闇の中で見つけた、微かで、眩しいもの2
闇の中で見つけた、微かで、眩しいもの2
霞が浦駅から病院の最寄駅までは電車で20分程。駅名は渋沢駅。自宅と大学の中間地点にあり、俊介がいつも利用する電車で通過する駅だった。渋沢駅付近は、ビルが立ち並ぶ都市部だ。
渋沢駅から徒歩5分、アクセスの良い立地に、メンタルケア支援プログラム研究所が建っている。まるでおしゃれな大学のキャンパスにあるような建物が並ぶ敷地内は、広大である。敷地内には道路があり、各建物を巡回するバスがあるようだ。東西南北それぞれに門があり、渋沢駅に一番近い門が北門のようだ。清水会長に先導されて、北門に到着した。
「初めて来ましたけど、広いですね。」
看板のマップを見ながら、俊介が感心する。
「そうじゃろ。図書館、研究棟、スポーツジム、グラウンド、病院・・・。この敷地内で生活できる程に施設が充実しておる。病院はすぐそこじゃ。」
清水会長が指し示す方向に、大学病院のような立派な白い建物があった。病院に到着し、受付で清水会長が名乗ると、すぐに診察室に通された。診察後、俊介は入院患者用の特別個室に迎えられた。
「今日は特別じゃ。個室でゆっくり休むと良い。なかなか快適じゃぞ。」
何かあったら遠慮なくナースコールを使うんじゃぞ。そう言い残して、清水会長は病室を後にした。朝になり、軽く食事を済ますと、清水会長が診察室に案内してくれた。