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#対人依存症。和哉くんは生きづらい!  作者: 佐野和哉


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和哉くんは言語化したい


言語化。おそらく私に残された唯一の取り柄。

でも別に求められてはいない。

ただ心にわだかまってるモヤモヤとか、誰かに言われたり日々ふと思ったりしたこと、人が私に話してくれた悩みなどを言葉にするのが好きなのだ。

好きだが別に得意ではない。だってなんかもっとバズったり本まで出してる奴らいっぱいいるけど、彼我の違いはよくわからないから。つまり、まあその程度なのだろう。


あなたのモヤモヤ言語化します!

と謳っているわけじゃないけど、自分のモヤモヤを吐き出してくれる人って、往々にして「頭でわかってるけど言葉にならない」状態に陥っている気がする。

演算は早いけど出力が追い付いてない、というか。なので、聞かせてもらった話への返答として、こういう感じなんだねって言うと意外とそれがハマってくれたり、膝を打ってくれたりする。そういうとき結構うれしいというか、役に立ててる気がして有難い。

ただまあ、そうやって「言語化ありがとう」って言ってもらえるのは嬉しいしそれは本当なんだけど、単に長口舌の返事が面倒ならそう言っておけば角も立たず顔が立つ気もする。自分のことを話すのと、相手の話を聞いて返答するのとでは使う脳みそが違うし、言うだけ言って気が済んだところへ長話されても鬱陶しいだけだろう。

…相変わらずヒトサマの言うことを素直に、鵜吞みに出来ないでいる。


裏表つけて使い分けるのって物凄く疲れるし無駄なんだから、私ごときにそんな真似するぐらいならとっくに縁切って疎遠になってるか、そもそもそんな遊んだり話したりもしないだろ!

と頭ではわかっているのだが、出力するころにはノイズが混じる。


この言語化という作業、AIにされると凄く癪なのはきっと悔しいんだと思う。

自分が居て、なんかしらAIがあって、求められているのが〝向こう〟だった時に物凄く寂しい。なんか、生きた人間の言葉ってもう要らないんだなって気がしちゃって。便利で従順、そのうえ無料で、無駄口も叩かないし、もっといえば失言や見当違いなことされても遠慮なく通告できる。気を使わなくていい、お金も使わなくていい(たまに課金も必要らしいが、会って飲み食いしたり「そのあと」を警戒されたりするよりは遥かに安上がりだろう)、おまけに答えが簡潔明瞭。そりゃ使うよな。

結論から先に、用件だけを言われるほうが訪ねる方は楽だろうし。

人間相手だと、どうしても忖度や事情を踏まえた解釈が入るし、気を使った言い方をするせいで答えが後回しになる。

順序を踏んで結論に向かう途中で幾つもそういうハードルを越えたり潜ったりする必要がある。それが、悩んでるときには殊の外鬱陶しい。

向こうは気を使ってワンクッション入れてくる。褒めてないつもりでも良かれと思って言ってくる。

こっちは今そんな〝褒めのニュアンス〟で何か前置きをされたり、解釈をされたうえで返答してほしいわけじゃない。

良いように解釈して欲しいわけじゃなく、あるがままを聞いて受容してほしい。

放っておくんでもいいし、だらだら何か話すのでもいい、とにかく改善とか一念発起とか乾坤一擲とか、そういうもんから距離を取りたい。

それなのに、まず相手の正当性や善性、魅力だとか尊厳が損なわれていないことを担保する。そのセリフが気に障る。

そういうわけなのだろう。


「褒められたくない」の記事で書いたことが全然足りてなかったので。

褒める側(褒めのニュアンスを用いる側)の気持ちも分かるが、事実であれ解釈と印象であれ「今それは置いといてほしい」を遠慮なく言えるのは相手が人間じゃなければこそだ。


優しい人ほど、きっとそうなのだ。

自分勝手になれず、まず他人を思いやるからこそ。

…まあ、こういう前置きが鬱陶しいんだよな。きっと。


自分に対して思う「死ね」と他人に対して思う「好き」が反比例してて。

生まれつきうっすら死にたい側と、生きることに疑問も抵抗も後悔もない側と。

分かり合えるはずもなく。何も。

あなたの「死にたい」は、どこから?いつから?


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