 

 6月。朝起きるのが非常に億劫になっている。それでも何とか体に鞭を打って起き上がる。

 しばらくボーっとした後、着替えをのろのろと済まして、リビングへ降りた。


「俊介。何だか顔色悪いわよ。ここの所、食欲も落ちているみたいだし。」


 大丈夫、大丈夫と適当に返事をしておく。朝食は最近食べていない。普段はコーヒーとパンを食べていたが、コーヒーのみで済ます。


「行ってきます。」


 ため息をつきながらそう言うと、心配顔の母親を横目に大学へと向かった。自宅近くの浅間駅は始発駅に近いので、時間を間違えなければ、座る事が出来た。途中の乗り継ぎがあるが、そこは始発駅なので、待てば座る事ができる。しかし、座っていても体がだるく。大学が近づくにつれ、気分がふさぎ込むようになっていた。何とか大学に到着し、研究室へ直行した。


「おはようございます。」


 研究室の入口で挨拶をした後で、研究の指導をしてくれている院生の高橋真理のもとへ向った。


「高橋先輩、今日も宜しくお願いします。」


「うん。じゃあ今日はこの前PCRしたものを電気泳動で確認しようか。」


 ほっそりしていて、笑顔がチャーミングで可愛いと人気のある先輩は、てきぱきと指示を出した。研究室を見回すと既に桜井が研究を始めていた。まだ朝の9時なのに、真面目だなと感心しながら、研究の準備を始める。桜井の方の研究は順調に進んでいるようである。頻繁に研究室に通っており、彼が研究室にいない方が稀である。当の青葉といえば・・・。


 ここ最近は夢から覚めたかのようにやる気をなくしていた。研究室に行く回数も減り、せっかく研究をしても、失敗ばかりで前に進まなかった。何故こんなにやる気がでないのか、体もだるいし。そんな日々が続いていた。


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