78話:北へ向かう準備
寒さ対策は大切!
異世界生活七十一日目(続)
「では、北へ向かうには、どうしたらいいだろう会議をします!」
「「おー」」
「まず、徹くん。北は寒いと言いましたが、どれくらいの寒さかわかりますか?」
「そうだな、冬の北海道位だと思うぞ」
「それは大分寒いね!氷点下も普通にあるってことだね」
「冷水プールより冷たいとなるとわしらはお手上げじゃのう」
「北への遠征は私たちはよした方がよさそうですね……」
「凍死しちゃうっすね~」
「一応コメちゃんズが温度魔法で温かくできるけど限度があるしね……そこで助っ人として、キワミくんとタラちゃん達に来てもらいました!」
「なるほど彼らはもともと冷たい海底住まいですからね、寒さも平気という事ですか」
「私たちにも限度というものがありますので、コメちゃんズのサポートは必須ですがね」
「海辺ならともかく、陸地の探索となるとタフな仕事になるからな、地元のカニの協力も得られればいいんだがな」
「北部にもカニさんいるんですか?」
「あー、どうだろうな、毛ガニとかいるかもなぁ」
「勝さんも心当たりとかありますか?」
「花咲ガニがいるはず……でもあいつら気難しいからなあ」
「ふんふん。毛ガニさんや花咲ガニさんの協力が得られるよう、出会ったらがんばるね」
「あとは北にもサワガニの仲間たちがいるぞ」
「じゃあ、サワキさんは、北行き大丈夫なんですか?」
「まあガザ爺たちよりは耐えれるだろう、地元のサワガニと水辺の交渉は任せてくれ」
「北部は農産物探しと、生産で、醤油はこっちで作成を試すから、ヤマトくんたちはお留守番でいいね」
「わしらから北に行けるのはサワキさんとアッシーくんだけじゃろなあ」
「じゃあ、キワミくんとタラちゃんたち以外はわたしとミコちゃん、コメちゃんズ、サワキさん、アッシーくんで北に向かうね」
「あ、徹くんと勝さんは、陸地を闊歩すると環境破壊になるから、とりあえずお留守番で、何か不測の事態があったら呼ぶからよろしくね!」
「なんだ!俺も探索に行った方が絶対早く終わるだろ!」
「徹くん。俺らの体のデカさを考えようぜ。小麦とか大豆とかきちんと避けて歩けないだろ?」
「いや、そこは細心の注意を払えば」
「徹様は絶対にそんなことはできませんよ、それにお二人が北部に来たら現地のカニたちが委縮するでしょう」
「メグミちゃんだけでも存在感やばいからねえ。俺たちまで行ったら天変地異とか思われるかもしれんなあ」
「ま、大将たちが居なくても、交渉はメグミちゃんがなんとかするし敵は俺たちがばっさりやるから心配いらねえよ」
「むむむ……」
「徹くんは、留守の間、金属製品をヤマトくんたちと作っててほしいなぁ。徹くんしかできないことだし」
「そ、そうか?じゃあバリバリ作っておくから楽しみにしていてくれ!」
「徹くんに言う事を聞かせるなら、メグミちゃんがなにか言うのが一番なんだなあ……」
「徹様はわかりやすいですからね」
「遠征メンバーは決まったから、次はいるもので……とりあえず保存食と水と……」
「メグミは防寒着もいると思うよ!」
「ミコちゃん。防寒着って言っても、材料が無かったら、モクさんやカムリさんでもどうしようもないよ……」
「フフフ。我々服飾チームを、なめてもらっては困りますネ」
「冷たい地域では、モコモコするのがいいとミコちゃんから聞いている。そこで使うのがこれだ」
ドサっと茶色い毛むくじゃらの塊が置かれた。
「これは?」
「以前住処を襲ったクマの毛だ!」
「とってあったの?」
「解体した時に綺麗に剝がしましたからね」
「後はメグミが防寒着とやらのイメージを送ってくれれば制作に取り掛かれるぞ!」
「えっとじゃあ、長袖とズボンでフードがこんな感じでと、ミコちゃんお願い!」
「はーい、二匹ともこんな感じだよ」
「これは!ハサミが鳴るな!」
「今回はモクさんと合作で作ることで素早く用意しますヨ」
こうして防寒着を作る事になり、日が傾いてきたころ。
「試作一号が出来ましたヨ!」
「フ、はっきり言って自信作だ」
そういって二人がもってきたものは確かに長袖、長ズボン、フードの付いた上着だが、
なぜか熊の耳を模した飾りがついており、どっちかというと着ぐるみのようなものだった。
「なぜこんなデザインに……」
「温かさを追求した結果こうなった。内側はいつもの布を当ててあるから、肌触りはさらりとしてるはずだぞ」
「コメちゃんズに冷却空間を作ってもらって、試しに着てみてクダサイ」
ゴソゴソ、モゾモゾ。
「思ったより着やすいかも!」
「ヤリマシタネ!」
「メグミかわいい!」
「な、なかなかいいじゃねえか」
「思ったより動きやすいし、これなら探索もしっかりできそうだね!ありがとう。モクさん、カムリさん!」
「我々も新しいタイプの服を作れて楽しかったぞ」
「防寒着もバリエーションを作っておきたいデスネ」
「ふふふ、それは楽しみだね」
こうして北へ行く準備が着々と進んでいくのであった。
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