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#対人依存症。和哉くんは生きづらい!  作者: 佐野和哉


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産まれたときから負け戦

オトコが女の子に寄ってきてもらえたら迷惑だなんてこと殆どないはずじゃん。でも、その反対は九割ぐらいが単に迷惑で…残った一割のうち半分が成就でもう半分が犯罪じゃん。

で、この分の悪いなんてもんじゃない勝負を決めるのだって顔、身長タッパ、立場、職業、趣味、生まれた国や街や時代や家……要するに断る理由なんか星の数ほどあって。

その日その時の立ち振る舞いで、もう無理とか。

出会った場所と時期が悪くて、近しい関係の人が多いからって理由でどこぞの馬の骨を選ばれたりもする。


そんな生まれながらの負け戦、勝ち目なんて初めから用意すらされてない人生をやり過ごしながら、せいぜい納税と趣味くらいのために生きててよく虚しくならないな。

と、いま猛烈に虚しい人生を送っている私は思っている。

八つ当たり?

負け犬の遠吠え?

何とでも言え。


自分じゃなきゃならない理由なんてどんなに探したって見つからないのに、自分のことを断ってそれ以外を選ぶ理由なんかゴマンとある。無ければ作ればいい。

目の前で笑って楽しそうにしてたって、後で何を言われるかわかったもんじゃない。

あの時やっぱり、今までずっと、もう限界、ごめんなさい。

振り返れば何も知らず楽しそうだったのは自分だけ。

バカみたいな消化試合に相手の時間やお金を浪費させて付き合わせていた。こっちは大まじめに、心の底から楽しそうにしていて、さぞ癪に障ったことだろう。

そんなことばかりだ。


だからなのか、なんだか好きな人のことほど信じられなくなって。

単に魅力的だ、素敵だな、と思う人なら関係ないけど、好かれたいと思った瞬間に紙一重の内側が暗黒に閉ざされたように見える。

きっとその内側の暗雲の下で虹を見ているであろう誰かさんと、その人のことが妬ましいのだ。恋愛に限らず、自分の前で後ろを振り向いた人がどんな顔をしているか、いつもそれが怖いんだ。


だからなのか、なんだか他人に頼ることが下手になっている気がして。

困ったとき、辛いとき、何と言って助けを求めればいいのかもわからない。頼ってほしいと思っているのに、頼ることがわからない。頼られたいのならば、頼ることもできる人間じゃなきゃバランスが悪かろう。でも、自分が誰かに頼っているのに、自分が頼ってほしい人にとってそれは頼りになるのだろうか?とか思ってしまう。

なんかイビツだ。でも、子供の頃に変な刷り込まれ方をしたんだと思う。


親ガチャとか実家ガチャとかいう言葉は使いたくないけど、つくづく原体験がクソだったんだなと思う。楽しかったことは勿論覚えてる。

でも、楽しかった日の夜は必ず、その数倍こっ酷い目に遭う。

もうそれがトラウマなんだと思う。…トラウマって言葉も安くなったよな。今ちょっとゲームとかアニメで気味悪い場面があるとトラウマっていうもんな。

んな簡単に人間の心なんざ抉れないだろ。でも実際クレーターみてえな心で今日まで生きてると暴力って手っ取り早いし便利だなと実感する。そう簡単に抉り切れない、柔軟でシワも汚れも少ない子供の心をここまでズタズタに出来るんだなと。


生きようと希望を探す自分と、

失望して早く死んじまおうとする自分と、

日々とりあえずやり過ごす自分。その不毛な三者三様。ぜんぶ自分なのに。

何かしてしていないと落ち着かないし寂しいのに、憂鬱で億劫でどうせ無駄だと何もしたくない。

そうして時間だけが無為に過ぎて、その間にみんな自分なりに生きている。

停滞も逡巡も悪だと言われ続け、今はちゃんと休めと言われる。でも休んでいると焦りや不安ばかりが積もってゆく。


我慢ならない大きな出来事がドカンとあったんじゃなく、

我慢したくない小さな物事が積もりに積もってどうしようもなくなっている。

大きな出来事はガラクタと同じ。どかしたり、引き取らせたり、作り変えることすら出来る場合もある。

小さな物事はホコリと同じで、掃除しても拭き取っても幾らでも積もってくるから始末が悪い。

自分の人生が嫌になっているのは、このホコリまみれのほうだと思う。

ガラクタをどけたときだけは新鮮な、綺麗な木目が見えるけど。すぐまたそこにも嫌なホコリや砂がつもってゆく。

粉よりも小さな、小さな粒になって。




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