84話:売るものを決めよう!
お出かけ前の準備って楽しいですよね。
異世界生活百八日目
勝さんの講座を受けてちょうどひと月が過ぎた。
わたしのクルストフィア語の習得率は勝さん曰く、聞き取りはOK!発音が微妙……らしい。
やはり異世界の言葉の発音は難しい。でもこれならそろそろ買い物も行けるらしいので、今日は東方に持っていけそうなものを決めることにした。
「勝さん。わたしたちのところから、東方の土地で売れそうなものって、魚以外はなにがあるかな?」
「むーん……メグミちゃんたちのものか~。鰹節は多分凄い品質だからおすすめできるかな?あとは香辛料も東方は基本中央大陸から輸入してるから、喜ばれるかな。あとは焼き物なんかも、素朴な感じだから売れるかも」
「あれだ、メグミ、なんかすごい包丁持ってただろあれ売ったら、めちゃくちゃ高いんじゃないか?」
「徹くん。あれは駄目だよ!土座衛門さんからもらった大切なものなんだから!」
「土座衛門ってだれだ!なんだそいつは!」
「あー、徹くん土座衛門さんってのはユーマのことだ」
「げっ!あのインチキ野郎か!なんでメグミのところに来てるんだ!」
「記憶喪失だったんだよ」
「記憶喪失……ちっ、仕留めるチャンスを逃していたか……」
「徹くんは、土座衛門さんと何か因縁があるの?すごくいい人なのに」
「あーまあ、徹くんは最強を自負していて、俺ぐらいしかライバルいないわけなんだけど、偶然ユーマと出会うことがあってだね……いつもどおり突っかかって行ってやられたんだよね……」
「勝!余計なことを言うな!ていうかあれはインチキだろ!なんで急に出たり消えたりするんだ!」
「そういう魔剣技だからとしか……」
「土座衛門さんそんなことできたんだ……いきなり包丁出したりとかなんか凄かったけど」
「まあ、徹くんの敗戦記録は置いといて、東方に最初持ってくのは魚と香辛料がいいと思うよ」
「ふんふん。良く獲れる巨大鯖がいいかな?カツオとかクエとかはガザ爺たちが死闘を繰り広げないといけないし……」
「なんだ?カツオが欲しいのか獲ってきてやろうか?」
「あ、徹くんなら簡単か~。でも電撃で黒焦げにしちゃったり、ハサミでぶつ切りにしたりしないか心配だなあ」
「メグミ!俺へのイメージがなんかダメな方で固定されてないか?魚獲りは500年やってるから流石に新鮮な状態で持ってこれるぞ!」
「うーん、それじゃあ出発する前の日に頼んじゃおうかなあ」
「おう!任せておけ!でっかくて黒光りしてるやつを獲ってきてやる!」
「ガザ爺たちにはいつも通り鯖を獲ってきてもらおう」
「メグミちゃん。持ってく物の目途がついたのはいいが、どうやって持っていくつもりだい?」
「ヤッシーとモクさんたちに頼んで竹籠作ってもらおうかなって」
「あー、あの背負えるやつね。でも大分大きくなりそうだけど持てるの?」
「わたし、力には自信があるので!」
「あ、でも海の巨大カツオとかだと籠に入りきらないかも。」
「あー、あの巨大カツオは、人間の何倍もあるからなあ……」
「徹くんカツオ獲りは行かなくていいかも」
「な!?いやメグミ!そこは鰹節の材料として必要だから、獲ってきた方がいいだろ?な?」
「あー、そういえば売る分の鰹節用意したら、みんなで使う分がなくなっちゃうかもだもんね」
「そうだ、うん鰹節にするなら時間がかかるからな、今すぐカツオを獲ってくる!」
ザバーーーン。
徹くんはそういうと海に突撃していった。
「ふ、徹くん、青いな……」
なぜか勝さんは遠い目をしていた。
さて竹籠づくりだけど、この辺て竹生えてるのかな?
「サワキさん、こういう竹って植物見たことある?」
ミコちゃんを通じて、竹のイメージを共有する。
「ほほお、これは結構生えてるぞ。ヤッシーを連れて採取してこればいいのか?」
「うん、これで籠を作ってほしいんだ、モクさんと一緒に待ってるね」
しばらくして、ヤッシーたちが、青々とした竹をたくさん採ってきた。
「これがメグミが編んでほしい籠の素材か……硬そうだが……」
「この状態で使うんじゃなくて、薄く切って使うんだよ~。こんな感じ!」
「ははあ、なるほど。うーんこれは大変そうだから、カムリさんと協力してやるか」
「ホー、これはなかなかやり応えがありそうデスネ。素材的にヤマトくんたちにも協力して貰いまショウ」
「こりゃ何日もかかかりそうだぞ」
「鰹節を増産しなきゃだから、すぐできなくても大丈夫だよ!」
こうしてわたしたちは東方に向かうための準備を着々と進めていくのであった。
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