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ソウル  作者: 宮川心
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ソウル 豆知識

 本作に登場する青葉俊介君が所属する遺伝子研究室。この研究室のシーンで登場した院生の高橋真理さんのセリフについて解説したいと思います。


「うん。じゃあ今日はこの前PCRしたものを電気泳動で確認しようか。」

 このセリフは飛ばしても、ストーリー上全く問題はありません。しかし、何言ってるんだ?と気になった方もいらっしゃると思いますので、この場を借りて解説させて頂きます。

 

 ※投稿した文章を確認したところ、電気泳動の部分がPAGEとなっておりました。ストーリーには全く関係の無い部分ですが、私の意図した意味とは異なってしまう為、訂正させて頂きました。申し訳ありませんでした。ちなみにPAGEというのも、遺伝子研究の場で利用されている研究手法です。


 遺伝子研究室という事で、遺伝子研究に関する重要なキーワードになります。


 ・PCRとは、ポリメラーゼチェーンリアクションの略です。これは目的のDNA領域をコピーしまくるというものです。例えば、Aという遺伝子を調べたい時、DNA上にあるA遺伝子だけを大量に増やす事ができます。さらに簡単に説明すると、膨大な資料の中から、必要な部分だけを、大量にコピーするという事です。


 何故こんな事をするのか。Aという遺伝子を、目標DNAに組み込みたい時には、基本的に大量のA遺伝子と大量の目標DNAが必要になるからです(場合により異なりますが)。DNAの組み換えは、機械的に行われるものではなく、生物の体内で行われる自然現象を利用したものです。ですので、量が少ないと、A遺伝子と目標DNAが出会う確率が低くなるわけです。

 

 その結果、組み換えDNAができなかったり、組み換えDNAが少量しか入手できなかったりするのです。噛み砕いて言うと、男性と女性の人数が少ないと、カップルが成立する可能性が低くなったり、成立するカップルの数が少なくなるという事です。


 ・電気泳動とは、様々なものがあるのですが、この場面での意味を解説させて頂きます。PCRしたものを電気泳動で確認するとは、PCRがうまくいっているか確認するという事です。例えば、A遺伝子をPCRで大量にコピーした後、A遺伝子のコピーがしっかりできているか、確認するという事です。

 

 しっかりPCRの手順を行っても、目的のDNAがコピーされているか、小さいので目で確認する事ができません。そこで、電気泳動で確認します。

 

 具体的に言うと、DNAをアガロース(寒天の主成分)の中に通し、だいたいの大きさ(長さ)を測ります。アガロースゲルは、網目状の分子構造になっています。大きいDNAは、なかなかこの網目を通れずに、小さいDNAはするするとこの網目を通ります。DNAは全体的に負の電荷を帯びているので、電気を流す事で、アガロースゲルの中をマイナス端子側からプラス端子側へ、流す事が出来ます。

 

 このようにDNAの大きさによって、移動速度に変化が生じるので、DNAを大きさごとに、分ける事ができます。既に、大きさのわかっているDNAを流す事により、それが目盛になって、だいたいの大きさを調べる事ができます。事前に調べたA遺伝子の大きさと、電気泳動で確認した大きさと比較して、だいだい同じ程度なら、目的のA遺伝子がコピーされているという事になります。

 

 難しいですね。図があれば、わかりやすいのですが・・・。説明が下手ですいません。アガロースゲル電気泳動と検索すると、もっとわかりやすい説明が多々ありますので、興味のある方はご覧ください。

ここで一旦完結という形になりますが、現在ソウル2を執筆中です。ここまでご覧頂いた皆さん、ありがとうございました。これからも、宜しくお願い致します。

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