21話:塩田を作ろう
塩分の取り過ぎには注意ですよ。
異世界生活十二日目
私たちは今、「塩づくり」を目指して会議を開いていた。
「よし、それでは《住処に塩をもたらそう会議》を始めるぞい!」
ガザ爺が音頭を取る。
「メグミよ、まずは“塩”とは何ぞや?というところから共有してくれぬか」
「うん。海の水がしょっぱいのは、塩が入ってるからなんだよ」
「ふむふむ、それで我らは何をすれば良いのじゃ?」
「ワタルくんたちは海水に強いでしょ?だから、オカちゃんたちの代わりに作業を手伝ってほしいの」
「なるほど、確かにオカちゃんたちは清水派ですからな。海水プール工事でも、仕上げはホリ殿の活躍でしたし」
「でも僕たち、穴掘りくらいしか取り柄がないよ?」
「大丈夫!ホリくんたちには、すっごく浅い塩田を作ってもらって、それをヤマトくんに水漏れしないよう加工してもらうの。そしたらみんなで海水を運んで、太陽で温めて乾かせば塩ができるはず!」
「それで本当に塩ができるのですか?」
「詳しくは分からないけど、昔見たやり方ではそうだったよ!」
「ふむ……まあ、やってみることが大事じゃな」
ホリくんたちの職人技で、浅い塩田はすぐに完成した。
「よーし、みんなで海水を運ぼう!」
「海水プールみたいに引き込むんじゃダメなんですか?」
「それじゃ永遠に乾かないよ。水を薄く張って、しっかり蒸発させないと」
「なるほど、乾燥がカギなのですね」
私たちはよいしょよいしょと、貝殻を使って海水を運び始めた。
「うーん、広く作りすぎたかも。ちょっと薄く張るだけでも大変だね……」
「そうですね。水を汲む道具が貝殻しかないのがネックです」
そうぼやいていたとき、大量のコメちゃんズが海から現れ、しっとり濡れた姿で塩田に整列した。
そして──高速回転!
「えっ!?何やってるの!?」
彼らの回転はまるでスプリンクラー。海水を均一に撒き散らしていく。しかも交代でやってくれるので、あっという間に塩田は海水で満たされた。
「すごい……!」
作業を終えたコメちゃんズは、砂浜にハサミを突き刺し、ハサミを赤く光らせ始めた。すると……塩田があたたかくなっていく!
「ちょっ……砂を加熱できるの!?火だけじゃなかったの!?」
しばらくすると、乾いた塩田に白い粒が少しだけ浮かび上がってきた。
「塩できたー?」
「うーん、まだまだ薄いかも。何度も水を撒いて濃くしないといけなかったはず……」
「なるほど、濃縮するんですね!」
その後もコメちゃんズのスプリンクラー作業は続き、塩田には次第に白い結晶が目立つようになっていった。
「でも……このままじゃ砂が混じっちゃうか」
「ならば布で絞ってから煮ればよいのでは?」
「モクさん!」
「ワタシの布の方がキメが細かいデスヨ!」
「いや、我の布こそ──」
「まぁまぁ、わしが絞ってみよう」
ガザ爺が万力のようなハサミで、砂混じりの海水を絞り、きれいな液体を大きな貝に溜めていく。
その貝を、コメちゃんズが温めて蒸発させると──ついに!
真っ白な塩の小山が現れた!
私は一つまみをつまんで、口に入れる。
「しょっぱ~~~い!」
でもおいしい! 少し苦みもあるけど、たしか苦汁とかいう成分が残るんだったような……?
ともあれ──異世界での塩づくり、第一段階は大成功だった!
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