92話:T・K・G!
最終兵器T・K・G。
異世界生活百十七日目(続)
勝さんとの帰り道は、やはりあっという間で、お昼前には帰ってこれてしまった。
「ただいま~」
「メグミ、良く帰ってきたの」
「メグミさん、よくぞ、ご無事で!不届き物などはいませんでしたか?」
「ううん、全然。すごく親切な人に街を案内してもらえたよ!」
「メグミ殿、その籠に入っているのが鶏ですかな?」
「そうだよ!三組、六羽いるから大事に育てて増やそうね!」
「早速鶏小屋をつくるとするか!いくぞケイちゃん!」
「え?拙者が居なくても建てれるのでは?」
「うるせえ!いくぞ!」
オカちゃんとケイちゃんの、いつものやり取りが、一日しか離れてなかったのに、しみじみくるなあ。
「メグミ様、鶏を飼うのはいいのですが、食事などはどうするのですか?」
「えーと、今、浜であるものだと、お米かな?ハーブとかも食べれるかも」
「なるほど、基本はお米で、たまに別の物を与える感じですか」
「うん、うまくいくか分からないけど、きちんと運動できる広さのところで飼うのがいいと思う」
「あー、メグミちゃん。飼育方針を話してるところ悪いけど、俺はそろそろ帰ってもいいかい?」
「あ、勝さん、東方行きを手伝ってくれてありがとう!帰っちゃうんだ」
「ヤドカリたちとの交流も大切だし、東の海を放り出したまんまだとよくないからね!何かあったらまた召喚してくれていいから」
「うん、ありがとう!でも帰る前に、東方で手に入れた材料で作る料理食べてかない?」
「お?卵使った料理か、何にするんだ?」
「T・K・G!たまごかけごはんだよ!」
「おお!日本人の魂!!」
「そう、日本人の魂だよ!」
「なるほど、日本人の魂か」
「徹くん。ぬるっと入ってきたね」
「俺は勝と違って、ここ住まいだからな」
「すっかり住人になって……」
「二人とも大きいけどお茶碗一杯でいいよね?」
「ひと口で終わっちゃうけど、それは仕方がないよな」
「まあ、俺達は本来もう食事いらないからな、故郷の味が食えるだけ、ありがたい」
ということで早速ご飯を炊く。しばらくして炊けたご飯を茶碗によそい、卵が落ちないようにくぼみをつくって、東方で買った卵を割り、しょうゆをかけて混ぜる。
まぜまぜ。
そこに買ってきた海苔を添えて完成!たまごかけごはん!
「ふんふん。やっぱり炊き立てご飯に、生卵と醤油を混ぜた味は格別だね!」
ひょいぱく。
「ウオオオ、何千年ぶりの味だああ!!!」
「勝!うるさいぞ!」
ひょいぱく。
「うおおお何百年ぶりの味だああああ!!!」
「徹くんのがうるさいじゃないか……」
「二人とも満足できたみたいでよかった!」
「もっと食べたいぞ!」
「うーん、でもお米はそこそこ穫れそうだからいいけど、卵は後ちょっとしかないし、産まれるようになるまではまだまだ時間がかかるから、今日は終わりかな!」
「東方にならいつでもおつかいにいくぞ!」
「いや徹くんが行ったら、悲惨なことになるって、何回言ったらわかるんだい?」
「こういうときだけカニの体が恨めしい!」
「こないだまで全然食事に興味がなかったくせに!」
「メグミのご飯がうまいのが悪い!」
「うん、そうなんだ、じゃあもう徹くんにはご飯作るのやめるね」
「いや、全然、困ってないから、むしろその作ってもらえないと悲しいというか、そのえーと」
「嘘だよ!徹くんも大事な家族だもん!一緒に美味しいもの食べようね」
「お、おう!」
「メグミ~鶏小屋が出来たぞ~」
「あ、オカちゃんお疲れ。たまごかけごはんをお食べ!」
「お、なんかトロっとした感じだな。おお!この黒い草みたいなのがいいな!」
「それは海苔だよ!モクさんたちに見せて、作れないか後で聞いてみるつもりなんだ」
「ほう、モクさんに頼むってことはこれは苔とか海藻なのか」
「メグミ殿拙者も!拙者も!」
「はい、ケイちゃん。」
「おお、これが新しい料理、ほんのり甘くて、拙者気に入りましたぞ」
「これがたくさん食べれるように、がんばって鶏飼育しようね!」
「わかりましたぞ!」
「うん、じゃあケイちゃんが鶏係ね!」
「鶏係ですな……ってエエエッ!嵌められましたぞ!」
「いやなの?」
「い、いやじゃないですぞ!拙者責任もっておいしい卵採ってみせますぞ!」
こうしてわたしたちはたまごかけごはんを楽しみ、ケイちゃんは鶏を育てる係に任命されたのであった。
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